劇場公開日 2023年9月1日

  • 予告編を見る

「映画の趣旨上採点がきわめて困難なのは確かですが…」私たちの声 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画の趣旨上採点がきわめて困難なのは確かですが…

2023年9月2日
PCから投稿

今年293本目(合計943本目/今月(2023年9月度)3本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

 さて、こちらの作品です。
男女同権思想(フェミニズム思想)から一歩抜けて「女権拡張主義」という論点が入ってきます。映画は7ストーリーからなる章立て形式(オムニバス形式というのが正しい?)で、いずれも女性がテーマで、男性はほぼ出ない(出ることは出るが、メイン筋としては出ないといって差し支えがない)というストーリーです。

 また、7ストーリーいずれも国が異なる(日本もちらっと出ます)ことから、男女同権思想に関しても国による差が顕著にあり、また映画の性質として、セリフが極端に多いパート(章)、少ないパートとバラバラで、なかなか評価のしづらい映画ではあるというところです。

 ただ、この時間枠で7ストーリー(国もすべて異なる)をテーマに、男女同権思想から一歩抜けて、女性の「エンパワーメント」(女権拡張主義)という点を扱ったのは評価は高いといえます。「映画館で見る作品」の性質上、誰にでもおすすめできる映画ではないのは確かに言えますが、迷ったらおすすめ(3番手以上には来そう)というところです。

 なお、妙に混乱させる部分がありますが、7章目(最後のストーリー)はなぜかアニメ仕立てで、最近でいうと「マイ・エレメント」に似たような展開になります(赤い精霊、青い精霊の両方が女性である点が異なる)。この点も、「7つもあるのだから、1つはアニメタッチで」ということだろうと思いますが、逆にアニメタッチにした関係で、上記の映画の成り立ちの趣旨上、「何を主義主張として述べたいか」がわかりにくい部分は確かにあります。7章のうち全部ないし大半がそうであれば減点対象にはなりましょうが、1つがそうであるにすぎないので、「一つくらいはアニメタッチにしたかった」という趣旨も考慮の上、減点なしの扱いにしています。

 今週(9月1週)はどうしても埋もれてしまう作品にはなりましょうが、男女同権思想(フェミニズム思想)ほかに興味関心を寄せている方にはおすすめといったところです。

 減点対象としてはそこまで見出せないのでフルスコア扱いです。

yukispica