パスト ライブス 再会のレビュー・感想・評価
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知ってるかい?寝言は韓国語だけ。君は、僕がわからない言語で夢を見る。
私モテてるわ、と悦に浸っている韓国系移民女の話。A24作品なので期待したものの、ただの雰囲気映画でした。評価の低さは、この女に対する嫌悪感ゆえです。
シャイなユダヤ系(たしか?)アメリカ人の夫。24年も初恋を引きずっている故郷韓国の幼馴染。その二人の間を爽やかそうに振る舞っていそうで、じつはしたたかに弄ぶ。
なに?幼馴染の気持ちに気づきながら、自分にはもうその気はないのにその思わせぶりは?
どうして?いくら夫が気が優しいからと言って、背を向け放置して知らない言葉で語り合う羞恥プレイの真意は?
おそらくこの三人の関係が、例えば陽気なイタリア人がハワイにでも出かけて行ったとかなら、友達にでもなれただろう。だけど、男二人は、一人静かに家でゲームをしているような大人しい奴と、お堅い韓国の風土に染まり兵役を終えた真面目な奴。そこに、大ごとにはならないだろうという女の甘えがないかい?二人の心情を思えば、自分の行動がどれだけ傷つけているかと気付かないのかい?ましてや、あんたは物書きなんだろう?
だいたい、遠くに住む既婚女性のところにノコノコと言ってしまう男もどうか、だな。奪うつもりもないなら、夫の気持ちを察しろと思う。ただ懐かしくて会いに来た、自分は害がないとしっかり演じろと思う。これが大人のラブストーリーだって?いやいや、大人じゃなくまだ子供だから自制が効かずに会いに出かけてしまうんでしょ。久々の再会にももじもじしてしまうんでしょ。別れ際に、女からキスでもされたらそのまま連れ去っていったのか? 穿ってみれば、君は今いい出会いがないから(もしくは気づきがないから)過去に縋っているだけじゃないのかい?と。前世、現世、来世。そんな言葉できれいごとに済まそうなんて虫が良すぎる、そう思った。
夫も、あれじゃあ疑念は深まるだけだな。彼は純粋にただの幼馴染の関係なのか?(本当はもっと深い仲だったのでは?)、君はただ懐かしかっただけなのか?(あわよくば彼とどこかに行ってはしないか?)、そして君は、本当に僕を愛してくれているのか?(グリーンカード欲しさ?)と。
そうだ、彼は「ファースト・カウ」の彼か。じゃあ尚更幸せになって欲しいわ。(他の映画の結末を引きずってもしょうがないけど)
ちょっと、キュッとなりました。
メリーゴーランド前に座る二人のカットが素敵だなと思い、あまり事前情報を入れずに映画館へ。スタイリッシュな印象を持ってましたが、映像も素敵で良かったです。
セリーヌ・ソン監督、今後も楽しみです。
幼い頃の恋心は、同じ好きでも、本気の好きと、仲良しの延長戦上ぐらいの好きもあるでしょうし、ヘソンは前者だなあ…なんて思って見てました。いずれにしても初恋は、うまく気持ちを伝えられないことの方が多いかもしれませんね。
この二人には少し温度差があったような、コンタクトもヘソンから取ったのが始まりだし、ノラ(ナヨン)の方が目指しているものがあるだけに、ドライに感じました。
なので、ヘソンの方が泣き虫キャラっぽく思えました。
10年じゃなく、12年区切りなのは何故だろう、干支が一周まわってしまう…なんてことはさておき、20代の一番動けそうな時に会いに行けなかったもんかなとか思いますが、実際なかなか行かれなかったりしますね。
縁とは、必ずしも現世で一緒になることではないのだなと思い切なくなりました。
俳優さんたちは初見ですが、素敵でした。
ヘソン役のユ・テオが時々、現・松本幸四郎(松たか子兄)に見えました。あと、顔に対して結構がたい がいい。鍛えてるんだろうなあ。
*****
内容は違うけど、離ればなれの二人が海外で会う……ちょっと「冷静と情熱のあいだ」を思い出しました。
そして、最後は割りきってるんだけどスッキリしない感、私には「マチネの終わりに」と同じ気分でした。
「いい女」ぶりに引いた
A24作品だったので期待しましたが。。。
私にはあまり刺さるところがありませんでした。
12歳から36歳までずっとノラを思い続けているヘソンの一途さに驚く。
ノラのほうは、24歳の時点でヘソンのことを忘れていたではないか
オンラインでの繋がりから二人の仲が進展するかと思ったら、会いたい会いたいとお互いが言いながら、結局ノラは仕事を選んで、仕事に集中するためにコンタクトを止めてからさらに12年、二人はなんで再会したんだっけ?
イニョン(前世からの縁)というのは、ノラにとってはヘソンは「番」ではなくそれ以外、タマシイの縁、親友とかそういう意味だと思うがヘソンには番という意味だったんだろう
愛し合うお花畑の二人がそう言い合うのは微笑ましいですが
ノラとヘソンのこの関係性で前世だの縁だのちょっと大げさな気がする
(前世だの縁だの、東洋的で西洋人には受けそうです)
36歳のパートは、ノラに共感が持てない。ヘソンとふたりできゃっきゃっとニューヨーク観光をし、夫には曖昧なことしか言わず、男二人に思わせぶりな態度で、モテモテのアタシ、を楽しんでいるんでは、と見える。彼女の発する言葉や振る舞いがいちいち意味深で、ずっと「ワタシ、いい女でしょ」な雰囲気を醸し出しているようで、引きながらみていました。
ノラは夫と別れるつもりはなくヘソンに釘を刺す前提なのだろうが、夫と二人暮らしの家に迎え入れ、3人で食事をしてさらに飲みに行って、韓国語のわからない夫をほったらかしあろうことか背を向けて、幼馴染男と二人にしかわからない話をするか? 夫に大変失礼で、これをやるノラが高慢に見える。冒頭のバーの3人を見た他の客の会話のように、傍から奇異の目で見られているのは必然、そして夫は観光ガイドかもとか言われてしまう、主役カップルのおじゃま虫のようなシチュエーションなのだ。そんな惨めな場に置かれたら、私なら帰りますよ、お二人でどうぞ好きなだけ語り合ってください、って。そうできないのはノラにベタ惚れだからですかね、自分が席を立ったらそのまま幼馴染に攫われてしまう危機感があって針の筵のようなところに居続けたのかも
そういう夫の心中も、ノラにはわかっていたでしょう。
ノラのいないところで男二人、ぎこちない英語で話ができたので少しマシにはなったが、それでも気まずすぎる。
ヘソンを送って帰ってきたノラが、家の前で待っていた夫の前で泣き出したのにはドン引き。夫、良い人過ぎ。
ヘソンは勝ち気で新世界に臆せず飛び込んでいくノラが好きなのでしょう
韓国の、ヘソンの周囲にはいないタイプなんだと思う
ヘソン自身、保守的な昔ながらの考えに縛られているところがあり、彼自身がそれを解き放ちたいのかそうでないのか、無意識に現状維持な気がするので自分でもどうしたいのかわかっていないのかも
ノラとの仲にはっきりケジメがついたんだから、メソメソしないで次行こう
ニューヨークの風景が素敵でした
運命かタイミングか
久しぶりに胸がきゅうっと締め付けられるような映画だった。男女のうちどちらかが病に倒れたり亡くなったりしない展開なのに、こんなにも切なく胸が苦しくなる物語はあるだろうか。
인연 イニョン。漢字で書くと因縁となり、日本語漢字では悪い意味で用いられるが、韓国語では「縁・ゆかり」の意で用いられる。それともう一つ。Past Livesは前世。
前世からの縁。来世への縁。神秘的な意味を信じれば信じるほど、運命の相手だって確信は強くなるのに、それが叶わないことがもう本当に…神様が与えたこういう運命なのだろうか、人生は何事もタイミングなのだろうか…と思わされる。
ヘソンとアーサー。ヘソンが英語ペラペラじゃなくてよかった、アーサーが韓国語達者じゃなくてよかった、とつくづく思う。二人はかろうじて英語でやり取りしていたけど、これが完璧に意思疎通できる会話だったらきっとヘソンとアーサーはお互いに傷つけていたかもしれないよね。
ヘソンとナヨンがなぜ結ばれない運命になってしまったのかと、第三者目線での後悔?というか何というか…この感情をどう説明したらいいかわからない。とにかくもう胸が痛い…。
エンドロールでナヨンの名は併記されていなかった。彼女の人生のアイデンティティはもうとっくにそして完全にノラだったのだ。それを見てまた悲しくなる私…。だってヘソンにとってはノラじゃなくてナヨンなんだからさ。
あくまで個人の感想です
韓流ドラマによくあるフォーマットをコメディ色を排除してセンチメンタルに作った、退屈な作品でした。
いい年して小学生の頃の思い出に囚われるかな。好きな子がいたとしても何して遊んでたかも覚えていないし、それと輪廻転生とくっつけられて話されても普通ならドン引かれると思いました。恋愛脳が高校生で止まった男女の話で、つまらなかったです。韓流にありがちなピューリッツァ賞だのトニー賞取る!とか言ってたり、異常に物分かりのいいユダヤ人がいたり、、、。面白い韓流ドラマはこれに記憶喪失やらすれ違いやら双子の兄弟やらが出てきて盛り上がるのですが。
この映画酔ってる2人の脳内を映像化したものと勝手に思いこんでしまった感じでした。
結果
そうなるとは思いましたが、やっぱり少し残念でしたね。2人ともそこまで思い合えてたのは凄い事ですよね。やはり、何かの縁があったのでしょうか。長い年月をコンパクトにまとめてましたが、とても見やすかったです。
ずっともどかしい。
小学生の頃、突然の別れで離れ離れになった男女幼馴染みのナヨン(女)とヘソン(男)の話。
韓国ソウルに暮らしてた頃とは別名を名乗るノラ(ナヨン)と、初恋の相手がナヨンのヘソン、ある日、母との電話で幼馴染みの彼を思いだし、その子の名を母から聞き検索、FBでヒットし、ヘソンのSNSを覗くと自分の事(ノラ)を探してると知る事に…。
タイトルにも書いたけど、とにかくもどかしい。でも、こういう恋愛もありますよね。
てっ、言うか自分の経験ともリンクする部分があって、その頃を思い出しました。
お互い好きな関係なのにタイミング悪くその時は相手がいたりで一緒になれない、ずっといるのに友達以上の関係になれない(これリンクした部分)、24年ぶりの再会でお互い好きと言いたいけど、言えない言わないで、ノラの旦那の送り出してあげる優しさと大人さ、ラストのノラを抱きしめてあげるアーサーにも涙。
アーサーという旦那がいなくてハッピーエンドも観たかったけれど、この本作のもどかしさやノラとヘソンの距離感がたまらなかった、電車内だかバスだか忘れたけど「手すりで触れそうで触れない手」う~んもどかしい!(笑)
指揮官と擁護者
人って何故か限りなく反対の人に惹かれる。
友達とかは違うのに。
離れてしまうと今度は共通部分が邪魔をして。
ラストのやりとりが彼女にとって彼が運命の人だと痛感するであろう「まさに」の瞬間で。
リアル。
幻想が妄想になっていくのを止めるのは現実的な彼女の言葉
2024.4.6 字幕 TOHOシネマズ二条
2022年のアメリカ&韓国合作の映画(106分、G)
12歳の時に離れ離れになった幼馴染の24年後の再会を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本はセリーヌ・ソン
原題の『Past Lives』は「前世」という意味
物語の舞台は韓国のソウル、12歳のナヨン(ムン・スンア)とヘソン(イム・スンミン)が描かれて始まる
クラスで成績優秀の二人は、いつもナヨンが1位で、ヘソンが2位だった
だが、この時はヘソンが初めて勝ち、それが原因で彼女は泣いてしまう
ヘソンは「僕はずっと2位だったけど泣かなかった」と、ナヨンを慰めた
二人はお互いに好き合っていて、その関係がずっと続くと思っていたが、ある日、ナヨンは家庭の事情で、カナダのトロントに移住してしまうことになった
お互いの母親は二人に思い出を作らせてあげようと、果山国立公園へと出向く
別れを惜しむナヨンに、母(ユン・ジヘ)は「失うものがあれば得るものもある。あなたも彼に何かを遺してあげなさい」と言った
物語は、その12年後、24歳になったナヨン(グレタ・リー)が、父(チェ・ウェニョン)のFacebookにて、ヘソン(ユ・テオ)メッセージを見つけるところから動き出す
カナダに移住することになったナヨンはノラという英語名で活動していて、ヘソンは彼女を見つけることができなかった
ナヨンはヘソンに友達リクエストを送り、それによって二人は、12年ぶりに「パソコンの画面上」にて再会することができたのである
映画では「イニョン(인연)」についての奥深さと輪廻転生、前世についての関わりが描かれていた
さらに12年後にあたる、36歳の二人の再会にて、彼は「ナヨンは今世では去る人なんだ」と思うようになっていて、それはナヨンの「あなたが愛した12歳の私はもういない」という言葉によるものだった
心と言葉が裏腹になっている二人だが、ヘソンはナヨンと今の夫アーサー(ジョン・マカロ)との関係に踏み込みたくないと考えていて、さらに彼女の言葉が自分の感情を整理してくれたことに感謝している
バーで3人が話すシーンが冒頭にあって、そこで男(アイザック・パウエル)と女(Chase Sui Wonders)の会話が流れてくる
3人の関係はどうだろうと話す、彼らの想像をはるかに超えた関係が、そこにはあったと言えるのだろう
映画は、俯瞰して見ると「自分のことを24年も想ってくれている男がいる」という前提で再会することになっていて、その想いの源泉が打ち砕かれていく様子が描かれていく
寄りを手繰り寄せる世界線がありそうだが、これまでヘソンを支配していたものからの解放になっていて、逆にナヨンの方が過去に縛られる人生を送ることになる
24歳の時に話さないことを決めたのもナヨンで、その後アーサーを誘惑したのも彼女だった
その間にヘソンも上海の交換留学生(ファン・スンオン)と出会い恋仲になるものの、彼は彼女と結婚するイメージが持てていない
その理由はナヨンがいたからで、それらの想いが「直接会うことによって」ある種の幻想との別離へと繋がる
二人の関係を切ったのもナヨンの言葉「12歳の私はもういない」であり、この言葉によってヘソンは「今世では去っていく人なんだ」と結論づけるのである
いずれにせよ、ビターエンドの作品で、24年間のヘソンの執着が、そのままナヨンに移行する様子を描いていく
これまではナヨンを守るのは自分だという想いがあったものの、これからはアーサーがその役割を担うことになる
アーサーの心情は心苦しいものがあるが、それが妻の選択でもあるので、それを受け止める以外に方法はない
二人が結婚9年目に入っても子どもがいない原因の一つがヘソンとの過去である可能性もあり、今の複雑な関係は子どもが生まれることで解消される可能性はある
問題は、それまでにナヨンの心が保つのかというところだが、彼女なら立ち直るのではないかと思えてくる
これが誰の過去のお話かはわからないが、それを乗り越えた今があるから作品として仕上がっているのではないだろうか
イニョン〜もしも、あの時・・・〜‼️
この作品は人間の一生、人生を凝縮したような、ロマンチックで切ないラブ・ストーリー‼️二人の韓国人男女の別れと再会を、24年前、12年前、現在という3つの時間軸で描き出す構成‼️24年前、お互い好意を抱くノラとヘソンは、ノラの両親のニューヨーク移住で離れ離れになってしまう。12年前、オンラインで再会した二人は、気持ちを伝えきれないまま、すれ違う。そして現在、ニューヨークでノラとヘソンは再会する・・・‼️我々が人生を送る中で度々思う事‼️あの時、違った選択をしていれば、今頃どんな人生を送っているだろう⁉️そんな人生のイニョン(縁)を24年間の時間の中で爽やかに描き出しています‼️24年前の幼い故の純粋でストレートな想い、12年前の相手を想っていながらも若さ故に自分のやりたい事を優先させてしまったり、そして現在、大人になって自分や相手の生活や立場を尊重せざるをえない気持ち‼️ホントにリアルな人間の気持ち、人生ですよね‼️韓国での幼少期、韓国とニューヨークでのオンラインでのやりとりも素敵なのですが、やはり出色は現在のニューヨークのパート‼️美しいニューヨークの夜景や、夕陽に照らされた回転木馬の前でのノラとヘソンの会話、フェリーから見る自由の女神‼️ホントにニューヨークに行きたくなる‼️脱線しますが自由の女神の内部はタイマツまで人が行けるようになってるんでしょうか⁉️ヒッチコックの「逃走迷路」‼️そんなニューヨークを舞台に繰り広げられるノラとヘソンのやりとり、会話の数々がホント胸に沁みる‼️「あなたが恋した12歳の私はもういない、あの時に置いてきた」「12年前、僕がニューヨークに来てたら?君がソウルを去らずに一緒に大人になっていたら?」そしてノラとヘソン、ノラの夫アーサーの3人がバーで語り合うシーンも、ハングル語で盛り上がるノラとヘソンの隅で、寂しそうなアーサーの描写も含め、ホントに素晴らしい‼️極めつけはラスト、ソウルへ帰るヘソンをノラが見送るシーン‼️「(来世で縁があるなら)その時会おう」と言うヘソンのセリフ‼️そして涙を流して泣くノラと、彼女を抱きしめるアーサー‼️ノラのその時の心情は⁉️ヘソンと結ばれた人生を思ったのか⁉️それともアーサーとの結婚生活の幸せを噛み締めたのか⁉️現在のパートに感動すれば感動するほど幼少期の思い出が光り輝き、12年前のオンラインのやりとりが切なくなってくる‼️ホントに深い‼️8000層もの想いを馳せられる恋愛映画の名作です‼️
人生の片隅に置いておきたい秀作
映画チラシの色使いがあまりにも美しく、かつ韓国人(韓国が絡む)映画ということで数ヶ月前から見ることを決めていた映画。
客層は中年以上、やや女性多めな感じ。
ストーリーは宣伝通りのため、特に見所らしい箇所は無く。序盤の印象的なシーンは、12歳の2人の別れ際(坂道)。分かりやすく、ノラが上り坂、ヘソンは平坦な道に進むのですがここが今後の2人の人生の「格の違い」を表現していました。
この映画の秀逸なのは、合間シーンの音楽、風景描写の美しさです。中盤まではドラマチックな展開は薄く、ここちよい音楽風景シーンが淡々と流れます。
それが、後半の3人シーン以降で効いてきます。
疲れた時に、この映画の世界観に浸りたい、とっておきの一作となりました。
思わず涙が込み上げましたが、しかし?
映画の初々しさ、みずみずしさに、思いがけず涙する。
鬼の目にも涙・・・でしょうか?
最後まで観たら後半はじわじわと感動の涙が込み上げてきました。
正直、世界中が絶賛とか、大げさだな・・・と思ってました。
(今も、そこまでの評価はありません)
成り行きで涙しましたが、よく考えると一筋縄では行かない映画。
(表と裏では見え方が真逆)
有名スターのいない良さ・・・とか。
長編映画初監督作で、それも自分の経験から生まれたという
セリーヌ・ソングさん。
大袈裟な表現もない、
泣かせの演出もない、
そんな清々しさ。
やはりヘソンを演じたユ・テオ。
一途で素朴に初恋の女性を思い続けた24年間、
とても共感出来る人だったんです。
ヘソンは韓国社会や自分の両親(家)そして仕事に
がんじがらめに縛られた生活を今も送っています。
憧れて大好きなナヨン(今はノラ)は、韓国から飛び立って移民した
勇敢な女性。
(親が新天地を求めたのですが、韓国人はかなり勇敢に世界に
進出しているようです)
ナヨンは12歳の時には成績をヘソンにたった一度抜かれただけで、
悔し泣きするほど強い性格。
そういう所もヘソンは好きだった。
その彼女が突然、視界から消えた、
移民して行ってしまった。
「突然・・・過ぎた・・・」と、つぶやく。
「韓国にいたらノーベル賞が取れない」
「だから外国に行く」
12年後(24歳)にオンラインで再会して、トロントと韓国で
オンライン・チャット。
懐かしさや思い出話で切なさも気持ちも盛り上がるものの、
お互いのキャリアを優先して会わずに、自然解消してしまう。
ここでもヘソンはナヨンにまた尋ねる。
「ナヨン、今の夢はなに?」
「ノーベル賞より、ビューリツァー賞かな?」
そして24年後にもヘソンはまた聞く。
「今の夢はなに?」
「トニー賞かな?」
(この野心こそがノラの本質なのだと思います)
この映画は韓国から実際に12歳でカナダを経てニューヨークに移民した
セリーヌ監督の実話に基づくから、なんと夫のアーサーと3人で食事したのも
事実とか。
そして今の夫で作家のアーサー(ジョン・マガロ)は、心の隅に、ある不安を
抱えているのです。
ノラ(ナヨン)はもしかしたら結婚はグリーンカード(永住権)を得るため?
それをちょっとだけ心配しています。
本当に彼女は愛してくれて結婚したのだろうか?
ノラが夫アーサーにヘソンを紹介する所はとでも良かった。
アーサーと自分の初恋の人との再会をオープンにすることにより、
再会はとても清潔なものになったから。
(でも自分の気持ちにブレーキをかける、そしてヘソンにも、
やんわりと牽制する効果も計算してます)
そしてアーサーが本当に優しい妻思いのいい人なので・・・
さすがに作家です(こんな経験は作品の素材になるもの)
この映画はサラリと淡く描いてるのが魅力なのだと思いますが、
よおく考えるとなかなかどうして、したたかな作品です。
ヘソンには捨てられない祖国、
捨てられない親や、しがらみ、
それを捨ててニューヨークという世界一の都市で劇作家として
多分戦場にいる初恋の人ナヨンが余計に輝いて見える・・
そんな気がして仕方ないのです。
初恋と24年後の再会を描いて、
「自由を求める」
「夢に向かって努力する」
そんなテーマを感じてしまうのでした。
たしかに韓国は日本と同じかそれ以上に女性の地位が低い。
ナヨン(ノラ)を演じたグレタ・リーさん。
勝ち気のかたまりに見えるお顔立ちです。
最後の別れで心残りのノラは、玄関階段で待ってる優しいアーサーに
泣きじゃくって慰めてもらう。
ヘソンはちょっとおひとよしでで都合良く描かれ過ぎかも。
ヘソンの言い分や本音も聞いてみたいです。
女目線の映画だと、公平に考えると私には思えてしまうんです。
理解ある夫くんによって成り立つメロドラマ
アカデミー賞作品賞・脚本賞ノミネート、加えてレビューサイトでの評価も高いのに、個人的には全くと言っていいほどはまらず落胆してしまった。これは私の理解力や知識の及ばない部分があるのかとパンフレットを買って読んだが、冒頭のバーで3人並んだシーンが監督の経験に基づくエピソードだと知り、余計に無理な感じになってしまった。
心が揺れるシーンがなかったわけではない。好意的に観て、感動する人たちがいるのも想像はつく。そんな方たちには、私の感想文はお目汚しになるでしょう。すみません。
昔ちょっと好きだったあの人と、今は離れてしまったけれど、あの時ああしてたら2人はどうなっていただろう……ここまではありがちな想像だが、その後、十数年おきに実際に接点が生まれ、30過ぎてからあんなジリジリくるような邂逅を経験することはなかなかないだろう。本作は、大抵の人の中で ”if” のまま消えてゆく想像を具現化したファンタジーでもある(監督は体験したようだが)。
24歳の時のオンラインチャットの終盤、ノラはヘソンに会いたい気持ちを募らせて、ヘソンに対しても自らそのことを伝えた。だが、自分は韓国に行けない、ヘソンがNYに来てほしいと言い、ヘソンが来れないことがわかると、連絡を取るのをやめると言い出した。
そうしないと韓国に行くことばかり考えてしまって、アメリカでの作家活動が大事な時期なのに疎かになってしまう、ということなのだろう。ノラはこの時点で、ヘソンへの気持ちと自己実現への道を二者択一と捉え、後者を選んだ。
会いたくて韓国行きのことで頭がいっぱいになり、相手のヘソンもまんざらでもないのだから、行動的なノラなら、ここで後顧の憂いのないよう互いの気持ちをはっきりさせるやり取りも出来たのではないかと思ってしまう。あるいは、トンボ帰りでいいから会いに行って話し合うことくらい出来なかったのだろうか。
しかし実際は、互いの恋愛感情さえはっきり口にせずもやっとしたまま。先に会いたいと口にしたのも、無理なら連絡を断つと決めたのもノラだったのに、ヘソンが提案した1年を過ぎても彼女は連絡を再開しなかった。
結局、2人のイニョン(縁)は本質的にはここまでだったのだと思う。
36歳になり、彼女と別れたからといきなりNYまでノラに会いに来るヘソンにも若干もやっとしたが、ノラの一連の行動が私にはちょっと無理だった。
昔なんとなくいい感じの間柄ではあったが、互いの間で恋愛感情を明確にしていなかったから(個人的には、直接会えないなら連絡を断つというのは完全に恋愛感情だと思うが)、ヘソンは「友達」だ。夫に対しても悪気なくオープンにできる。アーサーなら、元カレでも2人で会うことを許したかもしれないが。
しかし、アーサーだって微塵の不安もなく2人の再会を見守っていたわけではない。彼の、ノラを信じたい心と不安感が静かにせめぎ合う様子がひしひしと伝わってくる。
そのせめぎ合いの緊張感は、3人でバーカウンターに座った場面でピークに達する。真ん中に座って、最初はアーサーとヘソンの通訳を務めていたノラだが、やがて完全にヘソンの方だけを向き、アーサーに分からない韓国語で通訳もせず、2人の世界に入ってしまう。しかも内容は、なにもアーサーといる時じゃなくて前日2人の時に話しておけよというような、男女のセンチメンタルな会話だ。映画冒頭の描写では、アーサーは観光ガイドかなあなんて近くの客から言われる始末。そしてお会計はアーサー持ちである。
私は完全にアーサーに感情移入した。頑張れアーサー。
しかしこのシーン、監督の実体験であり、かつ夫をこのように描写しているということは、監督は自分の夫の疎外感も察した上で、このバーのシーンみたいなことを現実にやったわけですかね。なんだかなあ。
ラストの、Uberを待つ間に2人が向かい合うシーンは、短いが思わせぶりな緊張感が漂っていた。しかし、するのかいせんのかい……せんのかい! 結局意外な展開は何もない。
ヘソンが去ったあと、夫の前でノラが泣き出したのを見てがっかりしてしまった。今のヘソンへの愛というよりは、戻らない過去への感傷に近い涙なのだろう。でも、夫の前で泣くなよ。
こういうのは、「大人のラブストーリー(公式サイトより)」と言えるのだろうか? 私には、子供の頃の宙ぶらりんな淡い恋をあの歳まで消化しきれず引きずり、脱皮が遅れた人たちの話にしか見えなかった。
大切な人を不安にさせるくらいなら、自分の中に消化しきれない過去の何かがあったとしても、そのまま胸にしまって生きてゆくのが大人なのだと思っていた。ヘソンの気持ちに答えられないなら、早めにきっちり切るのも成熟した人間の思いやりだろう。
唯一、アーサーだけは大人だった。彼はノラの中に残る焼け木杭のようなヘソンへの感情に、夫として、また作家としての勘で、多分早い段階で気づいていた。そのことに内心不安や疎外感を覚えながらも、最後は泣きながら帰ってきたノラを、玄関先で待っていて抱きしめた。ヘソンの存在を彼女の一部として受け入れようとした。
この物語は、彼の寛容さなくしては成り立たない。ここまで包容力のあるアーサーこそ、ノラにとってイニョンのある男性なのではないだろうか。
もし、この3人の性別が逆だったら、つまりノラが男性だったら、現代においてこの話は美談たりえただろうか? その場合、女性を都合のいい存在として描くな、とか言われるような気がするのだが。
物語を彩るNYの風景が美しかったのが救いだった。
タイトルの意味に気付いてたら見てなかったかも…
英語苦手系中年なので、「PAST LIVES」の意味が、「前世」だって全然気づかず観た。
前世ものって、陳腐やんかぁ…
映画始まって早々に、“イニョン”という言葉が出てきて、縁、前世、輪廻転生という、わたくし的には避けたい系のワード満載で、ちょっと逃げたくなった。
袖ふれあうも多少の縁ってことわざ、ジャパンにもございましてね、仏教文化つーか、儒教文化っつーか、コリアもジャパンも文化のルーツが近いなぁって、改めて思った。
最初にズッコケはしたけど、楽しくは観られました。
ノラの韓国名なんだったかな、忘れたな。
韓国系の移民は英語名つける人が多いのかな?と思いました。そうやって馴染もうとしてるんだね。
小学生ヘソンの声が、声変わり済みでびっくりした。成長はやいね!
ヘソンの分厚い上半身に、韓国的な男らしい容姿の美を感じました。すみません。
ヘソンの友人4人組がずっと一緒でなんか嬉しかったです。
ノラの夫役の人は、ファーストカウの主人公・クッキーの中の人みたいです。切ないユダヤ人男性役、良かったです。
初恋の相手に会いたいなんて思ったことないわー。
字幕翻訳は松浦美奈さま。英語、フランス語、スペイン語の字幕翻訳もしてはって、すごいなぁと思っているけど、韓国語まで?
韓国語を英語にした脚本?字幕?から日本語に訳してるんかなぁ。すごいなぁ。
袖振り合うも多少の縁
「他生」だと気づいたのはいつだったか。韓国にも同じことわざがあると知り驚きました。同じ文化圏なんだと改めて認識。
24年前の少女を求めてニューヨークまで行く男も男だけど、それを受け入れる女性も女性だなあ、と。さらにその二人の二日間のデートを許し、そのうえ3人で食事する旦那さんも・・・。
なのに、結局、3人ともよい人で、それがかえって、見ていてつらい気持ちになりました。
でも、人生って、そんな感じですよね。
なるほど賞賛されるだけはあるかなあ、と。
前世、来世、また逢おう。
【映画星取ポイント】・・・[各0.5point]
●映画としての質が素晴らしい
●テーマ構成・題材が良い
●映画としておもしろかった!
●万人へオススメできる
●「観て良かったな」と思う・出会えてよかった
●映画館の環境で観ることをお勧めしたい
●パンフレットが欲しい
●特筆すべき魅力がある映画
良い意味で映画的じゃない美しい話。
時間の流れ方、
好きって伝えるまでの雰囲気、
離れる瞬間、
相手の気持ちを待つ空気感。
時差ありきのコミュニケーション。
夜のテンション、朝のテンション。
105分の映画の中なのに、24年間がリアルだった。
24年後、幼馴染との再会。
妻の韓国語の寝言、アメリカ人の夫にはわからない。
韓国語だけの会話が怖いって言っているのに
夫の目の前で幼馴染と韓国語だけで会話する妻。
とてもナチュラルな恐怖心。
あのバーの時間はなかなか観ているこちら側も緊張した。
実はアメリカ人の夫は韓国語を割と勉強していて、本当は理解してたら、なお怖い。理解した上でのあの顔だったら、さらに恐ろしい(笑)。
幼馴染同士、最後の2分。
あの見つめ合うあの時間、すごい決断だった。
胸がはち切れそう、あの抱擁。
こっちも溢れ出る。
泣きそうになったわ!
結ばれなかった2人の話。
観方によっては残酷だけど、
良い意味で映画的じゃない美しい物語だったなあ。
期待外れ。
観終わって、レビューを見たら高評価ばかりでびっくり。
A24作品が好きで期待大で観ましたが、自分には全く刺さりませんでした。
この作品、男性で共感する人なんているんでしょうか?
大学生?くらいまでのシーンはまだ良かったけど、ノラが結婚したあとのシーンはひたすら、なんだそれ?って感じ。
そんなに幼馴染が好きなら、いったんは離れるとしても一途に想えばいいのに、アメリカ人の夫と出逢って即そっちに乗り換えて、あーその程度の気持ちだったんだね〜、と思ったら、12年後に再会して夫そっちのけで二人で見つめ合ったり。あのバーのシーンは意味が分かりませんでした。ただただドン引き。夫に完全に背を向けて幼馴染に熱視線を送る主人公がひたすら気持ち悪いし、怒りすら沸きました。
夫が可哀想すぎて...主役二人の物語に全く入り込めませんでした。夫、良い人すぎ。
そもそも、小学生の時にちょっと仲良かった程度の関係で、前世がどーのこーのとか言うのは大袈裟すぎません?
何か二人だけの特別な事件があったわけでもなく。
なんでこの二人がこんなに時を経ても惹かれあってる風に描かれてるのか全く理解できませんでした。
久々に会ったらなんか燃えあがっちゃった、程度の腐るほどある話でしかないのに、運命論語ってるのが全くついていけなかったですねー。韓国ってああいう感じなんですかね?
主人公の女が終始「わたしイイ女でしょ?」感を醸し出していたのも、この作品に入り込めなかった一因かもしれません。なんであんな終始ドヤ顔なんですかね?
作家だか演出家だか知らないけど、どの程度の成果を出したのかも描かれないまま、ただただ自信満々のイイ女気取りで終始不快でした。
本編の冒頭にスペシャルインタビューみたいな動画が流れて、監督兼脚本家がこの作品はパーソナルな作品だみたいなことを言っていて、始まる前から辟易しました。
大体、自分のことを書いた作品って他人から見たらつまらないんですよねー。
映画はあくまで観客を楽しませるためのエンタメであって欲しいです。自分よがりのものを書き出したら終わり。
自分や過ぎ去った恋愛を美化しすぎだろと思って、それも気持ち悪かったです。
かなり前から期待していただけに、辛口評価になってしまいました。残念です。
今後のA24作品に期待します。
普段レビューしないのですがあまりにも?だったので。
A24作品好きな方にもオススメしないです。
音楽と映像はところどころ良かったの、星2つ。
大人の切ないラブストーリー
最初はイマイチでしたが本筋に入ってからは面白かった。
2人の恋が10年後毎に描かれていて、最初は好き好きモードから次第に忘れられない切ない恋に。。。私は冷静と情熱の間を思い出しました。
最後は究極に切なさピーク。泣き崩れ、やっぱりそうだったのか!彼女の気持ちを知ると更にグッときます。
これは大人の純愛です。あの時、あそこで、ターニングポイントはあったはず。。。
この話しの続きを観たいです。
全日空機内でみました
主人公は彼女が好きなのにNYに会いに行かないし、結婚するとわかってもやりすごす。そのわりにはひきずって、結婚後に会いにゆき、だんなさんとも交流。なんか煮え切らないけどしみじみしている。わかるような、結局さめているのかなとか。今の彼女ともいろいろ言い訳して進展させない。なんだかなという感じ。
カカオ80%の大人青春ムービー
セリーヌソン氏の監督映画デビュー作
24年間にわたる男女の恋愛模様を描いた作品
12年スパンでストーリーが展開され、
取り巻く環境や心情の変化が2人それぞれの視点で
描かれている
24年ぶりにNYでノラとサングが再会するシーンでは
2人ならではのぎこちなく甘酸っぱい雰囲気が劇場を包み込み
こちらまで恥ずかしくなってしまうほど、、、
一方で婚約者であるアーサーを交えたバーのシーンでは
ノラをめぐって言葉での意思疎通がとれない男性2人が
醸し出す、気まずく、ぎこちない雰囲気がまさに秀逸そのもの
「2人にしか」わからない関係をそれぞれに
持ったノラ、サング、そしてアーサーそれぞれの視点から
考えさせられる大人なほろ苦恋愛ストーリーです
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