「パンクロックの奴隷だ!」GOLDFISH 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
パンクロックの奴隷だ!
無駄に生き永らえてしまったハルの前に何度も現れるバックドアマン、Punkな死神こと町田康がリアルに説得力のある言葉をハルに吐き捨てる、そんなバックドアマンをギターで滅多打ちにするイチには先の人生を生きる理由があるのだろう、イチの娘であるニコにも見えていた、死に際を意識しながらただ生きていることが許されないように!?
十字路で悪魔に魂を売り渡したロバート・ジョンソンの"クロスロード伝説"を引き合いに"27クラブ"まで多少の強引さが観ていて恥ずかしく思え、有森也美が演じる雅美が典型的なグルーピーでナンシー・スパンゲンが献身的な女になったみたい、そんな年老いたシド&ナンシーのカップルは見るに堪えない。
全盛期の"銃徒"を演じる若手の役者たちが知らない顔ぶればかりで下手にイケメンや知れた連中よりか新鮮に感じられて良かったし、若い頃のアニマル役がちゃんと仲野茂で全体的に違和感ナシ、ライブシーンやオリジナルの音楽を流すのは極力控えめに格好悪くなる可能性を考えるとコレで良かった。
仲野茂の役だからボーカルなのだけれどKEEはドラムだと思っていた、まぁ歌うシーンは無かったような、あんなにギターを掻き鳴らす永瀬も初めて見たような、アナーキーが好きなら楽しめるだろうし永瀬でも渋川清彦でも、ハルのモデルであるマリの死因は映画でもはぐらかす。
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