劇場公開日 2023年4月28日

「うんこがリアルにたくさん作られてました」せかいのおきく jasmineさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0うんこがリアルにたくさん作られてました

2023年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まさか本物のうんこを使ってはないだろうよ。
でもうんこが本物のようでした。
うんこを作成した人は、自分のブツを参考に作るわけで(だって他の人のを見たことないのですから)、現場では「あ、〇〇さんのうんこはこんな感じなのね…」と思われるわけで、それは恥ずかしさの極致であり…。

私の大好きな坂本順治監督の映画!
いそいそと観に行ってきました。

どんなに最悪なクソみたいなドンづまりな日々でも、
仲間がいたら希望に輝ける。
これは映画「怪物」でも描かれていたことです。
これに加えて
「せかいのおきく」ではエコを、
「怪物」ではLGBTを題材にしていました。
結果。
今の世の潮流はLGBTに軍配があがった・・・。
でも私は「せかいのおきく」の方が好きな映画です。

役者寛一郎さん、
「鎌倉殿の13人」の時は気にならなかったのだが、
演技、下手くそやな~~~。
素人みたいやった。
うん、素人。
その素人が「ほんまに心からそう思った」時、
それは真実になる。
青い空の向こう、「せかい」を見たあの一瞬の寛一郎の顔。
あの時、
私もせかいを見ました。
あの一瞬。どこまでも広がる青い空、せかい。
あの顔が全編の下手くそをチャラにしました。

仲間がいたら、友達がいたら、
なんとか日々を乗り越えていける
「せかいのおきく」でも「怪物」でもまばゆく描かれていました。
そう考えると、
少し前にあった立てこもり事件の犯人が「ひとりぼっち」と馬鹿にされたという
誤解で殺人を犯したのも、それほどつらい事だったのかなと思いを馳せます。(犯人を肯定するわけではありません)

おきくという名前から
番町皿屋敷のモチーフが入ってるのかな~って想像して観に行ったら、まったくハズれてました!えへへ

jasmine