劇場公開日 2023年7月21日

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「ループはしているが…」神回 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ループはしているが…

2023年7月27日
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鑑賞方法:映画館

この前、「リバー、流れないでよ」が公開されたばかりなのにまたもやタイムループの邦画が観れるなんて。いつの間に日本はタイムループ映画大国になったんだ。
今回は2分ではなく5分のループ。しかもループしているのを知っているのは自分だけ?という設定。この手の話は徐々に真相がわかっていくというのが定石なのにまったく話が進まない。そりゃ樹くんも病んでいくわな。そもそも恵那に苛立ちをぶつけるあたりモテる男子ではない。ここもポイント。そして徐々に狂気の世界に突入するって流れ。悪くないんだけど、そのやり方はどうなのよ?と思った。
そして後半。なんとなく予想ができてしまう流れだったが、それでいくといろいろな矛盾が生じてしまうけどいいの?たぶんこれをいい話ととらえる人も多いのだろう。一途だしね。でも、タイムループものにある、自分を見つめ直したり、抜け出すための謎解きだったり、繰り返しているからこそ起こる笑いなんかを楽しみにしていただけに少しガッカリしてしまう部分のほうが強かった。こんなやり方にするならあの夏休みの教室にいたるまでのエピソードも少し見せておいた方がよかったんじゃないかと思う。前半のあの流れはタイムループに焦点を当てた始まり方だった。だから監督がしかけたミスリードに悪い意味でショックを受けてしまう。
これ、タイムループものとは言えなくなるなー。後半にいたってさえ樹の行動や考え方に共感できないんだから困ってしまう。次に進むことができずに後悔を引きずる人生がいいはずない。

kenshuchu