「無理難題を歌とイメージで突破しようとした製作陣の蛮勇にビビる」ベルサイユのばら 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
無理難題を歌とイメージで突破しようとした製作陣の蛮勇にビビる
クリックして本文を読む
原作やアニメシリーズやベルばらファンとして、不満点はわんさかあります。それがもはや今っぽいアニメの絵柄やスタイルについて行けてない老害的な部分もあるとは思うが、にしても、2時間以内に原作をほぼほぼ収めようなんて狂気の沙汰。想像だけど、作り手だってそう思っていたんじゃないか。そして製作陣が出したひとつの答えが、ええい、複雑なストーリーを語ったり、人間の成長譚を丁寧に追う時間はない! 歌だ! ガンガン歌とイメージ映像で進めていけば、キャラクターのエモーションだけは残すことができるんじゃないか? どんな会議があったのかは知らないが、結果的に、インド映画的なミュージカル手法に、LDHっぽい楽曲(個人の印象です)に載せるという狂った映画ができあがった。曲調もまったくフランス風とか考えてなくて低音ズンズン鳴ってるし、歌詞も「I believe in my way 私のデスティニー」とか、英語混じりの日本語でムチャクチャだとは思う。でもまあ、どだいムリを承知で産み落とされた強烈にヘンな映画であり、こんなベルばらがあってもいいような気はしたんですよね。不満点はわんさかあるんだけど、まあアリ。
コメントする