劇場公開日 2022年12月16日

  • 予告編を見る

「日本は外国人が住みにくい国。はみ出した日本人もまた、住みにくい国。」終末の探偵 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5日本は外国人が住みにくい国。はみ出した日本人もまた、住みにくい国。

2023年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

北村有起哉は、なに演じても様になるな。しびれるほどカッコいいってわけじゃなのに、なぜか目を逸らせなくなる魅力がある。ヤクザ演じても官僚演じても田舎のオッサン演じても義太夫語り演じても、全部、様になってる。そりゃ探偵だって、うらぶれ感でじっとりとズブ濡れてていい仕上がりだった。腐れ縁の恭一との、暗黙の信頼関係もいい。てか、この恭一役の人、けっこう存在感があった。何十年前かの不良高校生のような決闘まであって、それの泥仕合が妙によかった。あのあと、お互いの健闘を称え合う、って展開があるんじゃないかって思わせるガキみたいな爽快感が、まるで久々に読んだ青春漫画の読後感のようでいい。
上映時間は映画としてはやや短め。そこが腹八分目の満足感でもあるんだろう。こんな軽妙な探偵ものは今までだっていろいろあったし、別に奇をてらったストーリーというわけでもないが、なんか北村有起哉の探偵、これからも続けてほしい気がする。

栗太郎