劇場公開日 2023年1月27日

「映画という魔法を使った時代劇」レジェンド&バタフライ たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画という魔法を使った時代劇

2024年3月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

映画とは、魔法である。そんなことを久々に感じさせる作品だったなと…。観ている時の高揚も、時間が経つと萎えていくというか。悪く言うと捻らず真っ直ぐに、よく言えば2人の為の映画だった。

70周年を迎えた東映、脚本に古沢良太氏、監督に大友啓史氏の布陣で攻勢をかけたわけだが、なぜ時代劇?とはなる。慣れないことをするなぁ…と思っていたものの、見ていると面白い。織田信長像を再構築しながら、濃姫との30年間をじっくりと描いていく。程々に分かりやすくしつつ、これまでの時代劇と一線を画すように豪勢なカットが続く。威厳がある一方、ちょっと疲れて来るのも事実。二人芝居の為の配役というか、周り方をしているなーという印象。サイドストーリーとして描かれる内容は史実の合戦くらいだった気がする。また、濃姫との物語を妻と夫として見せていく技量を持つ古沢良太氏の凄さに改めて驚かされるが、掴みとしては最悪(笑)。ジッと撒いて引き上げる作風は見応えを感じる。本能寺の変は新しい解釈を踏まえている点も良かったが、あまり残るものでは無かった気がする。

主演は木村拓哉さんと天瀬はるかさん。ほぼ2人の為の関係性を描くための配置になっているので、脇役感が凄い。森田想さんのポジションはおいしいなぁと思ったり。見上愛さんはポツッと出たくらいでちと残念だった。笑

豪華絢爛であるから良いという訳ではないけど、たまには邦画でこういうのも悪くないのかもと思った。

たいよーさん。