劇場公開日 2022年12月9日

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夜、鳥たちが啼くのレビュー・感想・評価

全64件中、21~40件目を表示

3.5情念に囚われたその先にある 相互な独りよがりの安息地

2023年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

きっと知り合う前に出会っていれば こうはならなかった2人。

苦しみや絶望感、寂しさや飢えを知り、
ほんの少しだけ経験値が上がり
自分達の意志所存は曖昧に、
子供きっかけで始めていないように始まった関係性は、
ズルくも本能的で艶かしくて、
どうしようもない大人という生物の等身大のリアルだなぁ。と。

美しい艶を放つ色とりどりの羽根を震わせながら
馬鹿みたいに鼓膜を刺すように甲高く叫ぶように鳴く
柵の中の鳥たち。
それはただの情欲の本能。

型にはまらず自分勝手に生きることで
大切な物を失わずにいれるのならば
保身だって別に悪くない。
それが互いに都合良いならなおのこと。

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甘酒

3.0「先のことはおいといて、そのまんまでいいんじゃない?」というふたりの何でも先延ばしの考え方には、納得いきませでした。

2023年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 原作は佐藤泰志の短編小説。佐藤の原作の映画化は「海炭市叙景」「きみの鳥はうたえる」などが知られるが、「夜、鳥たちがI」は、どの映画よりも官能的。成人映画なども手掛けた城定秀夫監督ならではの作品です。
 青みがかった夜の気配が男と女を包み込む。その姿は、盛りがつき夜に鳴くという鳥たちのように、淫靡で美しいものでした。

 物語の主人公は、若くして小説家となった慎一。しかし、その後は鳴かず飛ばずの状態で付き合っていた恋人も離れていき、鬱屈した日々を送っていました。
 そんなある日、職場の先輩の妻だった裕子(松本まりか)が一人息子のアキラ(森優理斗)とともに慎一の家に引っ越してきたのです。先輩の妻として顔見知りだった裕子が離婚したため、慎一が自宅に招いたのです。離婚の原因は、夫の浮気のため。しかもその夫の浮気相手というのが、慎一の元カノという偶然。パートナーに去られた男女が、傷をなめ合うように接近し、新たな関係を築くまでが描かれます。

 こうして自分が住んでいた家を裕子と子供に与え、慎一はプレハブに住むことになるという奇妙な共同生活を送ることになります。自分の身勝手な性格が災いして他人を傷つけた経緯のある慎一は夜になると、 かつての自分自身の姿を投影するような小説を書く日々を送るようになっていいました。自らの無様な姿を、夜ごと終わりのない物語へと綴ってゆくのです。けれども書いては止まり、原稿を破り捨て、また書き始める。それはまるで自傷行為のようでもあったのです。

 一方、一人息子とともに慎一のところに身を寄せた裕子は息子が寝静まった頃に外へと繰り出し、夜ごと男たちと逢瀬を繰り返していました。
親として人として強くあらねばと言う思いと、埋めがたい孤独との間で彼女もまた苦しんでいたのです。
 そんな生活をしていく中で父親がいなくなった淋しさで傷心していたアキラは慎一を慕い始めます。慎一と裕子は互いを刺激し合わぬように共同生活を送りますが、それぞれに前に進むきっかけを掴めずにいました。

 失敗に懲り、恋愛に臆病になっているのが、彼らの共通点。慎一は、孤独を愛し、自身の魂の救済として私小説を書くことにこだわっています。裕子は、自戒を込めて、男に期待をし過ぎない。一緒になりたい気持ちはあるのに、新しい生活をスタートする勇気がない2人だったのです。

 そんな男女の関係性を象徴しているのが、慎一の住まいです。平屋建ての一軒家があり、すぐそばにプレハブ住宅が建っています。慎一は裕子たちに平屋建てを明け渡し、プレハブで小説を書き、寝泊まりするようになります。男と女は、一つ屋根の下で暮らすのではなく、二つの建物を行き来します。まるで通い婚のような関係ですが、決して男と女の関係に深入りしようとしないところが、見ていて奇妙でした。この距離感が、どう縮まり、解消されていくのか。そこに不思議なサスペンスを感じさせてくれたのです。

 けれども微妙な関係が煮詰まっていき、煮え切らないふたりの感情が上下していくなかで、さすがにふたりの気持も頂点を迎えることになります。そこが物語でもクライマックスとなりました。かつてのロマンポルノ映画のような、男女の感情の機微を描いたドラマです。松本まりかの脱ぎっぷりも素晴らしく、濃密な濡れ場が描かれます。けれどもそんなに厭らしく感じられませんでした。濡れ場にいたるふたりの抱えた心の傷が本当に重く描かれてきたため、ふたりが交わるシーンも、劣情をかき立てるよりも、心の傷が刹那に癒されていくような安堵の気持ちと、このふたりの幸せを願う気持ちを強く感じさせる濡れ場でした。

 特に印象に残るのは、アキラに遊んであげる時の慎一のよきパパぶり。母親の裕子はどうあれ、アキラの父親に慎一がうまく収まってほしいものだと思いました。それを暗示するかのように、作品の終盤では、打ち上げ花火を見上げた3人の笑顔が、青々とした夜の孤独を打ち消すほど美しく描かれていました。

 だからこそ、「先のことはおいといて、そのまんまでいいんじゃない?」というふたりの何でも先延ばしの考え方には、納得いきませでした。

 城定監督の長回しを多用したエモーショナルな映像と夜の鳥の鳴き声をメタファーとした闇の妖しさの表現など演出面では、高度なテクニックを感じさせてくれました。また脚本面でも、ふたりの過去をタイミングよくカットバックさせて、現在の孤独に結びつけるところなど、巧みな構成がよく練られています。問題があるとしたら佐藤泰志の原作そのものです。どの作品にも、夢も希望もなくすようなネクラな話ばかりなのです。しかし本作ではそのネクラさも中途半端。主演2人が健闘しているだけに、いっそ抱える闇がもっと濃ければ、より強い陰影が生まれたのではないでしょうか。

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流山の小地蔵

4.5山田裕貴は裏切らない

2023年1月1日
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鑑賞方法:映画館

「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫監督
佐藤泰志原作の映画「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」の高田亮が脚本

好きな小説家の佐藤泰志原作の映画化なので映画館で観られて良かったです。人間って弱いところがある物なんですよね。

松本まりかもいい女優さんですね。

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haitanio

3.5トンネルを抜けてもそこはトンネル

2023年1月1日
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鑑賞方法:映画館

願いと行動がチグハグになり、自分自身の魂の迷宮を彷徨う物語。それでも必ず光はあるし、貴方を照らしている。そんな希望もちゃんとある。城定監督の「ドラマチックじゃない日常描写」が大好きで、2022年はしてやられましたね。コレはそんな止めに最適でした。
とにかく二人にモヤモヤする鑑賞になるのだけれども、ソレはきっと皆の中にもあるであろう。そんな世界の中でアキラくんはまさに天使。本人も彷徨える魂なのに、純粋さがただただ眩しかった。変に盛り上げたり事件を起こさない、そんな展開と結末に拍手でございました。
「愛なのに」で始まって「夜、鳥たちが啼く」で〆られた今年は幸せでした。

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lynx09b

4.5佐藤泰志さんの意志がまた一つ

2022年12月30日
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鑑賞方法:映画館

佐藤泰志さんの原作がまた映画化された  作家として不遇であり思いもかけない形でその生涯を閉じたこと、亡くなってから次々と映画化されて現在になって評価されている
これまで「函館」の舞台、市民映画館の「アイリス」などの支援で作られていたものが、今回は「函館」を離れているも、作家としての苦しみが描かれると、佐藤さんの作家として生きてきた日々とダブるような気がしてならない
嫉妬深い自分を俯瞰して、客観的に文章を書いているであろうに、その醜い自分が再び露わになっての葛藤、男性として辛いものがありました
これまで映画化された作品は、必ずしも希望の持てる結末ではなかったものが多かったが、本作は希望のもてるものでありました  エンドロールにこの原作を管理(?)されているであろう、佐藤さんという方の名前があったこと、作家が今になって再評価がされていることの証のような気がしました(12月29日 なんばパークスシネマにて鑑賞)

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chikuhou

2.5好きな人は好きなのかな

2022年12月29日
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タイトルに書いたとおり。
よく言えば、淡々としている。

山田裕貴の狂気と優しさの演じ分けは、よかったと思う。
だけど、わざわざ行くことはなかったと思った映画。

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ぷぷぷ

3.5夜と朝の間に

2022年12月29日
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作家さんの私小説的な日常。
ダメダメ振りとヒロインの二面性が見どころですかね。
男女の結婚観の違いも垣間見れました。

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rakugoya1

3.5人間らしくて

Nさん
2022年12月27日
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あんまり背景や心情が描かれない感はあるが、なんか頭ではわかってても、どうにでもなれー的なときもあるというか、そんな人間らしさがよい。夜の鳥かぁ。
山田裕貴はさすがです。松本まりかもよかったね。見えはしませんがだいぶエロかったです。中村ゆりかキャスティングするならそっちのエロも見たかった、笑。

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N

3.5発情して傷を舐め合う関係の何が悪い

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

原作は未読。山田裕貴と松本まりかだけで観に行ったようなもの。
最初はこの2人がどんな関係なのかをボカしたまま始まり、徐々に見せていく流れ。なるほど、これなら2人が深い関係になるのも納得。たとえ傷を舐め合う関係であったとしても。松本まりかが山田裕貴の腕を舐めるシーンのエロさったらない。あれだけで半分くらい満足してしまった。タイトルの意味もそういうことだったし。
でも、話は淡々と進むから若干退屈なところもあったりするし、終わり方もこれでいいのか?なんて思ったりもする。
相手の懐に踏み込むのが怖いときもあるし、期待しすぎるのが怖い時がある。そもそも自己評価が低い2人だと関係はそう簡単には縮まらない。なんとなく受け入れてもらえて、なんとなく求めあえる、そんなふんわりした関係のまま続けるのも悪くない。最後の2人(3人)の笑顔を見たときにそんなことを思ってしまった。少し前向きになれた気がする。これはこれでいいんだよな、たぶん。

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kenshuchu

3.5退屈だった

2022年12月25日
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鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

特に前半は非常に退屈だった。
鳥って関係あるの?
まあ、深読みすると関係がなくもないかも知れないけど、全ての人間関係とかが明らかになるまで非常に退屈だった。
そして、女が求めることを、男がうまい具合に利用している?
なんだか、よくわからない内容だった…。
最近、松本まりかの濡れ場シーンをよく見るのは気のせい?

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kawauso

3.0レノアアロマジェル‼️❓どうしたー‼️❓

2022年12月25日
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はるばる、遠くまで、観てきました、ローカル映画🎞🎟🎬なので。
ストーリーや脚本、登場人物には何一つ共感できるものもなければ、主人公にも何一つ魅力はありません。
多分、自分以下の人間が、だらだら過ごす映画には、何か、居た堪れれない思いと、退屈と、痛さと、中途半端な文芸崩れの外した空気感が残ります。
でも、やきもちやきの暴力クソ男が、子供に優しくなり幸福の端をつかみそうになる姿見には少し応援したい🤏とは思います。
松本まりか、ラブシーンでも、痛さしか無い、吉岡里帆の腹違いの腐れ姉をCMで演じる、落ちぶれた演技がお似合いで、可愛そうなのが、演技派なんでしょうか、惹かれないけど。
山田くんは、ステレオタイプの演技で、安定してます。
暇ならどうぞ。

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アサシン5

4.0男女のちょうどよい距離

2022年12月19日
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鑑賞方法:映画館

2022年。城定秀夫監督。小説家・佐藤泰志の原作を映画化。評価されるが売れない小説家の若者は恋人と別れたばかり。住む場所を探している友人の元妻とその子を家に招き、自らは敷地内のプレハブで暮らすことになる。子供を介して距離が縮まっていく二人だが、お互いに深入りを恐れていて、、、という話。小説家が別れた恋人との関係を小説に書くという設定によって、書くことに苦しみ日常生活がおかしなっていく小説家の過去や友人の元妻との出会いが無理なく描かれる。
同じ敷地に住む若い未婚の男女なのだから、いかに距離が縮まっていくのかに焦点が当たるのだが、鍵や窓の開け閉めに表現されるように、二人の心の殻は固い(ところが、お互いに同じ鍵を持っていることによって出入り自由にもなっている)。その所以が過去の話として挿入されることで自然と納得されるようになっている。
結婚や同棲が男女のちょうどよい距離とは限らないので、母屋とプレハブ(共通の鍵・出入り自由)を手始めに、二人のここちよい距離を見つけて行こうという前向きな終わり方のように見えた。

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文字読み

4.0瓶ビールとだるまさんが転んだ

2022年12月18日
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鑑賞方法:映画館

暗がりの中、瓶ビールのケースをプレハブ小屋に運ぶ男。不気味な声で啼く鳥たち。翌朝、子連れの女が母屋に引っ越してくる。男は小説を書いていて、かつて母屋で共に暮らしていた恋人と別れたようだが、引っ越してきた親子との関係はまだわからない。
男と女がただならぬ関係になることは容易に想像がつく。いわば、そこまでの過程が脚本・演出の見せどころだが、母屋とプレハブ小屋の距離感、カーテンのない窓越しの視線、瓶ビールをコップに注ぐ間など、丹念に描いていて、間延びしない。
嫉妬深い男の露悪的な話になるのかと鼻白む思いもあったが、連れ子の少年との交流が深まるあたりから、心温まる感じがしてくる。だるまさんが転んだのシーンがいい。
山田裕貴は、危うさと純粋さを感じさせて、堂々と主役としての魅力を見せている。子役の少年が上手い。松本まりかは、もう少し色気がほしかった。
ラスト、男は新たな小説に取りかかることができたと考えると、後味は良い。

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山の手ロック

3.5嫌いじゃない。

2022年12月17日
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途中まで失敗??と思ってしまったじゃないか。。

良いじゃない。

嫌いじゃない。

余り物はアチラさんだって事で。。

ラストにかけて引き込まれたな。。

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ムーミン

4.0直に啼き止むことを知っている。

2022年12月16日
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鑑賞方法:映画館

感情をコントロールできず恋人に逃げられたスランプ中の小説家慎一。旦那の不倫が原因で離婚し夜な夜な出歩いては寂しさを埋めるシングルマザーの裕子。

古い一軒家とその隣に建つプレハブ。夜になると断末魔のような鳥の啼く声が静寂の空を割る。お互い深く関わり合おうとしない2人が、それぞれの痛みに触れ少しずつその距離を縮めてゆく。

松本まりかの為の映画であり、山田裕貴の新たな一面を見届ける映画でもある。つまりのところ2人が素晴らしい。山田裕貴は本当に色んな役ができますね。慎一は目の前の人物によって表情も違って見えるような多面的な性格ですが、見事な演じ分けでした。どの慎一が本当の姿なのか。裕子とアキラがいつかその答えを知るのだろうか。

この2人を見るだけでもけっこう痺れます。ストーリーはちょっと単調ですが私はこのくらいの感じ好きです。

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はるたろう

3.0少し難しさを感じました

2022年12月16日
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鑑賞方法:映画館

難しい

作家の欲望とか嫉妬とか揺れ動く気持ちがよく出ていたように思いました。映像もかなりの重厚感で見応えはあった気がします。
現在、過去、はたまた劇中小説の話なのか空想あるいは未来図なのか・・・何気に様々な軸が入り組んでいるように感じられて、少し難しかったです。
私的な部分を重視している感じは伝わってくるんですが、それゆえに見えてくる欲望願望夢想などが強烈に見えて、なんか嫌でした。主人公もみためかなり寄せているようにも感じたので余計になんか・・・まぁ個人的な見解でしかありませんが─。
地味で淡々としていて、一番盛り上がるのは男女の絡みだったりするので、─ほかにもありますがそう見えてしまう・・・─、それ相応の心持ちで観賞すべきだと思います。

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SH

3.5佐藤泰志原作の色は損なわれてなかったです。

2022年12月14日
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鑑賞方法:映画館

佐藤泰志原作の作品で観たことがあるのが
そこのみにて光輝く
きみの鳥はうたえる
草の響き
夜、鳥たちが啼く
この4作品ですが、監督はそれぞれ違う方です。

この作者の方はのちに自死しています。
どの作品もかなり重たい空気感が
最初から最後までまとわりつくように
漂っています。
どの作品も彼の不器用な生き様を
まるでなぞったかのような
ストーリーです。

山田裕貴さん、松本まりかさん、
お2人とも絶妙なエロい視線を交わらせながら
いつ爆発するのかとドキドキして、緊張しながら
観てしまいました。
ここは城定監督のお得意のエロですから
さすがでしたね。
本当に監督の許容範囲?ジャンル問わないですよね。
女子高生に殺されたいやビリーバーズも
撮った監督なんですから。

あと、カトウシンスケさんもいいキャスティングでした。なんか、職場の先輩とか絶妙に似合うんですよね。

ラストは少し未来に光が見えたんです。
お互いに失敗をしてしまったけど
なんとなくでもいいから、
3人で生活してみようかって
希望を感じたんです。
3人を遠くから応援したい気持ちに
なるそんな作品に仕上がっていました。

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さくらん

2.5先が読めてしまうと…

2022年12月14日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

個人的に松本まりかさんを観に行ったので、評価は…
なんとなく最初からこんな展開になるんだろうな〰️と思っていたら、思っていたとおりの展開に
あるある話的でもあり、松本まりかさんの場面が観れて良かったという満足感のみが残った一本だった

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ろくさん

4.5欠如感を抱えながらも前に進もうとする二人を見守る視線が、優しくも哀しい一作

2022年12月13日
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鑑賞方法:映画館

もともと積極的な作品作りが特徴だった城定秀夫監督だけど、『アルプススタンドのはしの方』(2020)以降の公開数は目を見張るものがあります。しかも原作付き、オリジナル問わず、いずれも城定監督ならではの味わいと高い完成度を持ちあわせており、毎作感心させられます(ちょっと気楽に観に行くことがためらわれるレーティングになっていることが多いけど)。

『ビリーバーズ』では、自身の信仰と欲望の狹間に葛藤する二人を、哀愁ともブラックジョークともつかないような語り口で描いていましたが、本作では原作者の佐藤泰志を彷彿とさせる主人公、慎一(山田裕貴)と裕子(松本まりか)の、互いの苦悩が分かるからこその奇妙な距離感を保った関係を、これまたつかず離れずの微妙な距離感で見つめています。ただやはり、慎一が回想場面で見せる懊悩には身を切られるような辛さがあり、その言動は間違いなく非難されて然るべきものなんだけど、その弱さも含めての彼であることを包み隠さず捉える視線には、厳しさとともに一抹の優しさも含まれていましたこの慎一の姿にはどうしても自死した佐藤泰志の姿が被ってしまい、だからこそ、本作の結末には救いと哀愁が分かちがたく結びついていました。

良く分からない状況から始まって、「なんだろう、これは?」と思っているうちにやがて少しずつそのヴェールを払うように意味と繋がりが浮かび上がってくるという、城定監督の鮮やかな描写には、今回も脱帽でした!

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yui

4.0ワンカットのリアリティ

2022年12月12日
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あゝ荒野から東京リベンジャーズまで、多彩な演技力の山田裕貴さん。彼の主演作は期待通りの秀作でした。

どん底ダメ作家の再生物語だけど、衝動的な狂気と深い優しさのシンメトリーが凄かった。言葉ってとても残酷で温かくて怖い。

長回しのワンカットシーンが多用されるから、繊細で濃密な演技に体温を感じる。いびつな半同棲生活で、行間を語る芝居がリアルすぎて息が詰まりそう。何作も共演してる山田さん松本さんの、新たな領域を感じました。

小説を読み終えたような、余韻が心地よかった。久々に感じた邦画の緊張感でした。年末でタイミングいいし、アカデミー狙って欲しい😊

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