劇場公開日 2022年11月25日

「安定した面白さ、だけど不可解な部分も」銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀 第三章 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0安定した面白さ、だけど不可解な部分も

2022年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

本シリーズも「邂逅」「星乱」「激突」そして「策謀」と展開し第3章目となりました。
今回はいよいよ帝国軍の軍事侵攻と相成る訳ですが、本章ではハッキリと1億軍人という、今の日本国民総軍人に匹敵する計り知れないリソースを謳っています。シーンの中に軍属だけど間接的な部署で軍務を担う兵の姿がチョットだけ出てきますが、そう云う人々も含めての数と言うことでしょう。
ソレを一心にまとめ上げる若き宰相・ローエングラム公‥‥。

風呂敷の壮大さと、ソレをシッカリと支えるストーリーの練り込み・展開はまずまずと言えそうで、第3勢力の政略とか混沌をやり過ごしてしぶとく駒を進める描写なども精密で、変な言い方ですが玄人好みと言えましょう。

そして今回はワリと大規模な戦闘のシーンもやや少なめながら描写がありましたが、まずはソコにチョッと微妙な箇所がありました。ネタバレを避けるため、敢えて別の作品・宇宙戦艦ヤマト2202を “出汁” に使わせていただきますが‥‥
土星よりもデカいガトラン本体へ突入したヤマトとクルーが、何の苦労もなくズォーダーの面前にたどり着き、そしてサッサとヤマトとともに退散、の一連が十数分で展開したあの問題のシーン。
ソコまで酷くはないにしても、万の桁の艦船を縫って揚陸艇が〜‥‥の部分はチョッと微妙です。ソレは原作+物語の都合上そうなったシーンでしょう。でも今までのリアルな物語描写が寧ろ違和感を煽った形に‥‥。モビルスーツ戦だったら‥‥w

もう1つは、ルビンスキー親子の確執描写がワリと淡白だった事。サスガにストーリーのカオス化を避けたのかも知れませんが、当初から展開がバレ気味だったことや、そのせいで『自分の悪いところばかり似てしまった』セリフがあまり説得力がなくて、そのシーンだけヤケに歌舞伎じみてて違和感があった事でしょうか。

さらにもう1つ、ヒョッとするとヤン以上に利発そうなユリアンが、あの公共の場での発言。後の伏線だとしてもチョッとトートツな感が‥‥。若気の至りと処理させる空気もありながらも、その時のユリアンの表情など描写含め、演出上チョッと不可解でした。コレは個人的にも些末な事ではありますが。

とは言え今章もキッチリと楽しませて頂けたので大満足な上映回でした。蛇足ながら、隣のお客さんの、上映中の飲食音が結構耳障りだったのは不運でしたが。
てか今回に限らず、炭酸飲料のペットボトルの蓋を開ける音がするのは、色んな意味でマナー違反だと思うのですが‥‥ 。スマホの明かりとか、今回は昼の回の鑑賞だったせい?

Geso_de_Nyoro