劇場公開日 2022年6月24日

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「社会主義国家における報国と個人の恋愛感情」愛に奉仕せよ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5社会主義国家における報国と個人の恋愛感情

2022年6月30日
PCから投稿

にっかつロマンポルノ的な展開で、ハードAV並なHシーンの連続。
中盤からさまざまな合体ポーズを見る羽目になりますが、アート的な描写なのでいやらしさはあまりなく。
物語の根幹を貫くのが
・封建的かつ社会主義 軍事国家で踏みにじられる人権、人間の尊厳
・国家に対する奉仕、忠誠心が義務付けられる世界での恋愛
・女性としての肉体的悦びを求めることの是非
といったテーマのため、文学的ですらあります。
男性兵士は村の都合で、女性は軍の英雄に惚れられて、二人とも強いられてあまり幸せとは言えない結婚生活を送っていた中での出会い。
たとえば映画なら溝口健二や増村保造らの監督作品、小説なら菊池寛や渡辺淳一などの恋愛小説・純文学など、近しい作風は日本にも多いので、傾向は理解しやすいのではないでしょうか。
純愛ですらあり、単なるポルノではありません。

エンドロール途中に物語としてのオチが挿入されていたので、画面が暗転し曲が流れたからと帰らない方がいいパターンです。

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コージィ日本犬