「Gレコに富野由悠季の真髄を見た!」劇場版 Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛 ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0Gレコに富野由悠季の真髄を見た!

2022年7月29日
iPhoneアプリから投稿

「とんでもない物を見た」というのが正直な感想だ。

令和のこの時代、OVA絶頂期のような手描き作画の劇場用ロボアニメをスクリーンで見る。
しかもメガホンを取るのは御年80歳の富野由悠季総監督という。正に奇跡のような劇場作品だ。

ここまで誉めると「どうせ大御所が手がける新作だから過剰に評価してるんでしょ?」…などと受け取ってしまう人がいるかもしれない。

否、そうではない。
1本の劇場用作品としてめちゃくちゃ面白いのだ!

上手いのはその構成。
本作はTV 版アニメ5部作の内の4部な訳だが。前作ラストで金星を目指して飛び出した主人公達が、行った先で人類の行く末と限界とを知り、自然の恵みの尊さを知った上で地球圏に帰って来るまでが描かれる。
本作から見始めても彼らの夢を追う姿、その先の挫折と帰還とまでが一本の映画として、ドラマとして上手く機能しているのが良くわかる。その中でキャラクターの心理面での成長が描かれるのも巧みだ。

そして何より素晴らしいのは、ラスト30分で描かれる大総力戦。からの一騎討ちであろう。

巨大なスクリーンでも追いきれない程の圧倒的な物量で見せる艦隊戦。
マックナイフとGセルフが見せる決闘は、逆襲のシャアを彷彿とさせる熱い展開だ。
いや、あの逆シャアの一騎討ちを更に洗練させたアクションと言っても過言ではないだろう。

バッキバキに決まった構図でのメカアクションの連続は、流石富野監督…といったところか。

閃光のハサウェイの作画を見てからというもの。暫くはCGを使った緻密でセミリアルなメカアクションに目を奪われがちだった。
しかしGレコⅣで目が覚めた。
やはり手描き作画のメカアクションは良い。
このケレン味たっぷりのアクションを超える快感なんて他にない。
理屈云々じゃなく映像を見た自分の脳が喜んでる。これは争いようがない。

公開期間は2週間、今これを見ずして何を見る?
見たくなくても見ろ! 絶対に後悔はしない。

ジョイ☮ JOY86式。