劇場公開日 2022年9月1日

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「心が温まるおさかな物語」さかなのこ Normanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5心が温まるおさかな物語

2024年5月1日
iPhoneアプリから投稿

冒頭で
【おとこでもおんなでもどちらでもいい】みたいな映像が文で出てくるのですが、映画を見た方なら納得いくと思いますが、本当にその通りでした。
男が演じるからとか女が演じるからとか関係ない。
能年玲奈さんだからこそ表現できたミー坊だと思います。

さかなくんが能年玲奈さんに重なって見えてくるのは
彼女の表現力や雰囲気がそうさせたのだと思います。

能年玲奈🟰さかなくんを演じているのが
とても自然でこの人だからこそこの作品を表現できたと思いました。
そして喋り方や間合いも、すごくさかなくんに似ていて
ラストのテレビの時とかは本人に見えてきました!

登場人物に悪者がいない作品に出来上がっていて
見ていてすごく心温まりました。
全てを受け入れてくれてたお母さまは、偉大だなと。
お母さまがやりたいことをやらせてくれていたからこそ、個性がしなずに、自分らしさを持った人になれたんだなと思います。

魚にしか興味がなかったはずのミー坊が
ももこさんがみつこちゃんと、家に来た時
そこで生活を始めた時に感じた
もっとがんばらないとって気持ちが
なんかすごく胸に刺さって、
ももこさんはミー坊の負担になってると色々考えて
出て行ったけど、ミー坊は本当に負担に思っておらず
心から楽しいとかそういう感情を持っていたんだって思うと、出て行ってしまったシーンは切ないですね。
家に帰ったら誰かが待っててくれているあの
ウキウキした表情使いとか、引き込まれました。
やけ酒までして、なんだか人間味をすごく感じました。

飼おうとしていたタコさんをお父さんが
目の前で殺すシーンは笑っちゃいましたが
幼少期にあれされたら割とトラウマレベルで怖いです笑

当時は、能年玲奈さんが、さかなくんを演じるということで、世界観がすごそうで見るのを躊躇してしまったのですが、時が経って、ぱっと見始めたら、素敵な映画でした。

ぎょぎょおじさんは本当にいたのか調べてみたら
もしも歯車が一つずれていたらと思って創作した人物だという脚本家さんのコメントを見て、なるほどと思いました。

子供達に怖がられて逃げられてたぎょぎょおじさんと
子供達から人気者の追いかけられるミー坊。
紙一重だなって、何か一つでも変わっていたら
ミー坊も、ぎょぎょおじさんのように不審者扱いされてしまう立場になっていたかもしれません、
ミー坊が、そうじゃない世界で生きていけて嬉しいです。

見て良かったです。
人にも勧めたくなる心が温かくなる作品です。

Norman