劇場公開日 2023年3月17日

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「多感な少年少女が成長を遂げる姿に心を動かされました。」シャザム! 神々の怒り 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0多感な少年少女が成長を遂げる姿に心を動かされました。

2023年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 見た目は大人、中身は子ども。異色のスーパーヒーロー・シャザム(ザッカリー・リ
ーヴァイ)を主人公とする、アメコミ・DCコミックス作品の4年ぶりの続編。

 今回の敵は人間を石化させるなど、強大な力を誇る3人組のギリシャの女神。そして女神が連れてくる巨大なドラゴン。
 冒頭で女神たちは、交通量の多い鉄橋を襲い破壊。多くの車がピンチに陥るところをシャザムたちスーパーヒーロー軍団が救出します。本作でシャザム勢揃いのお披露目となるシーンですが、鉄橋の破壊されていく描写が、ものすごくリアルで全くCG臭くありませんでした。最近の特撮技術の向上を実感させてくれました。
 また女神たちか放つたくさんの珍獣が、街中でド派手に暴れ回る戦闘シーンに目を奪われました。街を破壊し、多くの善良な市中の人を殺戮しても、人間を憎み続ける女神のひとりカリプソの強い復讐心には、これが本当にギリシア神話に登場する海の女神なのだろうかと思いました。悪魔より怖い存在だったのです。

 ところでシャザムの正体であるビリー・バットソンも、他のビリーの養兄弟たちスーパーヒーロー軍団の面々も、もうすぐ高校生というお年頃。女神たちの猛攻に全く歯が立たず、心が折れそうになっていたのです。特に女神たちがシャザムの杖を奪い、シャザムのメンバーに杖をかざすと、次々普通の少年少女に戻ってしまい、残ったのはシャザムひとりという困難な状況に。
 それでもビリーは、仲間たちの絆の力で勇気を取り戻し、シャザムとなって女神に立ち向かっていくのでした。そんな多感な少年少女が成長を遂げる姿に心を動かされました。
 いずれにしても、本作鑑賞の前に前作を予習されておかれることをお勧めします。

●●●ここからはご覧になった人への質問●●●
 ミッドクレジットには、前作同様に謎の芋虫が突然登場します。
あれは、前作のミッドクレジットに登場した、かつて「永遠の岩」のガラス瓶の中で飼われていた芋虫であるミスター・マインドではないでしょうか。
 そしてエンドクレジットで登場する博士と名乗る謎の人物は、前作でシャザムに倒され、魔法を失い監獄に閉じ込められたDr.サデウス・シヴァナではないかと思います。前作で、投獄されたサデウスのもとに、ミスター・マインドが現れ、魔法を得る方法は他にもあると意味深の言葉を残していましたが、本作でもその繰り返し。
 おそらくミスター・マインドと組んだサデウスの復讐は、次回作になるものと思われます。
【参考】
【ネタバレ】『シャザム!』(旧作)ポストクレジットシーン解説 ─ 監督やプロデューサーの証言も→検索してください。

流山の小地蔵