ドント・ウォーリー・ダーリンのレビュー・感想・評価
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ミッドサマーとはちがうピューを見ることができます
最初に言っておくと、フローレンスピューが主演ということ,ミッドサマーのインパクト強く、映画予告がおどろおどろしいとこらが強調しすぎて広告宣伝の失敗ではないかと思っている。
むしろ、社会派心理サスペンスドラマですよ。
さて、
お母さんは専業主婦で、旦那さんが大黒柱で働き、こどもがいて幸せな家族。休みの日はみんなでらお出かけ。会社の行事には、そろって出る。
1950年代のテレビドラマ奥さまは魔女などはその典型。平和な米国の家庭生活。
でも、それも最近はそうではないらしい。結婚したカップルの半分は離婚。離婚が当たり前になっている。そして、そんな親たちを見て育った子どもたちも、結婚ってそんなもんかと思ってくる。それが、ますます、結婚というあり方、家族のあり方に変容をきたさせることになる。
だから、最近の映画で50年代60年代の米国家庭を描いたドラマは、まともなストーリーとして成り立ってない。例えば、マーベルのテレビシリーズ ワンダヴィジョンもそうだったし、マット・デイモンのサバービコン仮面を被った街もそうだ。結局、50年代、60年代の幸福な家族像が永続性があるのなら今もつづいてるはず。朝、男が働きに行き、奥さんは家の掃除、洗濯、そして買い物してご飯の用意。
前段が長くなったが、この映画はそういう専業主婦とイカしたサラリーマンというシナリオに沿ってみんなが動かされる。みんながさいみん効果でそこから飛び出そうとすると殺される。赤い服の男に取り押さえられる。この生活で満足ならいいじゃないというわけだ。しかし、主人公は外科医というスキルがあり、バリバリの現役だった。それが毎日、料理を作って
お掃除して、旦那さんの帰りを待つ。何の変化もない。こういう生活に耐えられるわけがない。そこからストーリーが動き出す。
それで思ったのは。今の日本。閉ざされた空間でここが一番と信じきって毎日を送る。この日本で飛び出して行っても、殺されることはないのにね。
とてつもないラブストーリー
毒舌と皮肉に満ち満ちてはいるが。
愛こそ全てをこんなカタチで見た事がない。
男性諸氏の誤解と欺瞞を直視させられはするが、可能な限り優しさをもって諭されてるような気にもなる。
作品的にはかなりな違和感をもって進んでいく。
色使いも落ち着かないし、乱痴気騒ぎからの幕開けだし。なんだこの上っ面な世界は、って感じだ。
結局の所、精神世界の話で現実とは違う空間で物語は進む。現実では寝たきりで目に妙な装置をつけられてる。
気が利いているのは、コレは男性主導の元、作られた世界であるという事。…ラスト近くに裏で糸をひく女性の存在も出てきたりするが。
つまり…
のっけから落ち着かねぇなと嫌悪感を抱きながら見てたものは、男性主観の世界なのだ。しかも、女性の事も考えて作られた世界なのである。
見せられる日常も、男性が与えたであろう価値観を基盤に進んでいるように思えたりする。
この時点で、女性は男性からの価値観を押し付けられ、労働を余儀なくされてはいるのだけれど、ソレが幸せだと刷り込まれている状態にも見えてくる。
てっきり俺は、男性上位社会が女性に強制してきたアレやコレやを強烈に叱られるのかと思ってた。
60年代を再現したのは、男性が最も調子に乗ってた時代なのかもしれない。
その異常な世界に気づく主人公。
正常な思考を取り戻す過程は、この世界では被害妄想に囚われていくように映る。
男性は完璧な世界だと強調し、彼女を引き留めようと懇願する。
ここで彼女は揺れる。
「ああ、それでも愛してる。愛してるの。」
この異常な世界に閉じ込められているにも関わらず、彼に対する愛情は揺るがないようだ。
「何もいらないから、一緒に逃げよう」と女性は訴える。
この世界を捨てた先の現実は散々なもので…男性は無職で生活は彼女に依存してる。彼女は医師でかなりなハードワークをこなし、仕事にも生活にも疲れているように見える。
現実世界への認識はこの時点では無いようにもおもうのだけど、彼女はこの完璧な世界から脱出する。
与えられ見せられる夢を拒絶する。
おそらくならば目覚めて終幕。
そしてタイトルコール「心配しないでダーリン」
ご丁寧な事に、2回も念を押される。
「心配しないで、ダーリン!」
…男性の恋愛観がいかに稚拙で即物的であったのか思い知らされる。彼の焦りも愛情表現も痛い程分かるのだ。
女性を幸せにするにあたり、金を稼いで、いい車に乗って、素敵なドレスで着飾って、マイホームがあり、妻は家事に従事し、情熱的なSEXをして、美味いメシとワインが並ぶ食卓。
そんなものでしか愛情を証明する術をもたない。
その全てが揃っているのが、この世界であり、理想ではないのか、と。
だが、女性はその理想を拒絶し、彼だけを選ぶ。
それが「一緒に逃げよう」って台詞だ。
まいりました。
女性の底知れぬ母性に白旗です。
おそらくならば
「そんなもの無くても、ちゃんと愛してるから、心配しないでダーリン」ってのが本題なのだろう。
逆説的ではあるが、この解釈に至りラブストーリーだと定義した。
もう…手のひらで転ばされてるような感覚しかないwとんでもなく大きく豊かなモノで包まれてる。
それに比べて男性側のなんと矮小で浅薄なものかと反省する。そして「my」が付かない所をみると、全ての男性に当てはまるメッセージなのであろう。
作品的には☆3.5だけど、コンセプトとかセンスならば☆50くらいつけてもいい。
だって2回も念を押されるんだよ?
「心配しないでダーリン!嘘じゃないよ?」って言われたような気がして吹き出したw
やさしくない
ところどころ説明不足。
黒幕的なものがボケてるし。セルシ(ジェンマ・チャン)なの?
ラストももうちょっと、こう…
詰めが甘いので中途半端。
流行りの「女性の権利・戦い」的なもの。
見ているうちに「ビバリウム」的なものを推測していたが、まさかの「マトリックス」。
赤い服の人たちはエージェント・スミスか。
アメリカオールディーズの音楽は良い。
フローレンスピュー、だんだん大人の色気みたいなものが出てきて艶めかしい。
不完全な秩序
完璧な状態にしようとす街の設計や家のデザインが綺麗で不気味な雰囲気もあって良かったです!
主人公のまわりの住人たちの人柄は分かりましたが、もう少し人間関係によって秩序が狂ったり、街の中になにか仕掛けがあった方がおもしろいと感じました…
ラストは砂漠でデスロードがはじまったと思ったら、現実の世界の説明もあまりなく終わってしまったのが残念です😂
中盤以降は、本部について謎を解明するようなストーリーだと先が気になる展開で良いかなと思いました。
男社会最強!
面白かった。
初めにふと、これはひょっとして現代劇なのかもとか思ってたけど
(途中医者が携帯を持っていたように見えたのは気のせい?)
まさか電脳だったとは・・・。
言いたいことや、やりたいこと、ストーリー展開や雰囲気、
とてもよくて、風刺も効いてて楽しめた。
アメリカだと、男社会最強!みたいに思ってる男って
いっぱいいるのかな。
ただ、惜しいなって思ったのは、現実の世界との繋ぎが
あの目を見開く眼鏡みたいなやつだけで成立しているのは
ちょっと無理があるんじゃないかなって思った。
食事は?排泄物は?目乾かない?とか。
あと、殴ったら現実の世界でも死んじゃうってどうなの?
とも思ってしまった。
あそこで、本当はこうだったんだ!っていう衝撃が欲しかったなぁと。
マトリックスが「実は電池だった!」の時すごい衝撃だったから
奥さんがもっと無惨にコードに繋がれているとか、一応それっぽく
それだけで成立するような見た目になってた方がよかったかなぁと。
(まぁ、それじゃぁまんまマトリックスになっちゃうけど)
でもそれ以外は満足でした。
主人公のアリスは贅沢な生活から抜け出せるのか…
映像は砂漠の中に建てられた、なに不自由のない造られた街(ヘブンもしくはユートピア)からはじまる
そこには、男は仕事に出て、女は家の掃除洗濯料理やカルチャーセンターに行き、夜は毎夜のパーティに明け暮れ、まさに人生を謳歌していた。
しかし、その中の一人がこの生活自体に疑問をいだきだし…
不思議の国アリス(簡単な童話ではなく、長編のヤツ)を事前に読んでくるとしっくりくるかも😓
私は映画→不思議の国アリスだったので映画館では…
現代の貧乏生活(私みたいな)をしている人が、贅沢で幸せな生活をバーチャル体験しているといった、現代版の浦島太郎的な話だったと思う。
シャブ中の人は貧乏暮らしの確率が高いといった統計があるが、有る意味それを不思議の国のアリスと混ぜた感があった。しっくりこず。
カオス ハーモニー
レーティングがPG12とのことだが、R-15に近い演出だったのではと感じる作品
主催を殺してその座を奪った主催妻の次なる攻撃は、女性ならではの夫の幻を浮かび上がらせ、恋愛に訴える作戦 果たしてブラックエンドでの声は、現実社会に戻れた安堵か、それとも再度仮想に引き摺り込まれた悲しみか… その辺りの解釈が今作のキモなように思われる。
但し、SF要素の表層だけを抽出しての利用には釈然としない部分が残る。
そしてそれ以上に今作最大のテーマは、"インセル"や"封建性"といったことを手段に用いた、フローレンス・ピューのプロモーションビデオと信じて疑わない
衝撃を受けた『ミッドサマー』での演技が、身体的にもパワーアップし、ましてや"透け○○"なんていうセクシーさも大体に披露、肉体を表現し尽くし、スクリーン一杯に顔のアップのカットが多用してるところもまた、人間が忠実にその身体を駆使して演技しているという事実を証言している作品といって過言ではない。 唯々、フローレンス・ピューを愛でる、それだけに特化した作品である。
新感覚に溺れそう
オリビア・ワイルド監督の新作!
心待ちにしておりました!
50年〜60年代の音楽&アメ車にポップなファッション
理想のアメリカンハウスにテンションが上がる
夢見心地な幸せ感から
地震や空の玉子…隣人の言動に赤い服の集団
そして謎の街のイケメン😁創始者
スリラー的な流れへの引っ張り込まれ感が強力過ぎて
眉間のシワが戻らない程
始終前のめり状態でした
キャスティングもドンピシャ!
1人だけやや異端な感じを演じるフローレンス・ピューの浮き加減と全開必死さ演技は絶妙!!
巧妙で摩訶不思議な展開に謎解きをしよう!
しなきゃ!
なんてこれっぽっちも思わない位
フワフワした白昼夢を見ている様な感覚に…
今回もワイルド監督に見事に洗脳されたみたいです
次回作が更に更に更に楽しみになりました!
面白かった
よくある展開ではあるけどスピード感があって飽きずに見れた。ただ、仮想現実の中の世界の設備が不完全だったのが☹️男が死ぬと殺されるっていうのもよくわからなかった……。2人とも仮想現実入っちゃったら現実はどうやって生きるの?結局、男が仕事に行ってる間男達は何をしてたの?疑問が残りました。
人生を有効に使うために。
キャッチコピーがネタバレしていていいのか?アメリカ人の考える理想的な文化的家庭生活は現代に無くて、50年代テレビドラマが垂れ流したWASPの中産階級のそれなのか?。というのは、最近ではニコール・キッドマンが主演した同種のホラー「ステップフォワード・ワイフ」(2005年 監督フランク・オズ)が前例となっている。そんな50年代アメリカの家族を描写するテレビドラマがいかに虚構だったかは、やはりニコール・キッドマンが、往年のスターコメディアンのルシール・ボールを演じてアカデミー賞候補にもなった「愛すべき夫妻の秘密」(2021年 監督アーロン・ソーキン)を参照してもらいたい。
ともあれ、コピーがネタバレさせている様に「夢オチ」である。ホームドラマ版の「マトリックス」かね、あの赤いのはエージェントスミスで。まあ、本作を観る時間があれば「トゥルーマン・ショー(1998年 監督ピーター・ウィアー)か「ドニー・ダーコ(2002年 監督リチャード・ケリー)を観た方が、良い映画体験になるだろう。
男性批判?インセル批判?
「ゲット・アウト」の雰囲気と「マトリックス」のSF要素を持った、「プロミシング・ヤング・ウーマン」系統の強烈なフェミニズム映画。
こう書くと過去作の切り貼りで作ったようで聞こえが悪いが、エンタメとしては本作なりの個性も感じられて十分面白い。得体の知れない不安を感じさせるサウンドと、フローレンス・ピューの緊迫感のある演技によるところが大きいだろう。
(要は1950年代パートは全部マボロシってことですよね?「本部」が現実世界との接点で、ラストでアリスは催眠から目覚めたと解釈したんだけど、同行者は違う解釈だった)
本作の主張は、かなりざっくり言うと次のようなものであるように見えた。
男の持つ歪んだ理想が、女性の社会的自由を奪っている。古き良き時代(1950年代)の男目線の理想郷など、現実味のない、忌むべき妄想にしか過ぎない。
ところで、上記の「男」は、具体的にはどういうカテゴリーをイメージしているのだろう。
作中でバニーを演じたオリヴィア・ワイルド監督は、ヴィクトリープロジェクトの首謀者フランクについて、「インセルコミュニティのエセ知識人ヒーロー」ジョーダン・ピーターソンをモデルにしたと明言している。存命のモデルを明言したキャラを刺し殺したりしてしまうところは、さすがアメリカ映画。
インセルというのは「involuntary celibate(不本意の禁欲主義者)」からくる造語で、ネット上で顕在化する、自分が恋愛やセックスを出来ないのは女性のせいだと考える女性蔑視主義者のことだ。インセルを標榜した犯人による事件もアメリカでは複数起こっている。
後半の回想で、現実世界の冴えないジャックがネットでフランクのサイトを見ていたシーンは、本作の批判対象がインセルという特定の層(あるいは特定の考え方)であることを表現していたとも取れる。
監督が、男性の中でもそういった特定の層に対する批判を描いたつもりなのか、または男性は多かれ少なかれ全員インセルの素質を持っているという前提で(いわば主語を大きくして)性別括りの批判を繰り広げたのか、今ひとつ曖昧ですっきりしなかった。それとも、ジョーダンをモデルにしたことにそこまで根本に触れるような意味はなくて、男性はみんな内心では昔みたいに女性を従えたがってるよね、という、もっと大味な男性批判なのだろうか。
「プロミシング・ヤング・ウーマン」では主人公の助けになる男性もいたので性別レッテルを貼るつもりはないということが伝わってきたのだが、本作はそういう存在がいないことがこの曖昧さの原因かもしれない。
もうひとつ、本作では現実世界のアリスが、仕事に疲れてあまり幸せそうに見えないのも気になった。仕事で人生充実してる感をもっとしっかり出した方が、ジャックの理不尽さが際立ったのでは?
そもそも、女性は働く方が幸せなんだというのも決めつけで、バニーのようにああいう世界を望む選択も否定されてはいけない。どちらの選択肢も尊重されることこそが自由というものだ。
主役の名演技にスリラー要素からカーチェイスまであって、サブリミナル的映像も思わせぶりでエンタメ性は十分なのだが、多様性が称揚される時代に、「男=全員インセル気質、女は働く方が幸せ」という単純化されたメッセージを与えかねない作りは正直一時代前のものに見えた。
フローレンスピューの走りが気持ちいい
どなたかも書かれてましたが、もう少し短くても良かったかも。アリスの衣装が素敵だなあと、思って見てましたが、結局それも「アリスに着てほしい服」ってことだったんだなあと。オペ着姿が本人そのものというリアル感が出てたのはやはりピューの演技力なんだろうな。
しかし、フランクはどうなったのか凄い気になる。
For men
ビクトリー計画と銘打ってつくられた砂漠の中の小さな町で優雅に暮らす家族達の話。
毎朝夫達はマイカーに乗って砂漠の向こうへご出勤。
夫達がどんな仕事をしているかは知らないし、聞いてもいけないけれど、毎日の様にパーティー三昧で暮らす選ばれた夫婦と子供達という中で、飛行機の墜落を目撃したアリスが助けなきゃ!と立ち入り禁止区域に侵入して…。
幸せな暮らしの中でタブーとされることに触れようとするマーガレットの姿は気が触れている様にみえるけど、少しの情報を持つことで、異常な振る舞いをしているのはどちらなのかと見え方が変わるのは面白い。
その果てにあるものは、色々と想像を及ばせるとみえてくる何の為に?があるけれど、それを考えた時に、違う選択をする人も当然いる訳で、それがバニーであり、アリスの主張は超々アメリカ人らしいなと。
使命は別として、8分間を繰り返す某作品みたいな境遇なら、それこそここはユートピアだけど、どうもこの作品の特にアリス界隈のそれは確かに…。
平和な天国は退屈と向き合う地獄という見方も真だと思うしね。
子供をそう出来るなら他の住人もNPCにして、共同体にしなければ良いのにと思ったのは自分だけですかね…なんてことも含めて色々考えさせられたし、それの目的が少なくとも主人公界隈ではクソ過ぎて、期待を膨らませ過ぎた自分には物足りなかった。
だーめだ、こりゃ!なミステリーの典型
オリビア・ワイルド監督の前作、ブック・スマートは大好きな青春コメディだったんですが。こりゃアカンです。
そもそも物語りが個人的にはダメダメでした。
ここは現実世界じゃ無い。ってのは直ぐに分かります。でですよ。割とありふれた話なわけです、コレって。MATRIX以降。
一歩外に踏み出せば世界は崩壊してるのか。全ては脳内にのみで繰り広げられている仮想世界なのか。はたまた別のネタバレがあるのか。後者なら、誰がどんな目的で仮想世界を作り上げたのか。
興味津々になる訳ですが。
アレアレです。え?そんだけ?な感じです。それって、誰がどんな得するんですか?なネタバレです。目的が、さっぱり分かんねー!
フローレンス・ピューは、今回も関取ギリギリの臨界状態です。イヤ。肩周りの太さは今までで一番かも知れないw
オリビア・ワイルド、これは中途半端だったなぁ。映画としては、描写のクオリティが高く一級感はありますが、謎解き・仕掛けが詰まらないんで、もうどうしようも無いと言う。
詰まらなかった。
結構。
監督の次回作に期待!
今までレビューは投稿してなかったが、
サスペンスら初見の感想が大切な気がして自分用のメモに。
■ストーリー
1950年代のハリウッドの様な街並み。
旦那は皆同じ時間に素敵な車に乗って、仕事へ。
妻はモーニングを作り、旦那をキスで送り出した後は掃除をして、ママ友とバレエや買い物に行き、夜はパーティーと、誰もが憧れる優雅な暮らし。
ただ一つ、街の外の砂漠には行ってはならないというルールがあった。
ある日、アリスの隣に住んでいたマーガレットが子供を連れて禁じられた砂漠に行ってしまった事から、マーガレットの様子がおかしくなる。
子供は行方不明になり、マーガレットが精神的におかしくなったと皆が思っていたが、アリスも幻覚を見始め、ここ生活自体に違和感を覚え始めるー。
■考察部分
・タイトルの意味
アリスのセリフかと思っていたが、これは男性側の願望なのでは。
妻をビクトリー計画に巻き込んだ旦那達は、妻の幸せもここの生活にあると信じきっている。この計画に参加した人々は、(フランクが良く言っていた)パラノイアに悩まされ、現実の世界で上手く生きていけなかった。
だからこそ、ここの生活が正解だと信じて「心配ないわ」と言ってもらいたかった。
・アリスが見た飛行機
旦那達が毎日出社していた本部の辺りに飛行機が落ちるのを見る。ただ、バスの運転手は見ておらず、アリスにしか見えていない。これは恐らくアリスの防衛本能が見せた幻覚。無意識に本部への意識が働いたのでは。
その後、アリスは本部に触れることで意識を失う。深い催眠状態の為、目は覚まさないが、この後から幻覚や悪夢など違和感が激しくなる。
・旦那達の仕事
毎日本部に出社し、極秘で内容が一切明かされない仕事。
それは妻(現実)のお世話。ほとんどの妻達は計画に巻き込まれた為、寝たきりの状態。ジャックも現実でアリスに水を与えていたが、あれが仕事なのだろう。怖。
・バニーについて
彼女はこの生活が偽りである事が分かりつつ、生活していた。子供も失わない、というセリフが指すとおり恐らく現実世界で子供を無くした為、子供と一緒にいられるこの生活をしている。
途中までバニーが嫌な女だと思っていたが、理由を想像すると胸が苦しい、、
対象にマーガレットは恐らく子供はいなかった為、砂漠に行き行方不明になったが、子供がいなくなった事に対してはパニックを起こしていない。
・地震について
これもアリスの現実世界で起きているのか、と思ったがバニー達と買物中も起きてたので、システム障害・バグ的なものかと。
空っぽの卵も同じバグ的なものかと思ったが、ここはよく分からなかった。。
・フランクの妻
フランクがアリスを止められず、ドクターも死んだことにより妻に殺される。
てっきり黒幕は妻かと思ったが、その後特に何も展開がなかったので、恐らくバニーと同じく現実ではない事が分かりつつ暮らしていたが、フランクの無能に絶望したのかと。ビクトリー計画の中ではフランクは有能で皆から憧れる存在。それが崩れ落ちた瞬間だった。
・アリスのラスト
この生活が偽りと分かった上で、本部に触り目を覚ました。
ただ、ベッドに縛り付けられて隣には旦那の死体。(この中で死ぬと現実でも死ぬと言っていた為)どの位寝たきりか分からないので、体も動くのか、、
ビクトリー計画の中に戻りたくなる現実が待っていると思うと助かったのに絶望のラスト。。
説明不足な点はあるが、それでも自分もあの世界に引き込まれて楽しめた作品だった!
50年代の女性達の服や髪型は可愛い!現実の世界では、現代っぽい世界だったので、男性の理想はあの年代だったのだろうか。
目を無理やり開けて視覚を支配して、女性たちが踊る映画のループは『時計じかけのオレンジ』を思い出させる。あれで催眠的にビクトリー計画に入っていくが、現実とのギャップも引きずるものがあるし、何かエンドロールで希望の一つでも見せて欲しかった。
監督の前作『ブックスマート』から一変したユートピア・サスペンスだったが、こういう作品の方が向いてると思ったので、次回作にも期待!
フレーレンス・ピューの戸惑い、困惑に陥る表情は、
本作でもとても魅力的だった。
まとめると、フローレンス・ピューが『時計じかけのオレンジ』状態だったが『ミッドサマー』から抜け出したような作品だった。
死体の少ない60'sのミッドサマー
見ようと思ってた映画が時間合わなくなって代わりに飛び込んだ映画。あらま、面白いじゃないですか!
フローレンスピューやジェンマチャンが出てて嬉しい。さらにはディータのショウまでチラ見できてラッキー。
フローレンスはまた似たような仕事してますがやっぱ上手いと思う。監督は隣の奥さん役で出演もしてるオリビアワイルド、ブックスマート(面白かった!)以来の長編二作目だそうです。
あんまり書くとネタバレになるから書けないけど「フェミニズム版マトリックス」とどなたかがレビューしてましたが構造はその通りで、話の流れは「死体の少ない60'sのミッドサマー」ですww
旦那の「60'sだぜ!ハニー黙って俺について来い」って言う世界観からの脱出劇で、アメリカ人ダメオタの理想はそこなのか?!と言う突っ込みも有りですが最近の日本も昭和懐古思考あるんで、なんとなく膝ポンです。
SF的要素もかなり有るんですが、女性監督でフェミニズムがメインテーマだと思うんでそこはあえてスルーです。そこ突っ込むとマジにマトリックスになるしね。
観終わってみるとタイトルがテーマなんだとわかるんだけど、少し損してる気もする。
クラシックカーの爆走カーチェイスはわくわくしちゃいました。エンドタイトル見たけどCGは少なかったんで実車ですね。
レビュー書き始めて200本目。
飛び込みで見た割にはかなり楽しませて頂きました。
1950年代のアメリカをユートピアとしたディストピアもの。
プロパガンダとして利用された「バックトゥザフューチャー」でもお馴染み、アメリカが最も栄光ある時代が本作の舞台。しかし本作はかの作品とは異なりかなり皮肉がきいた作品となっている。
ここで描かれるのは張りぼてのような偽りのユートピア。第二次大戦後アメリカが最も栄華を極めた時代。だがそれは裏を返せば男社会の栄華でもあった。
男は外でバリバリ仕事、女は家で家事と育児。外で働く夫を貞淑な妻が陰で支えることが当時のアメリカ社会では美徳とされた。だが、家電や自動車などアメリカが誇る基幹産業が安くて質の良いアジア製品に取って代わられ、アメリカの衰退とともに、家庭に押さえつけられてきた女性の社会進出も活発に。いまやかつて栄華を誇った男社会は見る影もない。
本作でも主人公アリスの夫ジャックは無職で、優秀な医師である妻に頭が上がらない。そんな彼が飛びついたのがビクトリー計画だった。
男が颯爽と生きる順風満帆な世界、それを貞淑な妻が陰で支える。時には夫の性欲を都合よく満たしてくれる妻の存在。まさにかつての男社会の復活を切望する男たちにとってはユートピアである。しかし、かつての男社会同様自分たちの自由意思を封じられるこの世界は女性にとってはディストピアでしかなかった。それに気づいたアリスはこの偽りの世界から脱出を試みるのだった。
男たちの愚かな願望が結局女性によって打ち砕かれてゆく様を描いた女性監督らしい皮肉がきいた作品となっている。ただ、本作のテーマ自体は面白いがサスペンスとしてはやや冗長。ディストピアものとして落ちは端から予想できるのでもう少しテンポよく見せて欲しかった。
【良かった点】 終始不穏な空気感が漂い、ジョーダンピールやシャマラ...
【良かった点】
終始不穏な空気感が漂い、ジョーダンピールやシャマランなどの作品を彷彿とさせるような世界感に酔いしれた。後半になるにつれて主人公の感情とともに映画の面白さも尻上がりになっていった。有害な男性性をこのようにSFテイストを交えて皮肉に描く作品は珍しくその点も面白味があった。ただその中にも女性が意思を持って男性に仕えるという描写もしっかり描く信頼感もあり、綺麗ごとにはなっていない。フローレンスピューの泣き演技はやはり最高。そしてラストのダッシュは最高にかっこいい。
【良くなかった点】
このタイプの映画で120分は若干長いと感じてしまった。90分前後でこのストーリーであったら文句なしの一本。
またも期待しすぎてしまった。。
オリビア・ワイルド長編監督作第2作目の本作。
正直、むっちゃくちゃ期待していた。
期待しまくっていたし、楽しみだった。
ただ、映画が始まってから
どれだけ待っても物語が展開しない…
いつになってもエキサイティングなシーンが
訪れない…
退屈とスリリングの割合が8:2くらいの作品だった。
もちろんメッセージ性は強く支持するし、
本当にその通りだよな、とは思うのだけど。
まず序盤の車がシンメトリーに走り出す場面
なんか変じゃなかったですか
ぎこちなさがあったというか。
本当に比較するのとかは良くないけど、
デイミアンチャゼルとかの方がよっぽど上手いよ
あと構造としては、
「トータルリコール」とか
「アンテベラム」系統だと思うのだけれど、
どうも、おもしろくなかった。
ネタが明らかになるタイミングが遅いのかな。
ラストの現実に戻る場面ももっとカタルシスを
感じそうなものなのに。
(「アンテベラム」とか素晴らしかった)
最後のカーチェイスとかクソダサかったよ、、。
なんか、チープに感じてしまったのかな。
ブラックミラーとかで出来そう……っていう。
夫婦が仮想世界で言い合いする場面とか
凄く盛り上がりそうだったのに、
なんだか中断されてしまったように見えて
(物語の都合で)
それがなんだかなあ…。
主題は「ドントウォーリーダーリン」って
そのまんまのことだと思うんだけど、
なんだか愛し合っていた二人が
女の後ろ髪を引っ張っているようで
(「プロミシングヤングウーマン」でも
主人公はこういう葛藤を与えられていたけど)
そこが引っかかったのかな……。
とにかく気分は良くなかった。
それと、あの50年代の世界も、
現実の男が求めたユートピアってことだよね
(オリビアワイルドだけが別目的でいた)
(あとジェンマチャンもか)
なんかそこに時代錯誤を感じていて、
多様性に向かっているはずなのに、
そういうものが一切ない、みたいな。
(人種に限っては、現代社会に合わせていたのか)
なんていうか、仮想世界としつつ、
当時の女性たちに重ねているのであれば、
こういう描き方にはならなかったんじゃないか
と思うのだよな。
みんなモブ過ぎてさ。
多くの女たちは催眠的なのかけられてたとして、
男はもっと一人一人が女性に対する偏見とか
持っていたり、違う未来を見ていたり
嫌な扱い方とかするはずじゃないのかな。
それを“全男性”と描くことで、
一人一人のもっと深層心理的な、
重要な問題から逃れている気がする…。
なんとなく「ラストナイトインソーホー」的な
居心地のわるさを感じた。
「ブックスマート」と全く違う!
あの映画で得たものを全く得られない!
と思い、そうか脚本家が違うのか、と
調べたが脚本家は同じだった……
果たして何故……
※追記
色々考えていたが、やはり
女が自分の力で社会進出する上で、
天秤にかけられるのが愛だという描き方が
気に食わなかったのかもしれない。
女は男に囲われて稼いでもらわなくとも
生活することは出来ますよ、だから心配しないで
これはわかる。
でも何で愛を手放すことは必須なの?
両立は無いの?
女は男の愛無しには生きられない存在なの?
この映画だと、後半思い切り、夫は悪として
描かれているけど、それだとあの夫が悪いってだけで
男性性や家父長制などとは別問題にならないか?
考えても考えても、もやもやするな、、、
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