劇場公開日 2022年4月8日

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「MOVIX亀有でも上映しないのがもったいない!エドガー・ライトがユーモアたっぷりのいつもの感じで知る人ぞ知るバンドの素顔に迫るメチャクチャ楽しいドキュメンタリー」スパークス・ブラザーズ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0MOVIX亀有でも上映しないのがもったいない!エドガー・ライトがユーモアたっぷりのいつもの感じで知る人ぞ知るバンドの素顔に迫るメチャクチャ楽しいドキュメンタリー

2022年4月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

客席にいたのはオーバー50のジジババだけでしたがそれもそのはずで、この映画の背景にある世界は幼少期から我々ジジババが慣れ親しんできた世界。その世界を彩る音を最前線で創造していたのがスパークスだったと断言していいほど、ほぼ初めて聴くサウンドなのに何もかもが懐かしい。冒頭からタイトルが出るまでの数分ですっかりロン&ラッセル・メイル兄弟に魅了されました。そもそもなぜこのタイトル?というのも明かされるのですが、その理由にも二人のセンスとエドガー・ライトのセンスがコッテリ塗り込まれています。鑑賞前はエドガー・ライトがドキュメンタリーを監督するというのがピンとこなかったのですが、そんな懸念はこの時点で木っ端微塵。あとはセリフや映像だけでなくテロップにも仕込まれているシャレを取りこぼさないようにするのが大変、多分半分も拾えてないです。これは1980年代以降に生まれた人には相当チンプンカンプンじゃないかと心配になりました。

彼らが音楽だけでなく映画からも多大な影響を受けていることを物語るエピソードも白眉。特に『ジェット・ローラー・コースター』にはビックリする人が多いかも。長いキャリアの中で映画史とニアミスを繰り返す二人がついに果たした功績が今同時期に上映されているアノ作品なので、ニコイチ鑑賞がベターであることは間違い無いです。

ロン&ラッセルが実に魅力的な人物であることが、そのカラフルにも程がある個性豊かな楽曲とベック、フリー、トッド・ラングレン、アル・ヤンコビック、ニック・ローズにジョン・テイラー・・・数多のアーティスト達の証言で矢継ぎ早に語られるので141分の長尺を全然感じません。最後の最後にブチ込まれるギャグに至るまで何もかもが痛快。

個人的には彼らが自宅の近所に来ていたことをチラ見せしたカットに仰け反りました。これはMOVIX亀有でも上映すべき作品です。

よね