劇場公開日 2022年2月4日

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「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」ギャング・オブ・アメリカ アモルフィさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや

2022年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

売れない作家が金のためにマフィアのドン、ランスキーの伝記を執筆するということで、武勇伝のような過去の半生語りと現在のFBIによるランスキーのかくし金さがしの同時進行という構造。
マフィアらしい武勇伝のほうのいかにも盛り盛り満載で派手なエピソードの合間に現在時間で起きることが「意味が分かると怖い話」のようにじわじわ来ます。

ランスキーは家族や友人など自分の気に入った人間には徹底した優しさをみせるが、思い入れのない人間には本当に容赦なく冷たく処理する。
自分を出し抜いた人間や自分を陥れるスパイは容赦なく始末する一方で、家族や友人は最後まで見捨てない。
どうしても受け入れられないことを本来誰のせいでもないのに神や自分のせいにして錯乱する奥方の売り言葉にも、普通は言ってしまいそうな買い言葉を絶対に言わない。
世の中の半分ぐらいの人は言ってはいけないことを言って相手にも自分にも致命傷を与えてしまうものではないか・・・。

男というのはどうしてこんな綺麗にハニートラップに引っかかってしまうものなのか・・・・
実際、わかっていても歯止めが効かないものなんだろうけど

アモルフィ