劇場公開日 2022年3月25日

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「突き刺さる数々のセリフ」ベルファスト zem_movie_reviewさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0突き刺さる数々のセリフ

2023年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

セリフのひとつひとつに魂がこもっていました。こんな映画、始めて観ました。
ただ、どうなんだろうか、そのセリフと映像、音響がバランスはしていないとも感じました。いや、全然、問題ないんですよ、全編通じてセピア(モノクロとも微妙に違って感じたので)なんだけれどフィクション部分(映画内映画とか演劇とか)はカラーで区分けしてあって、うお、すげえ工夫だなと感心しましたし、暴動騒ぎやら普通の生活とかすぐそこにありそうな音の響かせ方でした。役者も名演技でしたしよく出来た映画でした。でも、セリフが突出し過ぎているんですよねえ。玉に瑕ではなく玉が瑕?
その中でも印象的なところは
・ベルファストの遠景がガンダムのまんま(笑)。ゴッグが上がって来たところ、ホワイトベースのドッグの位置、カイが自転車で駆け下りていくとことか次々とオーバーラップしました。あれ?
・宗教紛争で荒れるベルファストでの人々の日常生活でしかありません。とも言えるでしょう。地味な話です。
・バディが誕生日プレゼントでもらったサンダーバードのコスプレセットですが、あの銃、自分も持ってた!!!!懐かしい!!!
・最大の山場は「洗剤」でした。見どころです。失笑しちゃいました。あれは卑怯です。が、人間、カオスに投げ込まれると火事場の馬鹿力ではありませんが、訳のわからない行動をしちゃうものですね。そういうところを上手く表現していました。

アカデミー賞脚本賞は伊達ではなかった。いい作品でした。

zem_movie_review