「怪物ベルーシの死から40年」BELUSHI ベルーシ 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
怪物ベルーシの死から40年
コメディ界で多大なる才能を開花させながら、33歳の若さでこの世を去ったジョン・ベルーシ。『アニマルハウス』や『1941』や『ブルース・ブラザース』の破天荒な暴れ者ぶりでも知られる彼だが、本作を通じて内面にあった悩みや不安、はたまた妻にだけ打ち明けた素直な思いをこれほどストレートに突きつけられると、自分の中の固定観念にも近いベルーシ像がことごとく覆されていく。また、当時のコメディ・シーンの根幹を担ったナショナル・ランプーンやシカゴの即興劇団セカンド・シティのメンバーたちがやがて「サタデー・ナイト・ライブ」へと集結していく大まかな流れを確認できるのは大きな収穫でもある。だが、当然ながら本作には終盤にかけて哀しい運命が待っている。もしも彼がドラッグに溺れることなく生きていれば、今では70代。きっといぶし銀の名優になっていたに違いないーーーーと悔しさがにじむ。この怪人の死から間も無く40年である。
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