劇場公開日 2022年11月18日

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ある男のレビュー・感想・評価

全363件中、121~140件目を表示

5.0映画を見る事

2023年2月9日
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2022年いろんな映画を観てきた中で1番面白かった作品。

素晴らしい映画体験だった。
エンドロールで感激のあまり震えが止まらなかった作品。久しぶりにそういった作品に出会えたし、生涯のベストに入る作品。

ドラマ的な展開やミステリー要素などを期待すると地味な印象かもしれないが、俳優陣の方々の演技にスキがなくこれほど見応えがある作品は滅多に出会えないと思う。

妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝という豪華なメインキャストの方々の演技は群を抜いてよかった。安藤サクラさんの人妻の色気が漂っていた感じとか、妻夫木聡さんの演じる城戸の葛藤や自分を見つめ直す姿とか。特に窪田正孝さんの役はめちゃくちゃ複雑でやりづらそうなキャラクターだったのにも関わらず、それを上回る様な印象的なキャラクターになっていた。凄まじい迫力を感じました。これはもう助演男優賞になるでしょう。

原作者、平野啓一郎先生が唱える分人主義がテーマになっている本作。対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格があるという考え方。中心に一つだけ「本当の自分」を認めるのではなく、それら複数の人格すべてを「本当の自分」だと捉えること。今の世の中は、SNSだったり、職場だったり、学校や環境、過去や現在によってキャクターを演じなければならないシーンと、個人の個性のギャップに悩んだり、もどかしく思う事で疲れてしまうシーンに溢れている。そんなん気にするなとシンプルに考えられる人もいるのかと思うけど、実際状況に合わせて変化させることに疲れている私にとって窪田正孝さん演じる謎の男Xと謎の男を追う中で、自らのアイデンティティを見つめ直す妻夫木聡さんの演じる城戸の姿はとても印象的だったし、刺さるものが多かった。
エンターテイメントとして一級品なのは間違いない中で、映画の見せ方、ストーリーの構造の描き方が感激だった。

映画の構造的に面白いのが、謎の男Xを追う城戸という状態が正しく"映画を見る事"に近い状態になっていて、その城戸を追いかけている観客までもがシンクロする感覚になっている。そしてラストのあるシーンで観客と主人公が混ざり合う様な強烈なカタルシスを味わうことがこの映画の1番の面白さと人生の機微を体験できる描き方が本当に本当に凄まじかった。映画を見る事で自分の内面を見直す、なにかヒントがもらえる事が映画体験の醍醐味の一つ。城戸とXを見つめることで自分のあり方を考えるキッカケになる様に出来ている。

野村芳太郎監督や、松本清張作品、安部公房作品の映画が好きな私にとっては大変心打たれる作品だった

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しょうへい

3.5妻夫木をキャスティングした意図

2023年2月3日
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作品はしっかりしたストーリーで終始楽しめました。

この作品から感じた事は、どんなに努力して手に入れた立派なステータスやどうしようもないコンプレックスがあろうとも人生の幸福度や満足度はその個人にゆだねられているという事だと思います。

変わりゆく多様性の時代へ
いかに自身を強く持てるか
自分の幸せは自分で決めましょう

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カノキ

4.5タイトルに秘められた意味

2023年1月25日
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人の人生を生きたい人もいる。

だからこそ自分の人生を愛していこうと思った映画。

キャストも豪華で見応えあります。

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BIGGIE

4.0人間ドラマと形容するに相応しいミステリの奥深さ

2023年1月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

これは人間ドラマらしい。評判と共に聞こえてくる声に納得。つい踏み入った感想が流れてくるのもわかる作品。それほど人間は深いのだから。

私の愛した男は、別人でした。そんな衝撃から始まる作品。しかし、意外にも予告ほど不穏なモノではなく、たまたま空いてしまった穴に彼の人生は何が埋まっていたのか、それを静かに掘り続ける作業の作品なのだ。人間ドラマだからという意味ではなく、ある男のドラマなのだと受け入れる。そこになんとも言えない不気味な影と踏み入った表現によって、捻りの効いた味付けへと変貌している。多くは語らないが、よく使われるあの言葉が端的に表現できる。

他人の人生に踏み入ることへの危うさと好奇心が混ざり合いながら、その証明を手繰り寄せる様は時折スリリング。そして、もっていた温かさがまとわりついてくる。観た人たちは一緒に受け入れる。時に、無意識に刷り込まれた外野の言葉と共に。その見せ方が何とも上手く、恐ろしい所でもある。石川慶監督の凄い所は、ドラマの核は外さずとも、見える描写と台詞をバランス良く組み立てながら、分かりやすくも深く付いてくる所だ。光と影が何を映してくるのか、その余白を埋めていく型が何より上手い。

主演は妻夫木聡さん。『愚行録』も観たので、このタッグは何とも嬉しかった。ただ、安藤サクラさんが主演だと思っていたのも事実。どちらかと言うとテラーに近い。そして窪田正孝さん。今更ながら多彩な演技に驚かされる。今年はつくづく痺れることが多い。随所まで配置された豪華さが作品の奥行きを生む。またまた凄い演技力を見せる河合優実さんは本当に凄い女優さんである。一部キャラのディティールに濃淡が薄く勿体なく感じたが、それでも最後まで緊張を切らさない配置は見事だ。

たまたま今日、報知映画賞が発表された。作品賞を獲るのも納得である。そして、観た人でないと見えない真実を語りたくなるのもまた、ミイラ取りの様である。

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たいよーさん。

4.0何がほんとか?

2023年1月21日
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人を見抜く力ないから困るなぁ。

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ふさ

2.0静かにじっくり観たい

2023年1月18日
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静かに淡々とストーリーが進む。
だけど退屈しないし、自分で推理する余白もある。
メインストーリーはとても良かったです。

けれど自分的には「在日」という言葉が差別用語として連呼されるのが気持ち悪くて意味がわからなかった。
それって差別されるべきことなのかな。

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きみ

4.0安藤サクラ素晴らしい

2023年1月17日
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鑑賞方法:映画館

脚本の良さと配役の素晴らしさ
特に安藤サクラの演技の切り替えが素晴らしい
実家に戻ったばかりの演技、結婚した後の演技が別の人のように見える
地味な映画ではあるが、心に響く作品

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アップル

4.0自分が自分である事を 果たしてちゃんと証明できるだろうか

2023年1月16日
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鑑賞方法:映画館

人は産まれた瞬間から逃れられない運命を持っているもので、
それは決して己の力では書き換えれない。
それが運命

誰もがそこから自らの手で幸せを掴むべく毎日を過ごし生きていくものだが、
逃れられない運命を背負うことの苦悩やアイデンティティ(存在証明)を手放し
どこかにあるまっさらな空白のスペースに
全く別の自分の居場所を欲しているのかもしれない。
身近に考えると、SNSのなりすましや匿名投稿性もある意味同じかもな。。と。

「名前」「血族」「容姿」
目に見える確信で判断された結び付きよりも
「心」「愛」「情操」
目に見えない結び付きの方が大切なのかもしれない。

この映画でポイントになる
ルネ・マグリットの『不許複製』という絵画。
この絵画は描かれている人物の疎外感を表している。と言われているそうです。

ラストシーンの 妻夫木聡 さんの余韻は素晴らしくもゾッとした。
窪田正孝 さんと 安藤サクラ さんの空気感はさすがでした。

誰もがXになる可能性を抱えている。
大なり小なり差別や区別されて生きているから。

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甘酒

5.0マグリッドの複製禁止

2023年1月9日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

冒頭の印象的な絵画、調べるとジュルレアリズムの画家、マグリッドの複製禁止という絵画らしい。
顔の見えない、判別不能な男、まさしくある男からのオープニング。
好む好まざるに関わらず、持って生まれた自らの出自、それを武器に人生をのし上がっていく人もいれば、それを消し去りたい人も多くいるのだろう。
妻夫木聡さん演じる弁護士も消し去りたい1人。
自らを仕事、結婚含めた武装、そして帰化という合法的な手段で消し去る努力をしてきた人。
きっと、これまでは無意識に実行してきたのだろう。
しかし、窪田さん演じる偽大介が出自を消し去り、自分個人としては充実したわずか4年を羨ましく感じる。
社会的とか、金銭的とかでなく。
武装解除できるのは、バーでのみ。マグリッドの複製禁止に勇気づけられて。

演者は皆さん、素晴らしかったです。

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AKIRA

3.0作り込み過ぎな感じ

2023年1月8日
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鑑賞方法:映画館

途中までは面白かったんだけど凝りすぎてしまった印象。もう少し時間がたったらもう一度観てみよっかな。
俳優陣は豪華。なかでも柄本明の存在感たるや。。。

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らまんば

3.5戸籍一枚で人間の存在を決める世の中

2023年1月4日
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自分の存在を証明するものって何?

って考えたら免許証だったり保険証だったりするけど
それだって持ってない人は証明にならない。
最終的には戸籍になるんだよね

それが売り買いされてて自分を消したり変えたり
することができるのであれば。。。
嫌な過去や人間関係をクリアしたい人は
そうしたいと考えるかもしれない。。

法的には違法だけど
そういうニーズってないことはないよなあ
としみじみと感じた作品です

それぞれの役者さんの演技が素晴らしかった

いい作品でした。

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BEE.KENY

4.0今が幸せなら大切にする、嫌だなと思ったら新しい場所へ

2023年1月2日
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親ガチャという言葉がある通り親は選べない。殺人犯の家族も殺人犯として扱われます。しかしながら、その家族は決して悪い人ではありません。それによって人生が壊れるのは知ったことではない、名前変えたい気持ちで新しい人生を歩みたい。責任を感じると思いますし、逃げたら無責任と周りから思われます。しかし、自分の人生です。好きなように生きればいいですし、逃げたくなったら逃げればいいです。新しい人生で受け入れてもらえれば、過去はどうでも良くなると思います。作中は不条理な現実と冷静に向き合いながらも、人間の愛と優しさの可能性を決して諦めない生き方をしている人物がたくさんいたことに暖かみを感じます。

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やんやん

4.5本筋だけ

2023年1月1日
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窪田君が安藤サクラに
友達になって下さい、と告げるシーンは
キュンキュンしちゃいました
おばさんの気持ち刺激しすぎ笑

メインの話はわかりました
でも、色んなところで
ちょいちょいわからない話が出てくる

思わず、電子書籍をポチってしまった
どこかのレビューに原作本の宣伝とありましたが、見事にハマりました
自分で回収できないし、気になるし、時代はポチってすむことが増えたもんだ

仲野太賀もチョイ役で、うーんもっと見たかった
柄本明、怪演ですな
見てる自分も詐欺られそうだわ

赤の他人になりすまして
生まれ変わった気持ちになって
全く別の人生を歩めて
最後の何年かは幸せだったのだと思いたい
ちょいちょい蘇る父親の血は
少しは感じていたのだろうけど

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yumi cats

3.0設定は面白いのに

2022年12月31日
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一体自分は誰と結婚していたのか?
設定は凄く面白いと思い観に行きました。
が、全体的なストーリーとしては、まあそうよね。という感じで、そこまで捻った感じではないような気がします。
主役は、妻夫木さんだったのでしょうか?
もう少し、妻夫木さんに過去や影があり、それと重なっていくとか、実はもっと複雑なストーリーがあるとかでしたら、面白いのではないかと思いました。

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ともちゃん

2.0いささか消化不良

2022年12月29日
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鑑賞方法:映画館

…な一本と思われました、評論子には。
戸籍は、もちろんその人のアイデンティティを表象するものの一つですし、戸籍による身分関係の公証があらゆる法律関係の基礎をなしていることも、否定はできません。
しかし、人のアイデンティティのすべてでもないと、評論子は思います。
芸能人はいうに及ばず、講演活動などを行っている人達などには、戸籍上の本名よりも、活動に使用している名前で、その人が認識されている例もあることには、枚挙にいとまがないと思います。
言ってしまえば戸籍によるアイデンティティの証明はその程度のもので、単なる「紙」に過ぎないのに、「戸籍を交換すれば、一切の過去を切り捨てて他人になりきれる」などというのは荒唐無稽な考え方であることは、そのことに徴しても明らかではないでしょうか。
「戸籍交換」などという目新しい言葉で、それがいかにも人の過去を消し去ることができるかのようなミステリアスな行為のようにモチーフとしているかのような本作には、正直なところ、鼻白む思いがしてしまいました。そういうモチーフを良くかみ砕いで消化できていないとも思われました。
観終わって、残念な一本になってしまいました。評論子には。

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talkie

3.5ラストが素晴らしい

2022年12月29日
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全体でいろいろ思うことはあるんだけど、とにかくラストが素晴らしいのに、その解釈ができてない人が多くてびっくりする…正直文脈を読む力が著しく低いか、違う人生歩んでみたいと思うような挫折とかしたことない人なのかなあと思ってしまうな…

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ありきたりな女

4.0妻夫木聡…

2022年12月28日
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妻夫木聡は、こういう役とてもハマりますね。爽やかな外見に反して、何か中に抱えている感じ。

個性を変えてでも、変えたい過去…人には分からないけれど、そういう人ってきっといるんだろうなぁ。
生きずらさをテーマにした映画、最近増えてる気がします。

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ぷぷぷ

3.0真に迫る演技

2022年12月23日
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安藤サクラや窪田正孝等、俳優陣の演技が真に迫り非常によかったですね。

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run05

3.5合ってる

2022年12月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

個人的に窪田さんは重たい暗い役がよく合うと思う。
妻夫木さんもこういう役がよく合う。
最後はそうなるのね、でも理由軽くない?とちょっと思いました。

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しまにこ

3.5消せない血の宿命

2022年12月19日
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死後に別人であることが判明した男の過去を追いかける社会派ミステリーで、とても見応えがありました。安藤サクラと窪田正孝の出会いから家庭を持つまでを自然に流れるように描きながら、一転して緊迫感のある展開へ切り替える石川監督の語り口が絶妙です。血縁という、自分ではどうしようもできない宿命のために、身分を捨てる者、捨てられない者の対比がストーリーを盛り上げ、往年の名作『砂の器』を思い出しました。中盤から描き方の視点が頻繁に変化するので分かりにくかったり、温泉旅館の次男の動機が主人公と比べて弱い点もあるけど、登場人物への深い理解と丁寧な描写が際立ちます。役者では主役三人はいずれも好演。少ない出番ながら、柄本明の怪演ぶりにドン引きでした。

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シネマディクト