劇場公開日 2021年11月12日

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「見終わって…言いたいのは…」ファイター、北からの挑戦者 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5見終わって…言いたいのは…

2021年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

つまんねーーーー!

今年映画館で見た12本目の映画。そのうち、「白頭山大噴火」「KCIA 南山の部長たち」「サムジンカンパニー1995」など、本作を含めて4本が韓国映画。「サムジン―」もつまらなかったが、アクションやスペクタクル作品を除くと、やはりこうした淡々とした描写の映画だと、韓国は向いていないのだろうか。
ただ、故キム・ギドク(初期、一部を除く)をはじめ、そうした作風の中で心を打つ映画もあるのだし、たまたま本作がハズレだったというべきか。

本作は、脱北した若い女性がソウルで息苦しさを感じながら、拳ひとつでその人間性を再生していく――というものになるはずが…。

どれも味が薄く、底が浅く、動きに乏しく、平板で淡々とした描写。
どっきりも、びっくりもしない。

こうしたテーマなら、もっとメリハリをつけて、動きを多くするか、コメディータッチにしてくれないと…スクリーンに引き付けられない。
劇場は半分以上客が入っていて、この手の映画にしては入りがいいとも思ったが、封切り2日めだったからだろう。
韓国もこんな映画を作って公開、日本に輸出してるんだから、まだまだだな。
…って、日本映画がのんびりしてる場合ではないか、それとも安心してよいか…。
いかがだろうか。

※レビュー投稿後、再考した。この映画はこの淡々とした描写を敢えてしたのではないか、と。
人のリアルな生活には大きな事件は起きない。
脱北――という人生最大のイベントをへて、韓国に来た女性。その過去を切り離してソウルで生きる彼女がこう生きている…と示すことに意義がある、のだ。
そうとらえると、僕の低評価は誤りでもあり、本作は深いふかい意味がある…と言えるかもしれない。
見る人がどう見るかは、人それぞれ。見終わった瞬間の思いを再考させるというのは、やはり意図した平板な映画…というこかもしれない。
だとしたら、韓国映画界、エンタメ界は底知れぬ存在といえる。

町谷東光