劇場公開日 2021年12月10日

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「「ホラー」と「サスペンス」が融合した良作」ラストナイト・イン・ソーホー 悶さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「ホラー」と「サスペンス」が融合した良作

2023年7月7日
PCから投稿

【鑑賞のきっかけ】
加入している動画配信にラインナップされているのを発見。
2021年公開ということで、最近の作品なのですが、存在に全く気づきませんでした。
ハリウッド制作ではなく、イギリス映画なので、大規模な劇場公開ではなかったのかもしれません。
でも、なかなか評価が高かったので、鑑賞してみました。

【率直な感想】
<出だしから好調>
本作品の主人公エロイーズ・ターナーは、ロンドンのファッション学校に合格し、田舎町からロンドンに移り住み、学生生活を送ることとなります。
最初から、彼女は、60年代のロンドンに憧れていることをセリフで明かしているので、さて、どこからタイムスリップが始まるのか、と興味を持ちつつ鑑賞していました。
すると、上映開始から、30分くらいのところで、夜寝付いた後、夢をみているような描写で、彼女が建物の外に出た時、そこは、歓楽街で、画面に飛び込んでくるのが、「007/サンダーボール作戦」のポスターが貼られた映画館。
1965年公開の大ヒット作なので、いよいよ、彼女は、60年代のロンドンの歓楽街、ソーホーにやって来たのか、と。

<途中まではホラーでもサスペンスでもないが…>
この夢か現実かよく分からない世界で、彼女が出会ったのが、サンディという自分と同年代くらいの若い女性。
酒場などで、男性たちとダンスをしたり、お酒を飲んだり、自由奔放なサンディだが、主人公エロイーズは、次第にサンディと一体化していく…。
このサンディと行動を共にする夢を毎晩見ているエロイーズは、学校ではひたすら、60年代のファッションを題材に、デザイナーとしての勉強を重ねていく…。
というような展開が物語の中盤まで続くのですが、そこまでは、ホラーやサスペンスの要素はなく、奇妙な展開のタイムスリップもののイメージでした。

<中盤以降から、ホラー、サスペンスがてんこ盛り>
これ以後は、ネタバレになるので、ストーリーは書きませんが、次第に、「ホラー」と「サスペンス」の展開へと移行していくのです。
その展開方法が巧みで、楽しむことができました。
そして、この作品で強調したいのが、「ホラー」と「サスペンス」の両方を堪能できるという点です。
しっかりと、「ホラー」作品らしい超常現象による描写で、ハラハラさせてくれますし、途中から、「犯罪」がストーリーに絡んでくると、「サスペンス」調の二転三転する展開と、後半に向けては、伏線の回収があり、ラストには、衝撃的な結末が待ち構えている!!

【全体評価】
衝撃的な結末は、もっと驚くようなサスペンス映画もありますが、真相は見抜けませんでした。
また、ホラー的な展開の部分でいうと、本作品では珍しく、白昼堂々と超常現象が起きます。
「ホラー」と「サスペンス」を見事に融合した、良作だったと感じています。

悶