劇場公開日 2021年7月18日

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「かなり惜しい作品、でも、嫌いじゃない!!!」ラン・ハイド・ファイト バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0かなり惜しい作品、でも、嫌いじゃない!!!

2021年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「ヒット・エンド・ラーン」は鳥居。
「ラン・ハイド・ファイト」は惜しい。

す、す、すみません・・・。

もしかしたらありふれたシチュエーションで、珍しさはないかもしれません。でも、しっかり作っている作品ですね。高校生が主人公ゆえの成長物語も織り交ぜつつのアクション作品。
まず好印象なのは主人公が「実はスーパー高校生」っていう設定じゃないところですね。
実は元○○でした、っていうのじゃないのがいいです。ま、家庭環境の影響による特技はあるものの、それは大きなファクターになってませんし、それは別のちょっとした盛り上がりを作ってくれます、ナイス!(強引だけど、ラストはスカッとします)

作品の雰囲気は地味です。発生事象も世界的な事件じゃぁありませんしね。校内の喧嘩みたいなもん(あくまでレベルのお話です)です。グリーンベレーの元隊長がヘリでやってきたりもしませんしね。ですが、ローカル規模故に、警備とか住民の意識のエアポケットにハマるシチュエーションをうまく利用しているなぁって思います。なさそうだけどありそうな?

物語はまさに主人公の「ラン・ハイド・ファイト」です。これは犯人に立ち向かうスーパーマンじゃない普通の高校生・ゾーイの足掻きそのものですよね。それはうまいこと彼女の私生活にも絡めようとしている点は、別の観点でもナイス・トライだなぁ?って思いました。「何と戦うんだ?」って点ですね。本当に設定は良いなぁって思います。

ただ、残念点もありありです。ちょっと「えーー、それおかしくない?」って展開が多いんです。犯人側の無計画っぽさや間抜け感満載とか、保安官や警察まぬけすぎるとか、いやいや、それで渋滞とか・・強引すぎるだろ?とか、SNSの威力弱すぎなど・・まぁ色々あるんです。はい。
それと、ゾーイの精神的成長の見せ方が、まぁうまくない。やりたいことはわからないでもないんですが、「あのー、その人の見かけが変わっているだけにしか見えませんよ?」っていう(笑)

重ね重ね、惜しい。
でも嫌いではないです。シネマカリテさんの「カリ・コレ」新作三本観ました(プレミア上映のぞく)が、今のところBEST。

バリカタ