梅切らぬバカのレビュー・感想・評価
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特に劇的展開はないけれど…
知的障害の息子と暮らす老いた母、障害者グループホームと地域の関係、ただ淡々とその成り行きを描く。ソフトに描いているけれど根本的な問題は深い、と思う。誰が何に対して我慢したりどうやって思いやりを持ち続ければ良いのか、答えは出ない気もするけれど考えさせられるな。
山下清といい塚ちゃんはこの演技のイメージ強し。
圧巻の演技
いつも映画を見る時は、あらすじなど事前情報はチェックしないようにしている。先入観が入るからである。忠さんこと塚地さんのリアル過ぎる演技力に圧倒された。発達障害者を持つ親子の心あたたまるストーリーだ。この種の映画では観客の多くを期待できないのが通例だ。しかし平日の映画館の客席の6割強が埋まっていた。いかに支持されているかが証明している。
リアル球子の立場で2回鑑賞しました
加賀まりこさん、塚地武雅の演技は元々素晴らしいと思っていましたが、予想にたがわない演力に引き込まれました。
現実問題と比較すれば設定に無理があるかもしれませんが、おおむね自閉症の特性はとらえており、私ども親子が経験してきた現実と重ね合わせ納得しながら鑑賞しました。
実際近隣ばかりか、身内でさえ障害を理解してもらいながら生活するのは困難なことも多いですが、どこかで折り合いをつけながら生きる日々ですが、映画を通じて自閉症の特性や、本人たちが困っていること、加賀さんが『見終わって、こういう息子をみかけることがあると思います。決してこの子たちは攻撃的なことはない。手を差し伸べなくてもいいので、ほほえんであげてください』と、おっしゃったように、映画を通じて一般の方々に知っていただければと願っております。
このまま共倒れになっちゃうのかね?
・・・そう、母親は悩んだ。
そこから周りを巻き込んだドタバタ劇となっていくのか、切実なシリアス劇になっていくのか、注意深く見届けていたけど、おおきな山場もなく、結局は肝心なことは解決せず、近隣との些細なトラブルに日々疲弊し、それでも明るく振る舞い、変わらぬ日常が過ぎていく、そんなお話。上映時間の短さを見た時、そんな気はしてたが。でもこのエンディングでよかったのかもしれない。これなら、忠さんと同じ人たちが観ても心乱れないだろうし。それに、彼らの日常は、そうたやすく解決するものでもないだろうし。バッドエンドをみせないだけで、じゅうぶん幸せな映画だと思った。
差別する人たちに付き合う時間はない
エンドロールにスタイリスト(加賀まりこ担当)、ヘアメイク(加賀まりこ担当)とあった。単独の担当者が付くとは、さすがに大女優さんである。
それはさておき、占い師にはある種の尊大さが必要である。意味不明の基準で一方的に決めつけられても何故か納得してしまうような、自信たっぷりの態度がなければ占い師は務まらない。
主人公の珠子さんは、自閉症の息子に限りない優しさを注ぐ一方で、占い師としての尊大さを見せる。こんなややこしい役を演じることが出来る女優となると、加賀まりこを置いて他に思い当たらない。まさにはまり役である。
人と人とは結局のところ、解り合えないものだ。それぞれに自我があるから当然である。歳を取ると、他人とは解り合えないと諦めて、どこかで折り合いをつける。つまり妥協するのだ。それは悪いことではない。
息子の忠さんが50歳になっても、珠子さんには忠さんのことがまだまだ解らない。きっと死ぬまで解らないのだ。しかし珠子さんは、解らないからこそ人生が面白いと達観しているフシがある。だから占い師みたいなことも出来ているのだろう。
自閉症の息子を抱えていても、珠子さんに悲壮感はない。何があろうと忠さんはかけがえのない自分の息子だ。一生背負っていく。自分が亡くなったとしても、忠さんはなんとかやっていけるだろうという楽観もある。それは占い師ならではの楽観かもしれない。
忠さんは自閉症の中でも意思疎通が難しい部類に入る。意思疎通が図れない人間は常に差別の対象だ。日本人は言葉の通じない「在日」を差別してきた。戦時中や戦後には殺された人も多くいたと聞く。差別はいまも続いている。忠さんへの差別も同じ精神性である。
珠子さんは、息子を差別する人たちとは戦わない。グループホームに対する反対運動で時間を無駄にしている人たちに付き合う必要はないのだ。
脇役陣は概ね好演。林家正蔵は人のいい役が似合うが、本作品では人の好さだけではなく、差別や役所の怠慢に対する怒りも見せる。なかなかいい。森口瑤子は偏りのない素直な精神性の奥さん、渡辺いっけいは自分本位ではあるが、他人の人格も尊重する気の弱いサラリーマンをそれぞれ上手に演じていた。
塚地の忠さんは、自閉症の中年としての悲哀が少し足りなかった感じがある。急に真顔になったりスタスタ歩いたりして、自閉症らしくないシーンもあった。そのたびに珠子さんが、塚地の演技にかぶせるようにして忠さんに話しかけたり、話を引き取ったりして、いくつかのシーンを見事に収めていた。このあたりの呼吸は流石である。加賀まりこはやはり大女優なのだ。
日常だわ
自閉症の判定うけてませんが、ADHDの娘連れて見に行きました
ちよーど、グループホームやら親なき後の事や
よく話してます。だからこそ娘は、しっかと見てましたわ。
癇癪かーと、思ってたら、その夜別件で
友達とのLINEのやりとりにて癇癪起こす
あーそのままや!と思い書き込みました
忠さんの演技、良かったし、母親役の加賀まりこさんが
番宣にて、障害者を見たら笑顔見せてねでしたっけ
ほんとそーです。
現実的で良かった
障害者の8050問題の真っ最中にいる関係者なので興味深く映画を観ました。親の気持ち、グループホームの関係者、地域住民などそれぞれの立場で主張している姿もよく伝わりました。
着地点がないまま終わってしまった話に中途半端な気持ちを抱く方が多いのは理解できるとこらですが、より現実感があって、誰もが満足できる社会でない今をよく投影していると感じました。
いろんな人がいて、社会が成り立つものだと、映画を通して感じました。
それにしても塚地さんの自閉症役はとてもよくできていました。よく観察されていたのだと思います。
素朴。
見終わってから「この作品は評価が割れるだろうな…」って思ったら、やっぱりレビューは割れてましたね…
さすがに少年がポニーを持ち出す?場面とかは無理があるけど、自閉症を持っている人が側にいるかいないかで見方も変わるんじゃないかな…
結末らしい結末もなく、ストーリーのクライマックス的なとこも弱く、唐突にエンドロールが始まる感じにも取れるけど、これはこれでアリだと思った。
しかし、「老後の資金が〜」の草笛光子さんしかり、今回の加賀まりこさんしかり、存在感が凄いなぁ…(もちろんこの作品は加賀さんも主役たがら当たり前だけど)
塚ちゃんの演技も上手!
加賀まりこが凛々しく、塚地がひたすらに可愛い❗️
たんたんと描かれる日常。
日常が継続することの驚異がライトモチーフとして流れている。
役者たちがいい。誰一人とっても見劣りしない。
彼らの世界に浸ることが1番の見方かもしれない。
理解する事の難しさ
意外に、忠さんが一番幸せかも
突然のエンドロールに
「えっ、これで終わり?」と客席から聞こえて来た声。
同感と思ったけど、
冷静に考えると、あれ以上引っ張れない話だよね。
忠さん、お母さん、幸せでいてね。
心、温まる映画
自閉症役の塚地さん最高でした。配役ピッタリ。
地域とのコミュニティ問題がこの映画で知れました。
施設もどこに作るか?問題もあるんだと。
自分ごとに捉え地域で暖かく支え合える日本になって欲しい。
加賀さん、ハッキリ言うが温かい人柄。
凄く良かった。
お隣さんも最後は溶け込んだ。
占いで、値段は決められないわぁ〜はウケました。
先送り
50歳の自閉症の息子と二人で暮らす母親が、自分の亡くなった後のことを憂慮して息子をグループホームに入居させる話。
知的障害を抱える人達が一軒家に住むグループホームと近隣住民とのトラブルを謳ったストーリーではあるけれど、隣の家に引っ越してきた小学生の子供がいる家族との話が主で地域の話は投げっぱなしという感じが否めず。
話としては確かに一段落ではあるけれど、ワンクール連ドラの序or中盤2~3話ぐらいをみせられて終わられてしまった様な、これで終わり?という肩透かし感があった。
たんたんとした内容。
全編に母親の偉大な愛情を感じます。
そして、世間の偏見。
母親が高齢になり亡くなったら息子が独りに。
加賀まりこさんが温かく大きなお母さんを
熱演されていた。
塚地武雅さん、山下清を思い出しました。
すごく自然でした。
素敵な肝っ玉母さん
日常を切り取ったようで、登場人物の喜怒哀楽がとても身近に感じられる映画。
加賀まりこさんの肝っ玉母さんがとても素敵で、息子・忠さんが愛おしくてたまらない存在であるのが伝わり、塚地さんがとても可愛く見えました。
ご近所さんと知てき障害と言われる人と付き合い
人権問題の映画です。自身も経験した事ですが、知的と言われる人の家族には常に降りかかる問題を取り上げてる部分に共感します。
淡々とした映画なので商業的には売れ無いだろうなと思うのが残念なところです。
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