劇場公開日 2022年10月21日

  • 予告編を見る

「ハーモニー」アフター・ヤン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ハーモニー

2023年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ジャケット写真で柔らかに微笑む家族。
父のジェイク(コリン・ファレル)
ジェイクの妻で肌色の黒いカイラ。
そして養子のミカは中国人。
ミカの育児ロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)
その4人が木立の緑の中で、満ち足りた表情で写真に収まっている。

バランスは突然崩れる。
ミカの大好きなヤンが故障したのだ。
かけがえのない兄(ヤン)がこの世からいなくなるかもしれない。
ミカは悲しむ。
しかしヤンの喪失は劇的なドラマとしては描かれない。

イギリス人のコリン・ファレル。
妻役の女優はジャマイカ人。
ヤンは韓国人の容姿。
そしてミカは中国人。

どうしてジェイクとカイラは実子を持たないのか?
持てないのか?
その辺が気になるのは、私が世俗的だから?

コゴナダ監督は韓国系アメリカ人。
テーマ音楽は監督が尊敬する坂本龍一。
そしてコゴナダ監督は小津安二郎の信奉者だと言う

A24が手がけた作品とは思えないほど、穏やかで静謐。
新しい家族の形。
養子だったりAIだったり、
愛したAIが故障して治せなかった時。
家族を失った時と同じ痛みや悲しみを感じる。
そしてヤン。
「私に幸せは分かりません」
そう言っていたが、
ヤンも家族を深く愛していたのが、よく分かる。
遠くない将来、
人間とAIは限りなく《同じ》
そう言う存在に近づくのかも知れない。

琥珀糖
caduceusさんのコメント
2023年4月10日

以前、コロンバスという映画を観たので少し気になって、A24ということもあり観ましたが、ちょっと違和感を覚える映画ではありました。これを創造性と言いたいのかもしれませんが、雰囲気でしか観れない映画というしかありませんね。

caduceus