劇場公開日 2021年12月30日

「小ネタが多いテレビドラマの映画化のため、楽しみ方がバラエティーに富み、「前日譚」とセットで見たい作品。」99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小ネタが多いテレビドラマの映画化のため、楽しみ方がバラエティーに富み、「前日譚」とセットで見たい作品。

2021年12月30日
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劇場版を見た時に初めて作品に触れたため、当初は「トリック」の法廷モノのような作品のイメージでした。
そしてドラマ版を見ていなかったので細かい人物設定までは把握しきれず、当初はそこまで推せる作品ではありませんでした。
ただ、特に本作は、公開日前日に放送される「前日譚」がセットで用意されている形式だったので、それと一緒に見ないと真価は評価できないと感じ、テレビで前日譚を見て、その後に再び劇場で見てみました。
杉咲花が演じる新米弁護士の穂乃果は映画からでも把握可能でしたが、西島秀俊が演じる南雲弁護士の背景は前日譚でしか分からなく、2作を連続で見ると評価が全く異なり「面白い作品」へと変化していきました。
映画に関連した「99.9Tube」の方を見ると、松本潤と香川照之、そして杉咲花との3人の化学反応が面白いと分かります。また映画だけでは分かりにくいのですが、美術・小道具がかなり凝った良い仕事をしていて、それも作品の魅力となっているのも感じられます。
本作は企画の段階から、ギャグが滑るという前提で作られている作品なので、いかに世界観を共有できているのかで反応が変わり、楽しみ方のバリエーションのある作品だと言えます。
松本潤と香川照之の掛け合いの上手さに加えて、本作での杉咲花は良い感じでキャラが立っていて光っていました。
「トリック」のように細かく考えすぎずにユルく見る方が楽しめると思います。

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細野真宏