劇場公開日 2021年4月2日

  • 予告編を見る

「女三界に家なし 「女」偏に「家」で「嫁」と書くけれど。 ウィドウ頑張れ。」サンドラの小さな家 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5女三界に家なし 「女」偏に「家」で「嫁」と書くけれど。 ウィドウ頑張れ。

2021年7月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ツバメたちが南の国に帰るシーズンとなりましたね。
泥と藁でこさえた小さなあの巣は、雄ツバメと雌ツバメの働きの結晶。彼らの子育ても完全に共働作業でしたね。
みんなで元気に海を渡ってね。

🐦

DV で婚家を脱出したサンドラが自力で家を建てます。
この映画、題名を失念したのでスマホで検索をしてみると
【女ひとりで家を建てる】というサイトやブログがたくさんヒットしました。これ、いろいろ考えさせられました。
時代なのかもしれません。
女たちが、男の支配を受けない世界を掴むため、慣れない大工仕事に取り掛かってみる。あるいはお一人様で銀行のローン審査に挑戦をする。
「家屋」は意地と自立の象徴なのです。

🐦

(でも「男も家を建て、死ぬまで働いて、ローンを払ってボロボロになってるんだよー」ってことも女性陣は忘れないでね。
もしも専業主婦で「亭主元気で留守がいい」なんて恩知らずな暴言吐く方がいるならば、あなたのやっていること、あなたの言っていること、それも、許されない夫へのDV なのだと気付いてね。
意外と忘れていると思うんだ。お願いしますよ)。

🐦

僕は先月6月で家のローンが終わった🎉㊗️はァ~、やれやれです。
けれど、気がついたら奥さんも子供たちも誰もいなくなっていたんですね。
25年の返済。ひとりぼっちの孤軍奮闘の記録。歴史遺産ですね。

ヤドカリに二人住まんと思へども もぬけの殻の家の哀れや

🐦

サンドラを男たちが助けます。いい奴らだ。
男ってね、家を建てることの決断の大きさと、その苦労の重みを自分の体験で身に染みてわかっている。だ・か・ら、家を建てようとする者を助けるのです。
サンドラが女だからとか、DV被害者だから応援するとか、「済まないな」という“償い”の気持ちからだけで男たちは手を貸すのではない。
それぐらい家を建てるのは大変。それを知ってるから男たちは安請け合いはしない。でもやるとなったら本気で肩入れして、腕まくりをするんですよ。
一念発起の友だちを手弁当で助けたくなるのです。

移民や年寄りもサンドラを助けます。
女友だちの応援も素晴らしかった。ペギー先生(ハリエット・ウォルター)が、映画の冒頭とは逆にサンドラを後ろから抱えあげて、もう一度立たせる。

ちょっと“トントン拍子”過ぎてストーリーが安直か?と思いきや、ラストでちゃんと現実とのバランスを取りました。

それにしてもDV亭主のガリーは非道かった。あの暴力は見るのも苦しいけれど、実相をよく撮ってある。

僕の実家で、シェルターに移動させるまでの数日、親子を匿ったことがあるのです。わかります。
あの狂気の粘着性から逃れさせるために親子を変装させて裏口から飛行機に乗せました。

🐦

人間は万物の霊長と言うけれど、どうしてこんなことになっているのかなぁ・・
ツバメの雛は、男親と女親が、無心に協調して育ててくれたことを見て育ち、今度は自分たちが大人になってふるさと日本を目指して海を渡って帰ってくる。そして何の疑いもなく僕らの家の軒先にツバメ夫婦はまた巣をい抱く。
こんなに単純で美しい子育てが、自然界では続いているのに。

ツバメの巣・・
畜生にこそ幸せのありぬるを

学ばないとね。

きりん
りあのさんのコメント
2021年8月11日

きりんさん
コメントありがとうございます。
リアリスト過ぎてすいません。
家って水回りが大変、って思ってるので、そこは凄く気になって・・・
こういった作品だと、そこは大目に見ないといけませんね。
引き続きよろしくおねがいします。

りあの
NOBUさんのコメント
2021年8月10日

おはようございます。
男にとって、家を建てる決断は勇気が必要ですよね。昔、契約書に印を押す時にドキドキした事を思いだしました。私は、マダマダ、ローン完済には時間がかかります・・。

NOBU
きりんさんのコメント
2021年7月11日

実は幸せな頃、庭でポニーも飼っていて、9平米ほどの馬小屋をキットを取り寄せて組み立てたことあります。
屋根のスレートを葺(ふ)いたあと怖くなって降りられなくなったのは秘密です。

きりん