アンコントロール

劇場公開日:

アンコントロール

解説

制御不能な怒りに陥った人々に命を狙われた警官2人組の戦いを描いたデンマーク発のクライムアクション。タリブという若者が嫌疑不十分のまま警察に拘束され、ゲットーでは不満が頂点に達しつつあった。巡回にあたった警官ジェンスとマイクは、反抗的な態度をとった少年を連行する最中に、タリブが死亡したとのニュースを知る。怒りを爆発させたゲットーの住人たちに囲まれた彼らは、迷路のような建物の中へ逃げ込む。銃弾と罵声が飛び交い、動画撮影によって行動が筒抜けになるという圧倒的に不利な状況の中、出口を求めて奔走する彼らだったが……。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2021」上映作品。

2020年製作/108分/G/デンマーク
原題:Shorta
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2021年2月19日

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映画レビュー

4.0不法移民と警官のゲリラ戦争を描く現代のデンマーク映画

2022年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2020年(デンマーク)
秀作だと思いました。
移民居住区はゲリラ戦の戦地と変わります。
不法移民居住区(治安が最悪な上に、警官に悪意剥き出し)
警官も最悪なら、移民たちも最悪。
キッカケは、移民の青年が受けた職務質問。
不法に拘束された青年は、警官の暴力で死亡したのです。
デンマークに住む移民はパキスタン人らしいのだが、個人商店の商品を公然と盗んで、
なんとも思わないような連中だし、
取り締まる警官だって、なんの罪のない少年アモスを、人質代わりに連れ回す。
アモスは【人間の盾】にされている。
(でもそんなこと、アモスにしても慣れっこなのだ)

「レ・ミゼラブル」を観た方ならば、ご存知かと思いますが、
移民の鬱積した不満が爆発して警官に向けられた時、
移民の居住区は無法地帯と化し、もう、暴徒化した移民との戦争になる。

警官の味合う恐怖がリアルだ。
筋金入りのベテラン警官のジェンス。
仲間の警官の不法行為を証言するか迷っている良い警官に見える若手のマイク。
この警官コンビも善と悪→そんな簡単な構図が途中の出来事で脆くも壊れて、
反転する。
ジリジリと追い詰められていく警官。
高所からの発砲や火炎瓶投げつけられ負傷するジェンス。

助けの来ない移民居住区・・・迷路のような地区・・・移民は高層アパートから、
スマホで実況している。

緊迫の一夜が炙り出した【憎しみの連鎖】
そもそも、ここまで移民たちがヒートアップしたのは、罪もない移民が警官の職質から、
暴力を受けて死んだから・・・。
移民と、警官。
そのどちらもが、【恐怖】に支配されている。
着地点は見えない・・
永遠に分かり合えない・・・
と、諦めかけた時、一条の光が見えるのだ。
憎しみを持つものばかりではない。
その描写に救われる。

娯楽作ではまったくない。
しかし緊張とスリルは半端ない秀作だと思います。

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琥珀糖

4.0身から出たサビ

2021年4月3日
Androidアプリから投稿

正義の話かな。

よく考えてある話。

異文化とのお付き合いでは避けて通れないよねぇ…

機会があれば見て!

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みけ

4.5静かなる狡猾者

2021年2月23日
PCから投稿

怖い

興奮

移民の居住区域であるゲットー内にて、警察に恨みを爆発させた移民達の襲撃から逃れる2人の警官の物語。

所謂バディもののクライムサスペンス。
マイクは移民に容赦のない乱暴な警官。警察仲間内でも敬遠される存在。
対するイェンスは冷静に事を静観し判断するタイプ、といった典型の凸凹コンビ。かと思いきや…?

区域内は暴徒と化した移民たちがどこから襲ってくるかわからず、常に緊張感のある展開。
一難去ってまた一難、の連続で常に気の休まらない展開に体中がアツくなる。

上述の通り、バディものとしてよくある組み合わせな2人だなぁ~と思いつつ、物語が進んで行くうちに変わってくる印象、関係、立場が面白い。
いきなりの豹変…大義名分があればこそか。そのセリフ、あなたが彼に言うか?…成程、そんなことが。。そして最後、「傍観者」となったのは…。

場面ごとの細かい描写や、さりげない会話シーンの節々に、こちらも色々考察させられる。
これだけドタバタの連続なのに、B級感丸出しのバイオレンス一辺倒映画とは一線を画しているのは制作側の手腕か。

ラストシーン含め、ある程度観客の解釈に委ねられる部分もあるが、本当の暴君は移民か警察か、その中でも誰なのか?

毎年1つは見つかる、未体験ゾーンの中の傑作。
まだまだ中盤戦ですが、今年はきっと本作ですね。

これだからやめられない(笑)‼

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MAR

4.0観客に突きつけられる刃

2021年2月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 最後まで緊迫感が続き、肩の力が抜けない。暴動の渦中にたった2人の警官が取り残されたらどうなるのか。応援部隊があてにできなくなったらどうなるか。暴徒に囲まれた警官の表情や反応にフィクション感が全くなく、現実に起きている暴動を無人カメラが追っている感じすらある。

 正義感を持った警官と力で移民を抑えつけることはやむ無しという警官のコンビが主人公だが、予想される展開は最初のうちだけで、後半からは、善悪の基準を混乱させられる。そして、想像を絶する結末を見せられて、その先は見ている自分が考えなくてはいけない。

 移民問題は1つの基準軸で答えを出せない。簡単な解決法なんかありませんよ。その事をリアリズムの極致とも言えるストーリーで観客に突きつけているようだ。

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bion
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