劇場公開日 2021年1月15日

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「1粒で2度おいしい!?いや、それ以上!!」アンチ・ライフ ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

2.51粒で2度おいしい!?いや、それ以上!!

2021年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

“1粒で2度おいしい”はアーモンドグリコのキャッチコピー。しかし、この映画はなんと1粒で5つ以上の味が楽しめる!それもそのはず、『エイリアン』『ゾンビ』『遊星からの物体X』『ザ・グリード』、そして『ミスト』などなど数々のモンスターパニックをぶつ切りにして、ごった煮にしたような作品だからだ!

だが、それだけいろいろな要素が入れば複雑な味になるのは当然のこと。おたまで鍋を掬うたびに、様々な具材が登場する闇鍋のような作品ではあるものの、それに慣れてくると意外と楽しくなってくる。あー、これはあの映画ね。あー、ここはこの作品ね、と過去の名作との答合せをするのも映画ファンとしては一興。そして、闇鍋にもカニなどの高級食材が入ることもあると言わんばかりに、大御所ブルース・ウィリスも大活躍だし、勢い任せのトーマス・ジェーンの登場に無駄にテンションが上がってしまう。

主人公の言動や黒幕の動機が意味不明な点など、ツッコミどころ満載であるが、一番の笑いのツボは“あの薬品”。あんなものがあんな容器に入って、あの容量で売られている未来世界の方が、未知の生命体よりもよほど恐ろしい。作り手たちの真剣に観客を怖がらせようという意思が感じられないどころか、登場人物たちが真剣になればなるほど、なぜか笑えてくるので、潔くブラック・コメディとして観るのがオススメ。

しかし、コロナ禍で明るい話題も乏しい昨今にはこのくらいゆる〜い作品の方が頭に入ってきやすいのかも。ある意味、時代にマッチした一作かもしれない。

Ao-aO