劇場公開日 2021年1月29日

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「やさしい嘘」おもいで写眞 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やさしい嘘

2021年2月11日
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悲しい

幸せ

祖母が亡くなり、故郷の富山に帰ってきた女性が、祖母のピンボケした遺影をきっかけに、しっかりした遺影を撮る仕事を始めるが…といった物語。

幼馴染の紹介で、遺影を撮る仕事にありついた主人公結子。
しかし、飛び込み営業の一言目が遺影撮りませんか?…じゃあそりゃうまくいかないですよねw

あるきっかけで仲良くなったお婆ちゃんの一言、
「おもいで写真」から生まれたアイデアで、結子の仕事は波に乗り始める。

しかし、写真もそうだけど本作の大きなテーマは「嘘」。
とにかく嘘が嫌いな結子は、悪く言えばかなり頑固で、性格も良いとは言えない感じ。

とは言え、自分の正義を貫いているだけなので、彼女からすればどうして正直でまっすぐな自分がクビになったり責められたり…ってのは理解しづらいでしょうね。
まぁ大人になったら嘘と建前をうまく使い分けられないと…ってのが現実だとは思いますが。

そんな結子の心情を思いながら、少しずつ変わっていく姿を見るのが面白い作品だった。
写真展で言った言葉は…本心か否か?

その他、田舎特有の空気感がグッド。
何となく寂し気な街並みや誰もいない公園、頼めばどこでも写真を撮らせてくれる雰囲気はホンワカしますね。

物語の流れもしっかりしているし、燻るアラサーの苦しみや、色んな事情を抱えた人とのやりとりから見えてくる成長、そして、素直じゃなくともしっかり努力できる結子の姿にホッコリさせられた作品だった。

…ただ、田中屋と田舎屋の件。

だったら変な嘘つかずに、その時そうだとちゃんと言えば良かったでしょう(笑)!!

MAR