劇場公開日 2020年12月18日

「☆☆☆☆ 原作読了済み。 原作を読みながら最初に思ったのは、「如何...」私をくいとめて 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0☆☆☆☆ 原作読了済み。 原作を読みながら最初に思ったのは、「如何...

2024年3月9日
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☆☆☆☆

原作読了済み。

原作を読みながら最初に思ったのは、「如何にも女性作家が書きそうな、《女子あるある》に彩られた内容だなあ〜!」…と言う事。
松岡茉優の演技が素晴らしかった『勝手にふるえてろ』に近く。いわゆる同性からは支持されるものの、ストーリー性には大きく欠けているので、個人的には「大して面白くは無いかなあ〜!映画化されても微妙だなあ〜!」…としか。

でも直ぐに「のんちゃんだからなあ〜!」…と。結局は公開直後には劇場へ、、、

、、、とは個人的な事情で叶わずでしたが。意外にも好評な意見を数多く見かけ、居ても立っても居られず、年明け直ぐに劇場へと駆けつける。

既に述べた様に。原作の殆どの部分は、半ば自分に対して強制的に読んでいたと思う。
ただ…後半の部分で、「あ?これってひょっとして?」…と、思い当たる有名な作品を2〜3思い出してもいた。

あくまでもこちらの想像の範囲ではありますが。〝 自分にとっての大事な人が居なくなってしまう、、、かも知れない。

《それに対する大いなる恐れ》

………これって、『ドラえもん』の最終回であったり。又は『時をかける少女』等の要素が入ってはいまいか?…と、読みながら思い至る。
但し、例え当たっていたとしても。原作者本人は、全く意識はしておらず。書きながら、偶然にそうなってしまったのではなかろうか?…と。

映画はほぼ原作通りに進む。若干の変更点は勿論あり。ディズニーランドは東京タワーへ、原作前半に有る歯科医師との食事は映画後半へ。

意外だったのは吉住の登場(まるでその後のブレイクを予見していたかの様に)から続く、先輩に対する怒りの叫びで。この2つは原作には無い場面。
この連続コンポから続けざまに展開されるのは、〝 あのヒット曲 〟(原作にしっかりと有る)の素晴らしい使い方。
更には、◯◯愛の登場に至り。あの〝 大ヒットドラマ 〟フアンならば、知らず知らずのうちに感動させられる事になる。
その際に、私が1番驚かされたのが、唯一無二の親友との関連性。

原作には、何故【A】が登場する事になったのか?は、一切説明されない。
勿論、映画の中でもその疑問点に対しての答えは一切しない。

………だが、、、2人は学生時代を思い出し、お互いの肖像画を描くのだが、、、その刹那!

、、、、、ひょっとしたならばこの2人!

親友に【その想い】が有ったのか?は分からない。
みつ子は本人にも、映画では本当に【その想い】が有ったのか?も、一切の説明は無い。
当然原作にも【そんな雰囲気】を臭わせる描写は無いし。映画本編でさえ、そんな描写は一切無い。
だがしかし、映画を観ているうちに【ひょっとしたなら?】という匂いが、それとなく漂って来る。
親友が言う「妊娠したよ…」の台詞から、2人の間に何となくだが仄かに香って来る。

あくまでも…そうあくまでも、【それは】映画を観ている観客に対して投げ掛けられる、監督からの質問状に他ならないのだけれど。

誰にも言えない【その想い】を、長年に渡って内に秘めていたからなのか?自分自身での肉体と精神のバランスを崩し。その結果として【A】の存在が出来上がってしまったのではないだろうか?…と。
原作を読んでいただけに。この辺りの演出は全く予想外で、1番の驚きでした。
意識しての演出だったならば、これは本当に凄い!

だからなのか?原作だと、みつ子は30代のお局に入りかけた年齢だが。※ のんの実年齢(27)に近い25歳前後(「卒業から2年」の台詞が有った筈)となっていた。
ここはやはり原作通りだと、単に恋愛に疎く痛すぎるOL像が強く出過ぎてしまうからでしょうか?

話はクライマックスに近付き、ホテルでのみつ子の感動的な叫びから、遂に【A】の存在そのものが!
何しろ、それまでの声がイケメンのあの人だった、だけに、、、
椅子から転げ落ちる人が居るやも知れない💦

がしかし、これは原作をも遥かに乗り越えて来た傑作だと確信しました。
何よりものんか素晴らしい!

2021年1月2日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン3

※ 鑑賞当時の年齢

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松井の天井直撃ホームラン