劇場公開日 2020年10月23日

  • 予告編を見る

「寂しさが残る作品でした」ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0寂しさが残る作品でした

2022年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ザ・バンドの誕生から解散までを描いたドキュメンタリー作品。
劇場で観ようと思ってたら、すぐ終わっちゃって。
そしたらすぐプライムに上がってきて驚きました。
バンドはカントリーとブルーズが混ざったような音で、大好きなバンドなんです。
あの「Last Waltz」を撮ったスコセッシが、製作総指揮としてクレジットされてるのも憎いですね。
それにしてもこれ観ると、改めてボブデュランとの絆の深さがわかります。
青春時代とも言えるビッグピンク期など、こうしてフィルムで観れるのは嬉しいものですね。
中でも「The Weigh」の誕生した話がとても興味深かったし、皆話す顔がキラキラしていた。
でも幸せな時間は永遠ではなく、アルコールとドラッグで段々と歯車が狂ってくるんです。
ロビーとメンバーの間に徐々に溝ができてくる頃ですね。
こうなって来るともうどうしようも無かったのでしょう。
あとこの作品、ロビーロバートソンの自伝を元に作られているので、どうしてもバンドに対して俯瞰に描かれてい無いように感じてしまいます。
これはしょうがないんでしょうけど、観ていて少し引っ掛かりがあるんですよね。
そうして迎えたウインターランドでのライブ。いわゆる「Last Waltz」です。
この時の皆んなの思い出がじわじわと胸にきて、映画だけど終わらないでほしいとさえ思うようになっていましたよ。
この、大切な何かが消えていくような終盤のまとめ方は良かったです。
偉大なバンドである再認識と、どうにかならなかったのという寂しさが残る作品でした。

白波