劇場公開日 2020年10月10日

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わたしは金正男を殺してないのレビュー・感想・評価

全31件中、21~31件目を表示

5.0あまりにも大胆な暗殺の裏に潜む途方もない闇に戦慄する力強いドキュメンタリー

2020年10月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2017年のクアラルンプール国際空港で白昼堂々実行された金正男暗殺。実行犯はインドネシア人のシティとベトナム人のドアンという若い女性。顔面にVXを塗りつけて殺害するという大胆な手口、防犯カメラをしっかりと睨みつける仕草からプロの暗殺者かと思われたが実際の彼女らはそれぞれの国で貧しさから逃れてささやかな自由を夢見る普通の女の子だったという話。

事件当時日本にいなかったのでこの事件の概要をぼんやり知っていた程度でしたが、この2人の無実を立証すべく奮闘する弁護士と事件の裏側に潜む極めて政治的な意図を追うジャーナリスト達が丹念に積み上げていくエビデンスから浮かび上がってくるのは、信仰深く真面目な女性が巻き込まれる暗殺計画の途方もない狡猾さと北朝鮮と中国、ベトナム、マレーシア、インドネシアといった諸国間の外交バランスの危うさ。映像を通じて実行犯の2人に対して勝手に抱いていた印象が180度ひっくり返されて予想だにしなかった結末と後日譚が涙で滲みました。

とにかく驚かされるのは2人があまりにも無邪気なので犯行に至るまでと犯行後の映像や言動が防犯カメラだけでなくSNSにも大量にアップされていたこと。有名になりたい、お金を稼ぎたい、そんなありふれた願望があっさりと利用されていく過程がしっかりと残っているのが救いである一方で、他人事として事件を見ている自分達もいつ何時同じような目に遭うか判らないという距離感が定かでない恐怖が背筋を駆け抜けました。物凄く力強い力作です。

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よね

1.0日本のTVの特番の方が、もっと真実味がある

2020年10月18日
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鑑賞方法:映画館

北の情報は、やはり闇の中!でした。
映像では、随所にSNSのやりとりが、Line風に出てきますが、あれは、真実っぽく見せる新種のテクニックですね。
ただ、ベトナム人のドアン・ティ・フォンが釈放され、自国の空港に着いた時の映像は、この事件がどう工作し、仕込まれ、展開したのかを、感じさせる。怖さを感じた!

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SkyLock

3.5R・I・P

2020年10月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

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労働4号

4.0忘れていた事件でした

2020年10月15日
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鑑賞方法:映画館

マレーシアの国際空港でおきた暗殺事件。実行犯として逮捕された実行犯の女性2人の逮捕から裁判までの顛末。結局、一番気の毒なのは殺されてしまった金正男氏でした。

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劇場の天使2

4.5人事とは思わず、より自己防衛の意識を

2020年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

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J24

2.5政治的、裁判的なことはさておき、、

2020年10月15日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

知らない人に悪戯してそれなりの報酬が貰える、などという楽なアルバイトを、疑わしいと思う良識を持つことが、自らを守る術である。

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一言レビュー

3.0超法規的措置に振り回され続けた司法当局と被告人たち

2020年10月15日
iPhoneアプリから投稿

残念ながらマーレーシアには公平な司法制度など存在しないことを認識させられた。

事件後からマレーシア政府は、友好国である北朝鮮(事件後、急速に両国関係は悪化したものの、いまは関係修復した模様)側の容疑者の早期国外退去を許す「超法規的措置」に踏み切る。

事件の首謀者グループを裁く機会を失った当局側は、実行犯にターゲットを絞ったのは当然の帰結。裁判の論点は2人に殺害の意図があったか否かの一点。ただ、有罪、処刑ありきの裁判の進展に絶望感が漂う。

第三者が真実にアプローチすることは本件においても相当困難な状況ではあるが、事件の状況や本人たちの供述をみると、二人にとても殺害の意図があったようにはみえない。日本だと、過失致死の罪に問われそうだが、マレーシアの法律はかなり様子が違う様子。

その後の裁判の顛末ついても、またしても関係者は超法規的措置に振り回される。被告の二人にとってはハッピーな結果であるが、プロセスだけをみると何ともやりきれない気持ちにさせられる。帰国後の二人の様子からも複雑な思いが読み取られる。

もし被告が日本人だったら、日本政府はどのような対応をとるのだろうか。
また舞台がマレーシアではなく、中国のような大国でも同じ超法規的措置は許されるのか。
ふといろいろ考えるとおそろしい…。

作品の論点は裁判の行方のようでいて、本質的には国家のパワーバランス、外交交渉のリアルがメインテーマなのか。

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atsushi

4.0結局何も解決していなかったんだ…

2020年10月14日
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鑑賞方法:映画館

実に興味深いドキュメンタリーでした。
結局あのふたりはどうなったのかと思いつついつのまにか忘れていた…。実行犯の人生環境やそれぞれの国の立場とか浅くはあるが、そーだったんた、と納得。北朝鮮の不条理さを改めて痛感。

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peanuts

3.0真面目に観た

2020年10月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

国際空港で、多くの人の目の前で、北朝鮮の要人が、白昼堂々と暗殺されるという事件の、裁判を追ったドキュメンタリー。

「面白動画を撮るから出てみないか? "背後から近づいて顔にベビーローションを塗ってビックリさせる" という動画が、日本では大ウケなんだ」と誘われ、将来の女優を夢見て参加したばっかりに、殺人の実行犯として逮捕された、ベトナムとインドネシアの二人の女性が、死刑となってしまうのかどうかを観続ける。

最後まで、暗殺の主体としての関与が噂された北朝鮮は裁判という表舞台では、まったくその関与を問われることなく終了することを、ずっと記憶しておくことが大切なんだろうな。こうやって映画にして残すことの価値を思って、多少飽きのくる流れも受け入れようという気持ちになった。

ためになりました。

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CB

3.0現実の”完全犯罪”とは、ここまで後味の悪いもの

2020年10月14日
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最初はお気楽に見ていた。
真偽は別として、田舎から出てきた少女たちが、いかにして彼の国の最高指導者の兄の殺人犯に仕立て上げられ、国際社会のトップニュースに躍り出たのか。
そして彼の国の工作員がいかにその実行に抜けがないよう、冷酷に作戦を練ってきたのか。
事実は小説より奇なりだなぁ、なんて思いながら、ボーンシリーズや007なら数分で終わるシーンの裏側を見るかのように、壮大なスパイ大作戦として見ていた。

その時までは、もちろん彼女たちの不遇に同情しつつも、あくまでスクリーンのこちら側の人だった。

ところが、

後半に彼女たちの顔に希望の光が差し込むにつれ、反対に猛烈な苦さを口の中に感じだす。

“完全犯罪だった”というフレーズが出てくるが、まさにあの当時ニュース映像を見ていた我々は、そしてスクリーンでこうして振り返っている我々は、
いつのまにか傍観者ではなく、白昼堂々の処刑の観客席に座らされていたことに気づく。
そしてまんまと筋書き通り、こんな日本に住む小市民ですら彼の国に対する恐怖の念を植え付けられ、国家間チキンレースの前に無力を感じさせられているのだ。

こうして彼の国は、ただのロケット好きなチンピラではないことを証明し(もっとずいぶん恐ろしい)、おかげで?各国の首脳とにこやかに会談し、今日も元気にいつのまにか増殖している軍事パレードを見せつけている。

少女が帰国した際に見せた、夢から覚めていない笑顔に全く救われず、そして悪人は誰もいなくなった、余計に苦さが残る余韻を味わう。

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donmai_honamata

3.0暗躍と闇が蠢く暗殺事件の深層

2020年9月26日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

白昼の空港で、若き独裁者の異母兄が2人の若き女性に殺される。まるでサスペンスフィクションのようなお話が、金正男暗殺事件として現実となってしまった。
裏で暗躍していた者たちは相次いで消息不明となり、残されたのは実行犯の2人の女。でも彼女たちは、それがイタズラ動画の撮影としか認識していなかった。
まさに謎が謎呼ぶ殺人事件。首謀者と目される独裁者は近年、世界各国に歩み寄りの姿勢を見せ出している。果たしてそれは本心か否か。
事件の全容は闇に葬られたまま。しかし終盤、謀略の犠牲となってしまった女性たちが、唯一と言っていい光を掴むのが救い。

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regency