劇場公開日 2021年8月27日

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「これは………アカン………」劇場版 アーヤと魔女 ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5これは………アカン………

2024年3月15日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悪評は耳にしてはいたが、ここまで酷いとは思わなかった。

一応、良かった所を言うと、
ジブリにしては珍しく声優に違和感が無かった。
特に、アーヤ役の平澤宏々路さんは素晴らしかった。
また孤児院のアシスタントさんは、「千と千尋の神隠し」の千尋役の柊瑠美さんというのも地味に嬉しいキャスティング。
あとは、本編82分という短さだったのもせめてもの救いだった。

ところがそれ以外は、挙げたらキリが無いほどの欠点だらけ。
全編フル3DCGの時点で正気を疑うレベルだが、とにかく汚いものの描写が多すぎて単純に言って気持ちが悪い。
せっかく舞台が魔女の家なのだから、もっと派手なエフェクトの魔法のCGの場面も入れるなりしてバランスを取ってほしかった。
と言うかそもそも、タイトルに「魔女」とついておきながら魔法のシーン自体が極端に少ない時点でどうなんだと思う。

あと、肝心の主人公のアーヤに全く好感が持てない。
完全に顔芸な場面も多く、更にこのひん曲がった性格も相まって取り付く島もない。
「クソつまんない」という発言を発した時は耳を疑った。これが、これがジブリのヒロインなのか?ジブリ作品でこんなキャラクターなど見たくない。しかも主人公で。
着替えの際の「こっち見ないでよ」なんてセリフとか、何年前の萌えキャラだよ思った。

せめて、ストーリーくらいは…とは思ったが、これも全然面白く無い。
本作でのアーヤの目的はというと、意地悪な養母に一矢報いるという、実に小ぢんまりとしたもの。
こんなミニマムなストーリーで丸々、本編を使うのはさすがに物足りなさすぎるだろう。

あとは、全く回収されずじまいの疑問点の多さも不満。
アーヤの母親が追われていた理由。アーヤの父親。12人の魔女とは何だったのか。ミミズの罰とは。
いくら原作が未完の作品だからって、ここまで何もかも投げっぱなしとは。そもそも、そんな扱いが難しそうな作品をチョイスする時点で…

こんなことは言いたく無いですが、率直に言ってジブリ作品でワーストです。
これが歴代のジブリ作品の一覧に加わってしまうという事は悲劇以外の何物でもないでしょう。

ガッキー