劇場公開日 2020年6月20日

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「思春期の歯痒さを思い出す」はちどり(2018) Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0思春期の歯痒さを思い出す

2021年9月9日
iPhoneアプリから投稿

【はちどり】 2018 韓米合作

時代背景がソウルオリンピック前、民主化されて間もない混乱の時代。経済が飛躍的に伸びて建設ラッシュ… 人々はどこかせわしない。どの国もこんな時代があったような…

14歳といえば、まっすぐで傷つきやすく、大人への不信感が爆発してたかも。ウニの気持ちがすごくわかる。
うちも父が封建的で、時々「親に向かってその態度はなんだ」とビンタされてたから。
でも、ムカつく父でも、ふとした時に優しいところもあったし、ウニ達と同じように、よく一緒に食卓を囲んだ。喧嘩したり揉めても、一緒に夕飯を食べた。今思えばあれが良かった。あれが全くない家だったら、グレてたかもしれないと思う。
世の中は矛盾だらけ。理不尽だらけ。
周りがみんな敵に見えるような思春期。

ウニが可愛い。みずみずしいとはこのこと。
(なんでこんな自然な演技なの??日本にはいない)

さすが女性監督、目線が優しく、メッセージがジワジワくる。

ヨンジ先生との出会いが大きかったですね。
人は、誰に出逢うかで運命が大きく変わることがありますね。
ただ話を聞いてくれるだけでもいい、ちゃんと目を見て、一人前に扱ってくれるだけでいい。
ウニの心の拠り所になっていた素敵なヨンジ先生。
私も誰かのヨンジ先生になれたらいいなとも思った。

【人生は不思議で美しい】
【人と出逢い、何かを分かち合う事は素晴らしい】

ヨンジ先生、ありがとう

ウニの人生のほんの通過点ではあるけれど、私たちにもたくさんのことを示唆してくれる映画。

パラサイトが「動」なら、これは「静」
韓国映画の奥行きを見ました。

Mariko
マサシさんのコメント
2023年10月29日

おはようございます。以前も共感させていただきましたが、今回私の好きな『ピアノレッスン』のレビューに共感いただきありがとうございます。貴殿のピアノレッスンのレビューを読んで、お礼をしようとしたのですが探せず、こちらで失礼いたします。ありがとうございました。では。

マサシ