劇場公開日 2020年11月6日

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「老いの妄想を面白可笑しく!」おらおらでひとりいぐも 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0老いの妄想を面白可笑しく!

2022年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

岩手弁って心地良いべさ!
方言語りがなんともユニークだ。
原作は若竹千佐子の芥川賞を受賞した「おらおらでひとりいぐも」
この言葉は同郷の詩人・宮沢賢治の詩の一節から取られている。
賢治の「おらおらでひとり逝ぐも」を「私は私でひとりで生きて行く」の意味に変えている。ちなみに方言は岩手弁(遠野弁)

2020年。監督は沖田修一。
映画は幻想譚的映像を多用していて異色の老年期ファンタジー。
人間(私)が一番長く対話する相手は、自分(自己)だと思う。
なので、
…………おらだば、おめだ。おめだば、おらだ。
この心境、グッと来た(笑)
大した事件は起こらない。75歳で数年前に夫を亡くして一人暮らしの日高桃子さん
(田中裕子)の日常(病院→図書館→ほぼ庭と居間→が全世界)を、ファンタスティックに描いています。
寂しさ1=濱田岳
寂しさ2=青木崇高
寂しさ3=宮藤官九郎、
の、3人は日高桃子の脳内キャラクター。
彼らは道化。そして狂言回し。
桃子を肯定したり否定したり、
または励ます応援団ですね。
(原作に登場するかは?ちょっと不明です・・)

若き日の昭和の桃子と夫の周造を、蒼井優と東出昌大が演じています。
若さはチカラダー!!魅力的なおふたりさんです。

難点を言えば、あくまでも平凡な主婦の75年。
方言と幻想的映像(マンモスや、寂しさ1、2、3などの)で描いてますが、
根底は孤独と戯れる平凡な主婦のモノローグ。
岩手から東京に家出しても、結局は好きな男の手の中。
自立も自活も叶わぬ平凡な女の一生。
感動も限定的とも言えます。

幻覚と、まだら呆けの一種とも思える幻想的味付けが、
不思議と印象には残る映画でした。

琥珀糖
みかずきさんのコメント
2023年1月12日

コメントありがとうございます。

高みを目指して頑張って下さい。
期待しています。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき
みかずきさんのコメント
2023年1月12日

本日、本作レビューをこちらのサイトに投稿しました。

主役の田中裕子の演技、佇まいが素晴らしまったです。
主人公らしいやり方で、自然体で、老後の孤独の向き合っていく姿がGoodでした。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき