劇場公開日 2021年4月2日

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「国家の正義とは何なのか…❓」劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0国家の正義とは何なのか…❓

2021年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

テレビドラマは、ほんの少しかじっただけで、あまり詳しくは内容を把握していなかったが、映画化と聞いて、先日のスペシャルドラマだけは観てから、鑑賞。内容的には、韓国のレメイクらしく、二転三転したサスペンスとして、飽きないで観終わった。しかし、スケール的には、二時間ドラマ枠で十分だった。

時代を超えた無線機を媒体として、大山と三枝がそれぞれの時代の情報を交換し、事件解決に結びつける内容は、テレビドラマの通り。今回は、あの『サリン事件』を模した事件から端を発し、その後に続く、議員や警察幹部の殺人事件についての真実に迫っていく。国家とか警察とか、権力を持つ者は、いったい誰の味方なのか…? 真実を折り曲げるような圧力や隠蔽は、私たちの知らないところで、常にあることなのかもしれない。

意外だったのは、これまで謎の中心にいた人物が、毒薬『ヘロン』によって、次々と抹殺されていくくだり。まあ、そこまでしてしまうと、動機も思った通りで、犯人も見え見えとなるので、それ以上のサプライズはなかった。

坂口健太郎も頑張っていたとは思うが、顔立ちや振る舞いがスマート過ぎて、刑事としての泥臭いシーンでは、迫真の演技として、観る者の心を掴むほどではなかった。特に、あれだけのケガを負いながらの格闘シーン後の演技は、あまりに嘘くさい。

また、大山役の北村一輝も、無謀な正義感を振りまく若手刑事役としては、髪の毛を降ろして若作りしていたが、やや歳を取りすぎていたのではないだろうか。

と、突っ込みどころはいろいろあるが、テレビドラマの『シグナル』ファンにとっては、これまでの謎と新たな事件が結びついた、二転三転するサスペンスとして楽しめると思う。

bunmei21