劇場公開日 2020年11月6日

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「過度な期待をせずに」トルーマン・カポーティ 真実のテープ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0過度な期待をせずに

2020年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

寝られる

トルーマン・カポーティといえば、個人的には作家というよりも『名探偵登場』での怪演技俳優というイメージが強い。
当の本人もかなり個性的だったんだろうなというのは、伝記映画『カポーティ』からも伺い知れるが、本作では家族や友人、関係者の証言をベースに、彼のパーソナルな部分をひも解いている。
「カポーティを“演じて”いた」という友人の証言が示すように、セレブリティで派手な生活を送る一方で、愛する人との離別や作品づくりの苦悩が浮き彫りになっていく。
ただ、その要となるはずの証言エピソードや秘蔵映像が見聞きしたことのあるものばかりで、目新しさに欠ける。カポーティにあまり詳しくない自分でもそう思ったぐらいなのだから、筋金入りの彼のファンなら「何を今さら…」と思うかも。
そもそも、なぜ死後36年という半端な時期にカポーティのドキュメンタリーを作ろうと思ったのか。未完の絶筆『叶えられた祈り』に関する最新情報が出たのを踏まえてのドキュメンタリー製作かと思っていたこともあり、何事も過度な期待はしない方が無難だとあらためて実感。

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