劇場公開日 2020年6月12日

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「二次大戦ドイツ、戦争の背景と犠牲について考えさせられる映画。」コリーニ事件 ころんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5二次大戦ドイツ、戦争の背景と犠牲について考えさせられる映画。

2022年12月2日
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フィクションですが、なかなかノンフィクション的な雰囲気のある映画。
見ごたえありますし、考えさせられます。
二次大戦のドイツ市民の背景を勉強するには非常に良い映画です。

現実に似たようなことがありそうだな~と。
見た後は、重い、重すぎるため、見たことを忘れていました。

戦争と一言で言っても置かれた立場と状況で全く異なりますよね。
第二次大戦に限らず、私たちが教えられている戦争の事実は本当に真実なのか?
改めて考えました(戦争以外でも真実は見つけにくい)。

戦争というものを考えるのには、とてもいいフィクションの映画だと思います。
ですが、現実にありそうで可哀そうで、見た後は気分が重いです。

戦争や内戦の背景も色々ありますよね。

【ロシアとウクライナ】
東ドイツが西ドイツと統一されたとき、アメリカ(西ドイツもかな?)はソ連と約束をしました。
「これ以上の東方へのNATOの拡大はしない」と。
こうして、ソ連の許可を得て、ドイツは統一されました。

ところが、今は、その約束は守れていません、ロシアは怒りました。

【イスラエルとパレスチナ難民】
第二次大戦のころ、ユダヤ人は西欧人として同化している人たちと、シオニズムを重要視する人たちとに二分化していました。

収容所に運ばれていくユダヤ人とは別に、シオニズム重要視のユダヤ人は船でイスラエルに運ばれていきます。

また、イギリスはユダヤ人(シオニズム系)には、「パレスチナをユダヤ国家とすること」を約束します。その一方ではアラブ人にも「アラブの国家独立」も約束します。

多くのユダヤ人がパレスチナに来て、アラブ人を追い出しました。
こうしてパレスチナ難民が生まれました、アラブの国家は作られていません。
ガサ地区のアラブ人は気の毒です。

本のレビューに「ユダヤ人だって同じことをイスラエルでしている」、と書いてあったのを見たことから、少し調べて事実をしりました。

イスラエルが、何故、国家として認められないのかを初めて知りました(最近は認める国も増えましたね)。

ユダヤ人が侵略し、パレスチナからアラブ人を追い出したことを知りました。そのやり方が酷かったことも。

第二次大戦中のドイツではユダヤ人迫害が行われてもいましたが、
時期同じくして、イスラエル建国のために船で運ばれていたユダヤ人も多くいました。
なんとも、やるせない現実です。

【レビューまとめ】
コリーニは完璧フィクション映画ですが、実によくできたフィクション映画です。
戦争の背景にあったできごとに焦点を当てています。

戦争の後片づけ、いまだ終わっていないことが多いですよね。
日本の憲法は戦後アメリカが作ったという話は、本当なのでしょうか?

日本の戦争も終わっていないな~、とか。
映画見終わった後に、ぼんやりと考えました。

一緒に見た旦那と、無言で映画館を後にしました。
旦那は可哀そうだと何度か言っていました。

見た後の気分は軽くはないので、気持ちが元気なときに勉強のために見るといいかも。

ころん