モルエラニの霧の中

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モルエラニの霧の中

解説

北海道室蘭市の美しい風景とともに失われていく街の記憶をめぐる物語を、7話連作形式で描いた作品。タイトルの「モルエラニ」は、北海道の先住民族であるアイヌの言葉で「小さな坂道をおりた所」という意味で、室蘭の語源のひとつとされている。街で出会った人びとから聞いた実話をベースに、5年の歳月をかけて撮影。第1話・冬の章「青いロウソクと人魚」、第2話・春の章「名残りの花」、第3話・夏の章「しずかな空」、第4話・晩夏の章「Via Dolorosa」、第5話・秋の章「名前のない小さな木」、第6話・晩夏の章「煙の追憶」、第7話・冬の章「冬の虫と夏の草」の7つの物語から構成され、地方都市に生きる人びとの姿が優しいまなざしで描かれる。大杉漣、大塚寧々、香川京子、小松政夫、水橋研二、菜葉菜らのほか、室蘭の地元の人びともキャストやスタッフで多数参加している。監督、脚本、音楽は長編デビュー作「美式天然」で第23回トリノ国際映画祭グランプリと最優秀観客賞を受賞し、東京から室蘭へと移住した坪川拓史。

2020年製作/214分/日本
配給:T-artist
劇場公開日:2021年2月6日

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映画レビュー

4.0珠玉の連作短編7話、計3時間半の詩情あふれる室蘭発ムービー

2021年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

室蘭市をはじめとする北海道・西胆振地方のため息が出るほど美しい風景の数々と、土地を愛する人々の記憶を刻んだエピソード。7話構成のオムニバスで計214分と尋常ではない長さだが、大勢の人々の思いが伝わってくる大労作であり、詩情あふれる映像にゆったりと心を委ねる鑑賞体験は格別だ。

室蘭生まれの坪川拓史監督は1990年に上京し、初長編「美式天然」のトリノ国際映画祭グランプリと最優秀観客賞をはじめ内外の映画祭・映画賞で高く評価されてきた。2011年に室蘭へ帰郷し、本作の撮影を2014年に開始して5年越しで完成させたという。在りし日の小松政夫さんと大杉漣さんの味わい豊かな演技が収められた点でも感慨深い。

個人的にも母方の親戚が室蘭にいる関係で何度か訪れたことがあり、イタンキ浜や室蘭港などで撮影されたシーンに懐かしさがこみ上げた。一方で予告編にも登場する「崎守町の一本桜」など知らなかったロケ地も多く、室蘭のさまざまな魅力が詰まった映画を作ってくれたことへの感謝をすべての関係者の方々に申し上げたい。

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高森 郁哉

3.5年を重ねた方が良さがわかりそう

2021年5月22日
Androidアプリから投稿

泣ける

悲しい

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kd

3.0寂れゆく街が主人公

2021年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

室蘭在住の友人に勧められて「大杉漣さんがでているんだな~」ぐらいの気持ちで観に行った。
物語が進むにつれ、この映画は「室蘭」が主題で、「室蘭で撮ったらこうなりました」的な映画なのだと気が付いた。
幻想的な映像が素敵だったし、センチメンタルな音楽も映像にあっていて抒情的が倍増!?
北海道出身の私の知らない室蘭がいっぱい。
一つ一つのエピソードが心に染みる映画だ思う、けど長い!
ここまで長くする意味は?

と、映画好きの娘に話したら
「まるでニューシネマパラダイスみたいだね。」だって。
「スピード感のある映画ばかり観ているからそんな風に感じるんじゃないの。」とも。
それはあながち間違いではないが。

途中休憩が入ると気持ちが切れてしまったので-0.5ポイント。

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Jo

3.5R-60映画

2021年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「後味悪いまま逝く」
死に向かっていく老人の映画です。R-60指定が適切でしょう。映倫さん、いかがでしょうか。

7つの話がそれぞれに絡み合って、時間を越えてつながっています。ちょっと目を離すと分からなくなります。その間に意味不明のカットが挿入されていて、余計に時間が長く悠長に感じます。もう少し短く編集できなかったのでしょうか。

モノクロとカラーの部分が交互に現れて、最初はその意味が分かりませんでしたが、だんだんと意図が読めるようになりました。
「室蘭はカラーで撮影すると、あんなに綺麗に映らないからモノクロにした」と解釈しました。

室蘭が「老いて徐々に死にゆく街」として描かれていると受け取りました。

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PAK UNTIK
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