劇場公開日 2020年9月18日

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「生態の時間は逆行する?」TENET テネット abokado0329さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生態の時間は逆行する?

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

時間が逆行した世界に存在したらどうなるかと誰しも(?)想像はするけれど、実際に映画で表現できるのはやっぱり凄い。銃撃シーンや飛行機の爆破シーンとかこういう風になるのかと単純に驚いた。
ただ『インターステラー』では愛を人間の発明とするなら、心も人間の発明になると思ったように、本作でも時間が逆行する時間で存在した場合、人間の生態の時間はどうなるかとも思ってしまった。胃の中に入った食べ物は口から出てくるのか、記憶は忘却していくのか、そこらへんが逆行の時間を短時間にすることで無視しているように思われた。でもきっとノーランは天才だから、そこらへんも考えているとは思うけれど。

「親子の別れ」は主人公の物語ではないにせよ導入されているし、「人間不信」も物語のベースにある。未来の人間も信用ならないんですか…武器商人のアンドレイが息子を生んだことを後悔することから、反出生主義の思考もノーランの中にはあるのかと悲しくなった。

物語の整合性はマルチ・バースということでよいのでしょう。ファーストシーンから主人公の時間は時制に沿って流れているが、友の時間と次元を操作することで時制を崩しているのでしょう。私が経験する時間・世界の埒外でもしかしたら過去や未来の別次元の私が存在している可能性はある。それを経験することは不可能だから、もしかしたら本作の世界線は既にあると想像してもおかしくはない。

本作の考察は他の誰かの仕事だ。だからエリザベス・デビッキがあまりにも綺麗だったといって終わりにしたい。

田沼(+−×÷)