劇場公開日 2020年6月12日

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「ツッコみは野暮。不思議な世界観で贈る、痛快アクション時代劇!!」死神遣いの事件帖 傀儡夜曲 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ツッコみは野暮。不思議な世界観で贈る、痛快アクション時代劇!!

2020年6月17日
PCから投稿

悲しい

楽しい

単純

【賛否両論チェック】
賛:陰謀渦巻く江戸を舞台にした主人公達の活躍が、純粋に痛快。大切なものを守るための主人公の戦いや、死神との一風変わった絆も、思いのほか感動を誘う。
否:物語の世界観自体は、かなり好みが分かれそうなところ。展開もかなりのご都合主義で、案外先読み出来てしまう感も。

 死神と契約し、力を使う“死神遣い”を描いた本作。アクションシーンなんかは、ともするとヒーローモノを彷彿とさせるような演出もあるので、まずはその一風変わった世界観に、好き嫌いが結構分かれそうなところです。
 そうした中で描かれるのは、主人公・幻士郎にまつわる過去と、死神・十蘭との絆の物語。浮ついてはいても、大切なものを守るために、命懸けで死闘を繰り広げる幻士郎の勇姿や、そんな幻士郎に半ば呆れながらも、次第に確かな信頼関係を築いていく十蘭の哀愁漂う姿が、ストーリーをより一層感慨深いものにしているようです。
 主人公達が行き詰まったところに、丁度上手い具合に謎解きのヒントが現れたりする辺り、展開はかなりご都合主義ですし、ある程度先読みも出来てしまいそうですが、それを言うのは野暮というもの。お話もリンクしていますので、是非映画と舞台とセットでご覧になっていただくのをオススメします。

映画コーディネーター・門倉カド