劇場公開日 2022年2月18日

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「舞台劇テイストなリベンジサスペンス」マヤの秘密 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5舞台劇テイストなリベンジサスペンス

2022年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

単純

過去にナチスから暴行を受けた女性マヤが、加害者と思しき男を拉致し、自白させようとするが…
ホロコーストがテーマの映画は毎年のように作られているが、本作がそれらと異なるのは、マヤがロマ(ジプシー)であるという点。ナチスの迫害はユダヤ人以外に同性愛者や身体障碍者、聖職者などにも及んでいたが、ロマもその対象だったというのは本作で初めて知った。
迫害、拷問の対象となっていた者がナチスに復讐する作品は、最近だと『復讐者たち』があったが、こちらは極めて私的な復讐。マヤが監禁した男は果たして加害者だったのか?それとも…という疑念で進むストーリーは、主要人物の少なさから舞台劇っぽいなと思ったら、ロマン・ポランスキーも映画化した戯曲『死と処女』の翻案説もあると知り納得。
次第に現実と妄想の狭間に囚われていくマヤの狂気が見ものだが、オチが予想を超えないままで終わってしまうあたりが、主要人物の少なさが裏目に出ちゃったかなと。
拉致される男役のジョエル・キナマンは『スーサイド・スクワッド』シリーズの印象が強いけど、リメイク版『ロボコップ』ような苦悶に満ちた役どころが映える気がする。
原題の「The Secrets We Keep」が、“I(マヤ)”ではなく“We”の理由を知りたければ、是非ともチェックを。

regency