劇場公開日 2020年2月28日

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「【新参のプロサイクリングチーム”グリーンエッジ”の選手・スタッフの結束していく姿を数々の感動的エピソードを絡ませながら描き出す。】」栄光のマイヨジョーヌ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【新参のプロサイクリングチーム”グリーンエッジ”の選手・スタッフの結束していく姿を数々の感動的エピソードを絡ませながら描き出す。】

2020年3月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

 原題:”ALL FOR ONE”

 サイクリング・ロードレースって個人競技じゃないの?と思った方がいるかもしれない。
 が、長距離をチームで走るサイクリング・ロードレースではエースを(総合タイムで)勝たせるために、様々な戦略が取られる。

 分かり易いところでは、先頭を走る選手が順番に変わりながら走る戦略。所謂一番披露する先頭をエースを除いた他の選手が交代で務めるという訳である。

 今作は、オーストラリアで2011年に結成された”グリーンエッジ”が年々力をつけ、本場ヨーロッパチームに肉薄していく姿を様々なエピソードを絡ませて描いている。

 それにしても、時速65キロで走るツーリングレースの危険さが、随所で描かれる。(私は、安全のため、40キロを上限としている・・・。)
 ナポレオンも行進した、石畳の道を疾走するシーンは圧巻である。凸凹なので、転倒者続出。流血、骨折も茶飯事である。

 又、選手たちを支えるコーチたちの存在もきちんと描かれているのも特徴的だ。

 だが、今作の魅力はチームが年を重ねる毎に、3人の選手に順番にスポットを当てた作りであろう。

 1.エステバン・チャベス(コロンビア出身)
  グリーンエッジに所属する前、大怪我をするがプロサイクリストへの夢を諦めきれず努力し、グリーンエッジにスカウトされるも、異国人なので言葉が通じない中、笑顔を忘れず、ついに、ジロ・ディ・ロンバルディアという歴史あるレースで優勝する。
 彼の両親が涙しながらインタビューを受ける姿は忘れ難い。

 2.サイモン・ゲランス
  プロになるには難しいと言われていたが、厳しい練習を積み、とうとうツールド・フランスでマイヨジョーヌを獲得。
  が、印象的なのは彼が、ツールド・フランスで同僚のインピーにマイヨジョーヌを譲る場面だろう。それまで、ずっとチームの屋台骨として頑張ってきたインピー。戦略的な面もあったのかもしれないが、今作では数少ない漸く巡ってきたインピーのチャンスをサイモンが汲んだように描かれている。感動的なシーンである。(実際、口の悪いコーチは”ちょっと軽く”インピーを観ていた節がある。)

 3.マシュー・ヘイマー  <彼のシーンは今作の白眉であると思う。>
  ずっと、チームをサポートする(先頭を走るとかね・・)アシストの立場で頑張ってきた彼が、レース前腕を骨折してしまったため、家に戻りトレーニングを地道に積んできたレースに出場し、”奇跡の優勝をする場面”。
 コーチたちも含め皆で抱き合い大喜びをするシーンはこちらまで貰い泣きをしてしまった程である。

<新参のプロ・サイクリング・ロードレースチームが何故、短期間であそこまでの成績を残すことが出来たのか。
 それはこの素晴らしいドキュメンタリー映画を観れば直ぐに分かる。
 自転車を愛する者は必見。
 スポーツを愛する人であれば、何らかの感慨を持って映画館を後に出来る作品である。>

NOBU