はるヲうるひとのレビュー・感想・評価
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それで、なんなのか
しんどいね。離島で置き屋にいて、そこで虐げられてるけど、出ていくこともできなくて。しんどいね。途中で山田孝之が『たすけろよ!』って言うけどその通り。しんどいね、しんどいよ。ミャンマーの人の笑いは救いになるね。最後、愛も実るしね。でもしんどいね、しんどい。
とは思うものの、それで、なんなんだろうとも思うの。しんどい状況を描写して、それを観たら、なにか感じるし考えるようにもなるけど、それならドキュメンタリーでいいよね。
そしてこの話では、出てくる人たちの不幸は、置かれた状況の悲惨さからくるんじゃなくて、山田孝之がある秘密を守ったのが原因だよね。状況関係なくてミスコミュニケーションが大きい。
現実にどうしようもない、その状況にいる人が一念発起しても変えられようがない状況が増えてきているけど、それをドキュメンタリーでなくフィクションで描くなら、どう描くのが良いのかと考えたよ。
濃厚。
まあ監督の経歴から演劇的な趣になるのは仕方がない。が、演技が濃く絶叫的、なるゆえ共感するのを逡巡してしまいそうな<芝居巧者たち>の見せ場の連続。相当な満腹感がありつつも、登場人物たちの「どこにも行けない閉塞感」を表現していく演技に、見入ってしまう。クライマックスの<真相>には驚いたが、観客に<考える=理解する>いとまも与えず「だからこうなんだ」という決着へのエンジンを吹かす。
【”真っ当と、虚ろは紙一重。虚ろの横に口を入れると嘘になる・・” 笑わない佐藤二朗の狂気を纏う姿、山田孝之の哀しみを纏う姿が印象的な作品。】
ー 多分、この作品は(こういう書き方は嫌いだが、敢えて)観る人によって、感想が全く異なると思う。地元が舞台なのでお客さんはソコソコ入っていたが、途中退場する人、寝ている人もいた。
又、”R15+指定”なのも”新人監督作”としては、ギャンブルだと思う。
けれど、今作は、佐藤二朗の強い想いが込められた映画だと、私は思った。ー
■感想
・子供の頃に起きてしまった出来事により、人格や人間関係が歪になった、腹違いの、テツオ(佐藤二朗)と、トクタ(山田孝之)とイブキ(仲里依紗)兄妹。
そしてどこかの島の”売春宿”で働く、4人の”はるヲ売る人”
テツオは、只管に狂気性を漂わせ、売春婦にも、トクタにも暴力を振るう。
ー 笑わない佐藤二朗の狂気を纏う姿の怖さ、山田孝之のテツオの存在に怯える表情、態度が印象的。
4人の”はるヲうる人”を含めて、皆、どこかが壊れている。
売春婦たちの、饐えた匂いが漂ってきそうな化粧部屋の誂えや、活気の感じられない島の港の風景。ー
・が、前半の展開は、”やや嫌な感情”を持ってしまった・・。
ー で、途中退場する人、寝る輩・・。ー
・今作をグッと盛り上げてくるのは、中後半だろうと思う。
トクタに火傷を負わせたテツオが、”あの部屋”でトクタに”たまには飲もう・・、兄弟だろう・・。”と自分の”真っ当な”家庭に招き入れ、ビビりまくっているトクタにビールを注ぐシーンから、トクタの全存在を否定するような、罵声を浴びせ、唾を吐きかけるシーンの緊迫感。
(前半からテツオが登場すると、緊迫感が凄いのだが・・)
◆今作の白眉
幼きテツオが母に髪を切って貰い、母が自らの髪を切って結ぶシーンと、その後の展開及び山田孝之演じるトクタが”真実をテツオと壊れた人々に血を吐くように叫ぶ”シーンだと思う。
ー 山田孝之の役者としての凄さ、全開シーンである。ー
<初監督、脚本でこのレベルの作品を造り上げ”R15+指定”と言う不利な条件にも関わらず、世に叩きつけてきた佐藤二朗は、福田監督作でのヘラヘラした演技など微塵も感じさせない漢であると思った作品。>
◇その他
・撮影は南知多で行ったのだと、エンドロールを見て知った。
成程、それで冒頭のタコのシーンなのね・・。
- これが分かる人は、愛知県民です。 ー
体が大きくているだけで脅威だけど、ゆるキャラにもなれそうな俳優日本にもいた!
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ある島で、古びた風俗屋を営む兄弟たちとそこで働く女達の話。
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この佐藤二朗と山田孝之、仲里依紗は兄弟役で、佐藤二朗は本妻の息子、2人が風俗屋で働く女と旦那が浮気してできた子供。その父親と浮気相手が心中して本妻も後を追って自殺したので、佐藤二朗は2人と風俗屋で働く女たちにひどい扱いをしているという役。
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佐藤二朗さんって福田監督のおかしな陽気なおっさんというイメージが強かったけど、今作はそのイメージとは全く違う、胸クソ悪い役。別に演じ方はいつもの佐藤二朗さんなんだけど、役柄でこんなに気持ち悪くなるんだなと。
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私は日本人は海外の人と体格も違うから、いわゆる海外の映画で体が大きくてそこにいるだけで脅威な人だったり、韓国の俳優マ・ドンソクみたいなデカくていかついけどなんか可愛いみたいな俳優いないなと思っていたけれど、佐藤二朗さん当てはまるじゃんと気づいた。山田孝之がかなり霞んでたもんね。
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でもその山田孝之もこんな弱々しい感じの役久しぶりに見た気がしてよかった。
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脚本・監督佐藤二朗さんが担当してるということだけど、私結構好きだった。特に、最後の親たちの死の真相はそれ男からしたら1番の復讐になるよね!という感じで良いな〜。というか普通にこの話で1番の悪人って絶対父親だし。最期の言葉自分の威厳を保ちたいだけだし。
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あとはロケを愛知県の知多らへんでしてるらしいけど、名古屋出身の私でも方言が全く聞き取れなくてちょっと最初苦労した(笑).
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まさかの設定に...
予備情報をそれほど持たず、佐藤二郎の記念すべき監督作を観に行きました。設定が、まさかの禁断の黒歴史島...これ、三重県のアノ島の事だなと。そう思うと、実際のロケもアノ島でしてたりして?二郎さんは東海地区出身だから、あり得るんじゃね?みたいに、ちょっと興味津々ww
しかし何故?佐藤二郎、何の狙いだ?と。で調べると、元々舞台芝居で同作をやってたんだなと。置き屋の売春婦の悲哀をなんか上手いことドラマにしたいんだなと。しかしながら、下ネタや差別的セリフも然り、演者の特徴も然りで、色んな方面から色んな事を言われそうな作品。立派な問題作と言って良い。クス笑いや温かい空気感も入れて、なんとか観やすい作品にしようとしてるが、これは観る者を選ぶでしょ。女性は止めておいた方が賢明だな。
山田の演技は突出してたし、二郎さんは毎度のアドリブおふざけを止め非情かつ不気味な役柄で、そこは見所かと。
本気になった佐藤二朗
イオンシネマ・ワンデーパスで観賞
あんまり前情報は入れておりませんでした
山田孝之はともかく佐藤二朗は
福田雄一作品でアドリブでボケ倒してる
印象しか無く番組出演時の印象からもああいう
のほほんした人なんだろうと思っていましたが
まあこの映画では見事に裏切られました
あのボケ倒すノリでサイコな役を演じると
こうもインパクトが出るのかと
孤島でポン引き宿の面倒を病弱の妹の面倒と
一緒に「見させられている」得太は
異母兄弟であり売春婦たちや得太ら兄妹に
辛くあたる哲雄に「支配」される日々
なぜそうなったのかという理由が徐々に明かされ
ついには思わぬ真相に辿り着くことになります
哲雄は得太や売春婦らを「本当の愛を知らぬ鼻クソ」
と罵り自分は一人娘と美人な奥さんを持ち
見下してきます
しかし童貞のミャンマー人が純粋な愛を
求めてポン引き宿にやってきて
アッサリ愛を育んでしまいます
この辺の対比が笑えつつもどこか
核心を突いていたりします
この孤島という舞台もよく効いており
逃げ場のない心情や情報の閉塞さが画面を通して
伝わってくるので「どうすればいいんだ」という
得太らの叫びに観る側は気圧される事になります
佐藤二朗のおとぼけ感そのままに狂気的な
哲雄のたたずまいは恐ろしいものがあります
みくびってました
あえて買春という性のやりとりという
要素を取り入れることで欲情からむき出し感が
うかがえる部分ももっともな狙いに感じました
このへんの描写は結構面食らうので人は選びそうですが
ただ妹の病弱キャラもどこか記号的で
いまいちわかりづらい感じですし
真相自体はそれまでの経緯からすると
かなりなんじゃそりゃ感もありますが
なんか作品の雰囲気で納得させられてしまう
感じです
こないだの「ホテルローヤル」もなかなかでしたが
これも匹敵する特異的な作品でした
個人的には好きです
臭いだ。匂い漂う。
ニオイ漂う映画に久しぶりに出会えた。
妓楼の溜まり部屋の、オンナ蒸した匂いから
閉ざされた島の磯の匂い。
いつまでも、いつまでも救われない、拭えないものとして、エンディングまで感じられる。
映画館で観る映画。
将来自宅で観るとしたら
その匂いは感じられないだろう。
仲里依紗の傷だらけの演技にも感動。
スゴイ作品
舞台挨拶で観ました。
「よかった!」とは言いづらい。
誰にでもオススとはならない感じ。
(好みの人もいるでしょうけど)
ただ、
別に嫌いだと言ってるのではないけれど、
大好きとも言えない。
ただ「スゴイ!」とは言える。
演技は素晴らしいと思う。
こういうジャンルなんですかね。
申し訳ないけど大ヒットはしないジャンル。
見る人を選ぶというか。
観てもらって感想聞きたい感じです。
タコ社長
佐藤二朗が監督・脚本を務め、山田孝之を主演に迎えた本作。予告も面白そうですし、そこそこ期待して鑑賞。俳優が監督を行う映画で成功となるか...。
これはこれは、めちゃくちゃ面白い。
面白いと言っていいのか分からないが、とにかく凄かった。胸が張り裂けそうなくらい衝撃作だった。
とある島に暮らすある売春宿の3兄妹。長男の哲雄(佐藤二朗)は皆を下僕のように扱う凶悪な性格で恐れられ、次男の得太(山田孝之)は売春宿のオーナーとして女たちをまとめながら兄に搾取され、長女のいぶき(仲里依紗)長年患っている病気に苦しんでいた。
演者の凄まじさが刺さる、刺さる。
山田孝之の声を荒らげながら自分の腕で泣き叫ぶシーンが多くあるが、その演技がとんでもないほど破壊力があって本当に悲しくなる。去年はシングルファーザーやったり、門番やったりしてた人とは思えない。どこまで演技力の幅があるのか。そして、なぜ我々は山田孝之という男に惚れてしまうのだろうか。
そして、佐藤二朗までも圧巻。
監督・脚本を行いながら凶悪な兄を演じる鬼才さ。
今まで見てきた福田組の佐藤二朗とは全く違う。彼に対して笑を零すことは許されないように感じる。
特に、予告でもある「クソが!クソが!」のシーンはもう恐ろしすぎる。近づいてはいけない悪男というイメージが登場と同時に植え付けられるのはかつてなかった。
他にも長女を演じた仲里依紗、売春宿の4人の女やそこにやってくる客など全員心の底から演技をしている。
オンオフの切り替えが凄い。
とにかくこの映画、雰囲気が非常に良いので胸が苦しいのにずっと見ていられる。意外と笑えるシーンもあったりして、シンプルだけど落書きはクスッと笑えた。そんな平和はつかの間、一気に話が暗くなる。上げて下げる、という表現を非常に上手く使っており現実を叩きつけられ、ずっと重く苦しい映画よりも苦しい。
また、音楽が独特で良い。
軽快なリズムで金管楽器が鳴り響くあの音楽が、単体で聞いたら柔らかく優しいものに聞こえるはずなのに、この映画に合わせると何故か違う曲かのように思えてきて、どことなく恐怖を感じてしまう。この映画にピッタリで、音楽によって悲しさ息苦しさ憎らしさというのが語られていると思う。
そして、名言が多い。
Twitterで酔っ払いながら名言を呟く佐藤二朗ならではで、一つ一つの言葉がグッと胸に響く。「無理でも笑え」はラストにも共通しており、劇中にさりげなく出てくる「冷たいご飯」というのは愛をよく知らない彼らが唯一知る愛だと思った。暖かさは冷たさを知らない。冷たさは暖かさを知っている。深く、深く、考え深く、もう一度みたいなと思った。それと同時に舞台版も見てみたいなと思った。
ただ、余計な部分は多く見られる。
特にラスト15分は必要だっただろうか?
無理でも言いたかったのか知らないけど、わざとらしさを感じたしどうにか2つのシーンを生み出すために作った話としか思えなかった。それだったら、あんなな設定にしなくても良かったのでは?
あと、ストーリーも欠けている部分がいくつか。
もうちょっと長くして、余計な部分を排除してじっくり内容を説明して言ったらよりいい物になっていたはず。何故?という疑問が撤廃出来ない。
いやでも、すごく良かった。
見終わった直後はそうでもないのだが、見てからしばらく時間が経つにつれて色んな感情が湧き出て、何だか涙が出そうになった。胸が潰されそうで仕方ない。
タコ社長、まじでスゴいです!笑
注目作であり問題作。クセがありすぎ。近くのカップル15分で退散。受け付けない人多いと思う。【ちょっとネタバレ】
まあ佐藤二朗的に、リアルな陰湿な悪、タブーを描いたのだろう。
言いたいことも少しはわかるが、ちょっと映像の色彩も一昔前の昭和的で暗く、陰湿で、何よりも表現が直球すぎて、マ・・・とかチン・・とか・・・・・
コアな映画ファン以外の女性、カップルには無理だよ。
少ない観客の中で、同じ列のカップルが強制フェ・・・と、囲い込んでいる地味で朴訥そうな娼婦を佐藤二朗頭で踏みつけてる時点で、たまらず15分でフェイドアウト。確かに描写が人権もクソもないし、女性蔑視とも取れる表現あえて踏み込んでいるから退席する気持ちもわかる。そりゃ彼氏はいいが、彼女怒るわ。
離れ小島の置屋で佐藤二朗が囲い込んでいる4人の娼婦、異母兄弟相手にやりたい放題。極悪人。でも根がこういうやつ大きい組織には必ず1人や2人いるよなぁ。自己中心的。
せめて強制フェ・・・じゃなくて普通のセックスしてやれよと正直思う。ひどい描写だ。
唯一ユルムのは、ミャンマー人の客のシーンと向井理のサラリーマン客のシーンだけ。私、向井理 大嫌いで全く評価に値しないんだけれども、この映画の中においては数少ない「真っ当な」存在。白馬の王子かと思った。閉塞的な島。複雑な兄弟関係。売り飛ばされた強制労働としか映らない売春婦たち。
佐藤二朗の凶悪さをどう捉えたら良いのだろう?観終わって半日経った今でもよくわからない。
不思議な映画ではあるよ。今何かと森元総理じゃないけど、女性や弱者の主張がますゴミに煽られて、強すぎる時代だから、逆にこの映画を全否定する気にはなれない。重苦しい閉塞感もフィクションだからたまには良いんじゃないのかな??ただ佐藤二朗、自分だけ普通に妻子いて、そのシーンだけ令和的な現代的トーンの映像なんだけども、なんかズルいよなぁ。
あと、異母兄弟とはいえ妹犯すのと、食事の前で唾を吐くのは表現としてアウト。ぜんぜん「真っ当」ではない。
生々しい悪に徹した佐藤二朗はその点は評価できる。ただ山田孝之も仲里依紗も坂井真紀も佐藤二朗の毒気に、すっかり影が薄い。確かにお前が鼻くそだよと主人公を罵倒したくなる映画ではあるが。私は敢えて存在価値を認める。ただ現実的には明治大正時代ならともかく、ありえない設定の問題作。レずビアンの設定はついていけないさすがに。
さすが山田孝之
佐藤二朗さん。あの お笑い風の滑舌鈍そうに話す佐藤さん、彼が悪役になるとあのいつもの たどたどしい風貌が逆に恐ろしさに逆転する。とゆーか。とにかく自分は良かった。山田孝之さんの数十年役者人生の修行の成果とゆーか。うまいわぁ しかし。迷ったけど時間作って行って良かった❗
笑わせない佐藤二朗
その島には置屋が点在し、本土から来る連絡船が島への客の足となっている。ある置屋で店を仕切る長男の哲雄(佐藤二朗)は暴力を振うため皆んなから恐れられていて、次男の得太(山田孝之)を子分のように使い、客引き、洗濯、買い物などの雑用をさせている。長女のいぶき(仲里依紗)は、病でほとんど寝たきりで酒飲んでタバコ吸って一日を過ごしている。この3兄妹とその置屋で働く4人の遊女たちの話。
売春島と言えば三重の渡鹿野島がモデルなんだろうか?
遊女たちの置かれてた立場がよくわからなかったが、地元の人という設定なのだろうか?あんなにひどい扱いされても逃げない理由がよくわからなかった。
愛の無いセックス、と言ってたが、そうじゃない人も居て良かったね、なんだけど、これで何を受けとめれば良いのだろうか?
暗くて美しくもなく、坂井真紀は脱がない遊女と中途半端でガッカリだった。
山田孝之のぐうたら役が良かったのと、今藤洋子と笹野鈴々音は体を張っての遊女を熱演してて良かった。
佐藤二朗さんておちゃらけてるイメージなんですが、シリアスな役もいい...
佐藤二朗さんておちゃらけてるイメージなんですが、シリアスな役もいいですね。静かな凄みがある。特殊な場面設定、特殊な人間関係でしたが、山田孝之さん始めそれぞれの役者さんがいい味だしてました。
正直良く解らなかった作品(汗)
山田孝之さんと佐藤二郎さん目当てで観賞。
序盤からこの二人の関係が解らず。
後半でその謎が解けるんだけど、それがメインと言う訳でもなく。
緊張感のあるシーンが多めなんだけど、それが作品に影響されていなかった印象。
朝イチの観賞もあってか睡魔との戦いが凄かったです( ´∀`)
俳優たちの迫力にたまげた
戦後の日本を想像するような流れでストーリーを感じた。
どこにも逃げない今いる場所で自分の存在価値を見いだそうとする様々な人間のドラマだった。
感情より心を揺り動かされる作品に改めて拍手を。
【目を背けて来たこと】
強烈な作品を観た。
生きていくということも考えさせられる。
伊勢志摩の島に、こうした置屋の島があるという話を前に何かで読んだ記憶がある。
お伊勢参りの観光客や、名古屋など大都市の男を相手にしていたのではなかったのかと思う。
ただ、こうした性風俗と観光がセットのような場所は、島のような隔離されたところじゃなくても、日本のあちこちにあって、主に貧しい家庭で育った女性や、差別扱いを受けることの多い女性などが就労することが多いように思う。
背景には貧困や差別があり、そして常に搾取が付き纏うのだ。
僕達が日頃から目を背けがちな風景が、この作品にはある。
僕は大学の研究テーマで、国際的な貧困と搾取の問題を取り上げる際、アジアで行われる構造的な売買春についてレポートを作ったことがあった。
詳細は長くなるので省略するが、背景には貧困があり、その貧困の背景には豊かな国が貧しい国を更に搾取するという構図が明らかにあるのだ。
本作は、行き場のない得や女達が、必死で生きる様が描かれている。
母親が女郎。
差別。
貧困。
外界に解決策を求めることが出来ない閉塞感と苦悩。
搾取。
暴力。
異常とも取れる愛。
性欲を満たすためだけに訪れる男達。
だが、そのなかにあっても、笑いやささやかな幸せはあり、それを噛み締めるように笑ってみせる様は切ない。
国際的な構造的売春問題は、先進国や、先進国をベースにした国際的企業が、発展途上国を搾取するような状況から早く脱却すべきだと思うし、それは大きな解決方法だ。
しかし、この作品に描かれたようなものはどうだろうか。
本来は、貧困や差別がベースにあり、細かく言えば、家庭内暴力や、性的暴力を受けたような行き場を失った女性が働くことが多いかもしれないし、これを容易く受け入れるのは搾取を厭わない連中で、それに群がる男性が多くいることが要因なのだから、無くなる方が良いに決まってるとは思うし、実際に、社会からこぼれ落ちそうになっている女性をサポートするNPOもある。
僕も、こうした弱い立場の人間が追い詰められていく状況を決して肯定は出来ない。
だが、この映画を見て、状況はなかなか改善されないだろうと思い、辛い気持ちを覚えると同時に、悲しみや閉塞感、困難の中にあっても、僅かでも光を放つ人間の強さや、ひたむきさ、生きる力を感じ、胸が熱くなる。
この作品は、皆が目を背けがちなテーマに光を当て、問題提起をしつつも、その置かれた状況を肯定はせずとも受け入れ、更に考え続けさせる重厚なものになっていると思う。
やりたい奴がいて、金に困ってる女がやらせてやって金をもらって、需要と供給が一致してるんだから、何も問題ないでしょと、したり顔で言う人間がいることは想像に難くないが、この作品から見える社会問題もあるように思う。
だから、観た人には、是非様々なことを、色々な角度から考えて欲しいと思う。
もの凄くよかった。
今朝、不意に見た林修と山田孝之のインタビューを見て山田孝之が「今までの俳優人生の中で1番辛かった」と語っているのをたまたま見て気になり、公開日も偶然今日だったので、見に行ってきた。
個人的には凄く素晴らしい映画で、
こういった人間の深い部分を描いた作品の中でもかなり上位にランクインした。
しかし、見る人によっては深く入り込めない人もいるだろうな。と感じたのが正直な所。
僕自身、長年吃音症や対人恐怖症に悩ませられ弟に知的障害があったため、
角度はだいぶ違うがかなり共感できる所があった。
僕は自力で克服したが、親も周りにも理解されず人の繋がりはあるが内心ずっと孤独感が消えないままだった。
今作品はその消えない孤独感に寄り添ってくれた。
人は皆コンプレックスや障害、生まれた場所、自分の希望通りに進まない人生に苦悩しみんな悩みを抱えていると思う。
ただ、そんな人生に諦めて甘えても何も変わらない。
この作品のテーマでもある、
「笑え殺したいほど憎くても」
とういのはまさに生きる知恵だと思う。
自分自身、小6の時にイジメられて学校では1人。家に帰っても親は弟の事で手一杯で話せず躾もかなり厳しかったから家族はいるが1人な感覚。
でも、諦めの悪い性格だったしなんとか生きるためにその時から笑顔を心掛けた。
喋り方を馬鹿にされても笑顔でむしろ笑いに変える。その行いで1人でいる事は無くなったが内面は精神的には病んでいた。
でも、30近くになった今ある種間違ってなかったなと肯定できている。
そのおかげで大事な仲間にも巡り会えたし家族とも本音でぶつかって今は自立しやりたい事をできているしすごく強くなれた。また弱い人の気持ちが痛いほどわかるので寄り添う事もできる。
少し個人的な話で熱くなってしまったがそんな自分を間違ってなかったと再確認できた映画だった。
この映画は想像力をフルに働かせて得太の気持ちで見るとめちゃくちゃ重くて辛いが最後は前向きになれる最高の映画だと思う。
辛くても進んで前向いて笑顔を大切に自分の人生を生きろ!
この素晴らしい映画を作った佐藤二郎さん初めキャストの方々に最大の感謝を。
山田孝之さんの演技が本当に最高で涙が止まらなかった。
晴れの日よりは今日みたいな雨の日に見るがオススメです。(笑)
役者魂を観に
この映画は全く気になってなかったのに
まんまとテレビの番宣で
山田孝之さん観て、急遽観たくなりました
結果としてみて良かった。
山田孝之がやっぱり上手い
それだけでもみた甲斐がある。
ただ、映画として内容を考えたときに
深くツッコミたくなる部分は随所にある
ここからネタバレ含みます。
妹がなぜ、仕事ができないのか?
山田孝之とともに少し知恵遅れの設定なのか?
長男に虐待されすぎて病んでるにしても
知恵遅れにしても仕事はできるだろう
下が使えないと言ってようだが、それが納得できたとしたらもっと入り込めただろう。
あと、働かさせている?働いてる女性もなんで働いてるのか。
都会の風俗では売られることは少ないし
あんな風俗しかない島のちょんの間なんてよほどの事情がないと働かないだろう。
と、風俗と言う仕事の関係と、してない真っ当な人と言う分け隔てのくくりだったのだか。
じゃあなぜ?とそれらを掘り下げて考えてしまった。。
向井理がお客さんで来たら💗
カッコ良すぎのサラリーマンでしょ😍
しかし子供の時のトラウトはあんなに心をえぐるんだなぁ。。
父親ショックやわ
それでも辛いだけではなく少しクスッとさせる所があるのは、俳優であって原作、脚本、監督である佐藤二朗のなせる技か。
劇団ユニット『ちからわざ』
だけあって
この映画も役者陣の力技を感じました。
内容抜きにしても山田孝之が楽しめた映画でした。
意味のない映画、雰囲気で映画は成立しない。
全く面白くない。多分脚本とか演出とかではなく、根本的な原案が駄目だ。雰囲気芝居で持っていこうとしてるし、ラストの真実がバラされる辺りも全く唐突出し、だから何って思う。
何が言いたい映画なのかがさっぱり分からない。山田、仲の兄妹は頭が少し弱い人物設定なのか?その辺もモヤモヤする。
坂井真紀の方言も鼻につく。
舞台からの映画化は本当に難しい。舞台でウケていても映像にすると白ける事が多い。はじめの遊女たちのシーンの長回し、多分監督はやってやったぜ的に思っていると思うが全く映像にしたら白ける。不自然なくらいのオーバー演技でリアリティがない。
内容のない映画だから雰囲気と役者芝居で持って行こうとしているが全てが空回りで映画ナメるなって、そんなに簡単なら誰でも監督出来るって。
「笑え殺したいほど憎くても」キャッチコピーつけるなら、登場人物がその境地になってからつけないと。ただのバカ映画丸出しだよ。観客はそこまで馬鹿ではない。ちゃんと観てるよ。
仲里依紗が脱がなかったのが救い出し、頭が良いのでは。この映画で勝負は出来ないけど、監督、山田との関係性があるからこの仕事受けました。
作り手のプロデューサーや監督含めて考えようよ。ちゃんと映画作らないとあんたらも駄目になるよ。そして観客も駄目になるよ。そして日本映画が駄目になる。(そこまでこのスタッフに影響はないけど、どうせ素人の集まりだろうだから)
この映画に高得点は馬鹿だよ。
全101件中、81~100件目を表示