ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密のレビュー・感想・評価
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極上のミステリー
アガサ・クリスティの「ねじれた家」を彷彿とさせる「大邸宅、大富豪の謎の死、その相続人達、名探偵」を揃え、テンポ良い緊迫感とユーモアを絶妙にバランスさせたライアン・ジョンソンのオリジナルの脚本は秀逸で、稀にみる極上のミステリー だと思う。大富豪のハーランを演じたクリストファー・プラマーの存在感と貫禄は抜群だし、胡散臭い崖っぷちの相続人達をシリアスかつ楽しげに演じたジェイミー・リー・カーティス達芸達者は流石だし、南部なまりの軽妙な名探偵ブノワ・ブランのダニエル・クレイグも印象深い。しかしなんと言っても、恐怖に戸惑いながらも、誠実さと勇気を最後まで失わなかった看護師マルタ・カブレラ役のアナ・デ・アルマスが素晴らしい。自分を殺人犯と名指しした(マルタの勘違いだけど)瀕死の家政婦を必死で蘇生させようとしたマルタの良心と潔さには感服する。悪知恵だけは働くクリス・エヴァンスの告白を巧みに引き出した機転も見事。不法移民の娘で赤の他人に過ぎないマルタを唯一の相続人に指定し、重過失を犯してしまった(本当は違うのに)マルタを、自らの命を捨ててまで守り抜こうと瞬時に決断したハーランの覚悟には大いなる敬意を表したい。マルタの誠実で真直ぐな心根をちゃんと見抜いていた家長ハーランの眼力は、流石というべきか。ハーランのマグカップを持ったマルタが、茫然自失の体の相続人たちをバルコニーから見下ろすラストは、痛快で小気味良い。007最新作「NO TIME TO DIE」でのアナのクール・ビューティ振りが楽しみ。ナイフのギミックがあったから良かったようなものの、邪悪なクリスの暴挙を警官と名探偵が許しては駄目でしょう。階級社会の格差とか移民問題とかネオナチとか、現代アメリカの抱える一筋縄ではいかない闇の、ストーリーへの織り交ぜ方も絶妙。
フツウofフツウ
及第点、といった感じ。
ミステリーがもともと好きで評判も良かったので期待して観に行ったからかもしれませんが、これといって面白い!!!!と声を大にして言いたくなる点が無かった。
序盤から看護師の子の回想で、彼女が故意でないにしろ死の原因を作ってしまったと分かる。しかし他キャラクターの怪しさを見せられることによって、これはどうも実は彼女は殺してなさそうだぞと、ほぼ同時に予感できてしまうと、あのラストは結構つまらなく感じてしまうのではと思う。
孫が犯人でした、特別びっくりするトリックでも動機でもない。あ、それで終わり?
希望としては、看護師が殺した→実は孫が殺意を持った犯人だった!→イヤイヤ違った、やっぱり看護師にも殺意があった
コレだったら、うまく騙されてニヤリとした終わりだったのにな〜と思いました。
トリックなどはてんで疎いので希望でしかないのですが…
あとはダニエル・クレイグ演じる紳士探偵の魅力が弱かったです。切れ者なのかポンコツなのか分からない、格好良さげなのに何となくダサい、といった雰囲気は良いですが、それを守り過ぎて印象に残らない。
それと、こういう個性的な一家が出てくる物語は、キャラクター同士の会話が面白くないとかなり飽きてしまうと思っているので、もっとウィットに富んだ皮肉混じりの会話劇を入れて欲しかったです。翻訳のせいなのかもしれないけれど、笑える雰囲気はあるけど会話に笑えないのが苦痛だった。
ただやはりとても豪華で眼福。
正統派ミステリーの雰囲気もバッチリ。
けれど…映画の感想としては最悪ですが、本で読んだらもっと面白かったはず。
ダニエル・クレイグだし
ミステリーだし勝手に舞台はイギリスと思ってたけどアメリカだった。最初まどろこしかったけど中盤以降は展開早くて面白かった。ドン・ジョンソン久しぶりに見たかも。
きれいな混沌
最後まで安心して楽しめる物語。
全てにおいてオーソドックスな、舞台設定・家族の秘密・ミスリードからの返しで、王道ミステリーではあるんだけども、こんなにきれいにミステリーです!という仕上がりにするのはきっと難しいからすごいんだろう。
「富豪の85歳が亡くなった!友だちとして親しくしてる女性がいる!絶対男女の関係だ!」
思考がうるさく、マルタが遺産目当てで悪いことしてるんじゃ…と邪推してしまうくらいには最近のどろどろドラマで目を腐らせていた。
家族関係は悪いし、殺人は起きているし、マルタの特性は確かに汚い。
でも精神的に惑わされたり、心が拒否したり目を塞ぐような嫌なところがなく、エネルギーを使わずに見ることができる。
個人的には序盤の事情聴取シーンからずっと「英語が聞き取りやすいなあ、富豪一家の英語は勉強用に良いかも」
なんて思っていたのに、罵り合いシーンでの汚い言葉のオンパレードに笑ってしまった。
相変わらずゲロは品が無い
ウソをつくともどしてしまうヒロイン。なんじゃそりゃ。
薬の打ち間違いのくだり。そんなバカな。
というのが本作の主たる印象。
オープニングでは、会話劇で多数の人物を把握するのに一苦労した。
面白くなる中盤からは、犯人と思わしき人物が明らかになって刑事コロンボや古畑任三郎さながら名探偵との駆け引きドラマになる。
しかしその後、どんでん返しで実は‥‥。
という展開になりたたみかけては来るのだが、
なんか今ひとつやられた感を感じなかった。
そして、ラストのゲロシーンで全て台無し。
血の繋がりと心の繋がりのお話し
王道のミステリーは苦手なほうなのだが、このサイトでの評価が高めだったので思わず鑑賞。結果はなかなかの満足度だった !
最近見たミステリー物だと、 「9人の翻訳家」と「Good Liar」があるけど、総合評価で言うならこの作品が一番よかったかな。 理由は、鑑賞後の余韻として、現実社会への繋がりを感じられたから。 具体的には、「血の繋がりと心の繋がり」の問題。 謎解きとトリックの巧妙さは、3作ともに三者三様の面白さがあって甲乙つけがたいところなのだが( 本作なんかは想定犯人がそのまま犯人だったし、そこに大きな捻りはなかった)、じゃあ何でこの作品がいいのかなって考えてみると、やっぱり金持ち爺さんが最後の最後に心の繋がりを大切にしたから。
あの財産贈与策は、血の繋がった家族を本当に愛した上で、あえて茨の道を提示したものだとも取れるけれど、そうでは無かったんじゃないかな。 強いていえば、家族の長としての責任感からの判断だったんじゃないか。 実際、爺さんの直接の死因は、心の繋がりを重視した結果だったし。
ポップテイストで、かつトリックの種明かしにばかり目が行きがちな作品だけど、本筋としては道徳だとか人間愛だとか、人の本質を突くテーマをちゃんと扱っているあたりに個人的にはグッときてしまうのだ。普段からまじめに働いていれば、体に染み付いた感覚で、直感的に取り間違いはしないというところも好きだったな。
( 本作では重々しく描いてはいないけれど、「血の繋がりと心の繋がり」のテーマについては、是枝裕和監督が 「そして父になる」 や 「万引き家族」 、 最新作の「真実」などで何度も描いてきた深いテーマだよな~って、私の余韻はどこまでも広がってしまうのだった。 )
映画館を出た後に、家へ帰ってからも尾を引く余韻の大きさって、案外いい映画の条件だったりするよなぁと改めて考えたりした。
最後に、大婆さまが遺産相続の結果を聞いた後に、「ケケッ」って笑ったシーンが個人的には好きだった。(笑) あとはやっぱりラストシーン。 爺さん愛用のコップを握りながら、2階から皆を見下ろすシーンが、新たな立場を象徴していて印象的だった。
"Sweet Virginia"な映画
何やら映画賞にもノミネートされたり、何かと評価も高い、話題のミステリーをやっと観てきました。
ん〜、ちょっと期待してたのとは、ちょっと違った(笑)
もっとトリックや犯人に意外性があるのかと思ったんですが…、「おおっ!」というよりも、「ふ〜ん」ですかねぇ(笑)
推理よりも人間ドラマを楽しむ作品ですね…そういう意味では、なかなか面白い作品だったと思います…(笑)
*登場人物が多いので混乱するかと思いましたが、比較的丁寧に描いてくれていたので、相関関係で戸惑うことはありませんでした。
*ストーンズ・ファンは必見ですね…あっ!"ローリング・ストーンズ"ね!(笑)
王道だけどベタすぎる
ミステリーの王道だが、ベタすぎて先が読める内容だった。
ヒロインが実は犯人ではなかった、助けてくれるイケメンが真犯人、遺産相続もめごと・・・ミステリーのあるあるだからかなり前半でネタバレしてしまう。あっとおどろくトリックも無かった。
キャストは豪華だがわざわざ大作映画にする内容ではないと思った。
前にも書いたがミステリーは2時間の映画には向かないのではないか?
ミステリーを楽しむにはある程度の情報(人物背景やミスリード、トリックの説明)が必要で、小説なら読者のペースで読めるし、情報を繰り返し説明出来る。けど2時間の映画では観客に与えられる情報に限界がある。人物紹介も綿密に出来ないし、観客をミスリードさせるエピソードにも時間を割けない。映画を長時間にしたところで観客の集中力がもたないだろう。このキャラの動機って何だったっけ?という具合に内容が入りにくい。
後半の謎解きも探偵がひたすら喋るだけの後説明にしか感じない。なぜなら探偵が謎を解く思考のきっかけを説明できないからだ。魔法使いよろしく知り得た情報を説明するだけになってしまう。
映画には映画向きのミステリーがあるのではないか?
市川崑の金田一ものはミステリーより、暗い情念やおどろおどろしいビジュアルで観客を引きつけ、悲しい人情物として完結させていたから映画として楽しめたのだろうな。
Sheとhe(アクロイド殺し)
NHKでポワロを、金曜ロードショーでコロンボを観ていた世代にガッツリ突き刺さる作品。
ジェームズ・ボンドとキャップ目当てで観に行ったのだが、嬉しい誤算だった。
スマホの有る現代を舞台に、これ程に古色感の有る(最大級の賛辞)作品を作り上げたのには脱帽。
コロンボ、古畑の様に犯人が誰か解っているタイプのミステリだが、彼らのように陰湿に(狡猾とも言う)追い詰めたりしない事が、逆に斬新にコミカルに描写されていた様に思う。
主役の名探偵ブノワが優秀かどうかはイマイチ判別できなかったが、被害者の老いた母親に優しくゆっくりと語りかける様や、遺産相続に関わる人間の醜さを嫌悪する様、保身と他人の命を天秤にかけて尚正しく行動できることを称賛する様。
好奇心が強く真実を暴かずにはいられない名探偵が多い中、真っ当な人としての正しい価値観を持ち、秘匿べき真実には蓋をすることが出来る人格に非常に好感を抱いた。
是非この味わいのまま続編を作ってもらいたい。
身も蓋もない言い方をすれば…
非常に 三谷幸喜 っぽい印象の話である笑
最後のジェダイの評判のせいで映画史上トップレベルの悪評が立ってしまったライアンジョンソンの映画で、かつ大ヒットで続編作成決定! という知らせを聞いたので 名誉挽回となっているかな? と、意地悪かつ余計なお世話な目線で鑑賞。
アガサクリスティー風作品を!という明確な心意気の推理モノとしての脚本が作られていると事前に聞いていたのでどんな謎解きが待っているのだろうと思っていると、冒頭いきなり関係者たちの人間関係と状況の説明が全てそのまま事情聴取風の聞き取り説明を通して続くので激しく不安になる。
推理モノは、謎解きをする登場人物が事件の経緯を知っていく過程をどのように進めていくかどうかが観客の興味を持続させる重要ポイントだと思うが(今決めた)、本作の場合、この事情聴取のくだりで関係者達を取り巻く前提情報を全部伝え切ろうとしてるせいで恐ろしくテンポが悪い…
事件の概要と基本的な人間関係ぐらいならまだしも、ミスリードしたいであろう方向性や果ては彼らがこの時点でどんな嘘をついているのかまで、推理に関係する要素を全部詰め込むのはどうなんだろうか。
というか、そもそも普通そういう周辺情報を探偵が見つけ出していく過程が推理モノの大きなカタルシスポイントだと思うのにそれも全て冒頭に推理云々ぬきで詰め込まれているので初っ端から
おいこの映画大丈夫か…
と悪い予感が満載だった。
しかし!
後に
この映画は 犯人の正体 をめぐる話としては進みませんよ!
という方向性の提示がされたので一安心。
正直この映画は探偵物といいながらも推理に割かれる話の時間が圧倒的に少なく、大部分がこの家族の人間関係をめぐるゴタゴタを面白がることに費やされている。
こういう部分が非常に 三谷幸喜っぽいのだ。
あぁそういうことね。と見る目線を変えてからは話の流れにわりと身を任せて楽しめた。
とにかく家族のキャラがみんな立っているand演じる役者達の強力な個性のおかげでこの家族をめぐるゴタゴタが一級品。
あとはメインの舞台となる館の美術の一つ一つのクオリティも素晴らしい。不可思議な小物が非常に多く、自然な というよりあえての 作り物然 とした作りがこの作品によく合っていたと思う。
なんだか全体的に作品の雰囲気が舞台っぽいテイストな気がする。(そういうところも三谷幸喜っぽいと感じた要因かも)
登場人物といえばとにかく色々な意味で重要なアナデアルマス。とにかくひたすら顔がかわいい(タイプ)ということもあり終始応援していたし、勝つべき人が勝つという物語の着地は収まりとしても良い。
が、嘘をつくと吐いちゃうという超乱暴な設定が面白さも生み出しつつもやはり非常に気になる。
ラストの反撃のために入れた設定なのかわからんが、
じゃあ最初にこの人にちゃんと聞いてれば全部解決してたじゃん!
というツッコミは避けられない。
(聞かなかったせいでもう一人死んでるからね)
あと、ラスボスのあいつをめぐる一連の流れが全部結局後出し説明の要素しかなかったのもツボを大きく外している。
とにかく探偵が有能に見えるシーンがほぼないのはやはり大問題だろう。
続編は… 正直この家族の話でないならもう個人的には見る理由はないかな笑
矛盾だらけ
ミステリー好きとしては、物足りないの一言。
投薬ミスのトリックを、死ぬ前、ネタ帳にメモってる時点でアウト。
後の展開も杜撰で強引極まりない。
ただひたすら役者を楽しむための作品。
テレビで観れば面白いかも。
紳士探偵ブノワ・ブランの事件簿
ブノワ・ブラン・シリーズ第1作。
字幕スーパー版で鑑賞。
館、華麗なる一族、大富豪の奇妙な死、遺言状、遺産相続、謎の依頼人、混迷する事件、そして、名(迷?)探偵颯爽と登場!―ミステリー・ファンの琴線に見事触れて来ました!
"最後の紳士探偵"ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)。
この男、優秀なのか、ポンコツなのか?(笑)。
数々の経験から培ってきた推理メソッドに基づいて、事件の真相へと肉薄していきました。事件は自殺か殺人か?
単純に見えた事件は一族の思惑が入り乱れたことによって混迷し、それがさらなる悲劇の呼び水となってしまい…
ピースを繋ぐ、ドーナツの穴を埋めるものとは…?
果たして、誰もが怪しい容疑者たちの中に犯人はいるのか?
事件の裏側でいったい何が行われていたのか?
謎が謎を呼ぶ事件の意外な真実とは…!?
思いも寄らない真相が提示され、そこへの伏線も然り気無く散りばめられていたことに驚き、なかなかな本格ミステリーだと思いました。「あっ!」と思った後のオチも最高でした。
[余談1]
クリス・エヴァンスはキャプテン・アメリカのイメージが強過ぎる…。そして、絶対にキャップが言わなそうなセリフを連発するから、そのギャップに笑みがこぼれてしまいました。
[余談2]
「ブレードランナー2049」でその魅力の虜になったアナ・デ・アルマスちゃんが大活躍!―と云うかキーパーソン。思わぬ事態に巻き込まれるも、持ち前の優しさを発揮して事件をあっちへこっちへ転がしてくれました。嘘を吐くとゲロってしまうと云う特質がお笑い要素としてかなり効いてました。
[余談3]
シリーズ化が決定したそうな…
ブノワ・ブランのキャラクターがかなり立っていたので、この決定は納得。彼の事件簿をもっと観たい!
※修正(2022/06/07)
こういうのばっかり撮ってればよかったのに
正直演出はモッサリしてるし、人物の描写も主人公以外よくわからない。途中ちょっと飽きがきたが得意の逆張り展開で最後までなんとか見せた感じがしました。
大概の人は犯人はあの人だなってわかるだろうし、最後のナイフもなんだかなぁって感じでした。ダニエルの最初のピアノはなんだったのか?炙り出しの手紙もなあ。
この監督こういう逆張り展開の観客を欺く作品を撮りたいならミステリーの傑作を目指せばいいのにEP8も同じ感じで撮っちゃうから最悪の結果になってしまった。これはケネディーが悪いのか。
何にしてもスターが出て、見た後何も残らない作品でした。もうすこし面白い作品を作ってくれないとこの監督はちょっと好きになれないなあ。
これぞミステリー!!
最近ミステリーもので外れを引いたので(ミステリーを銘打った屍〇荘の殺人とかいうゾ〇ビ映画の邦画)それを塗り替えてくれた偉大な作品に拍手!!
これは間違いなくミステリーです。
ストーリーのテンポが良く、観てる側も驚く展開が用意されており、探偵が前口上を述べる鉄板のミステリー!!
こういうのが観たかった!
お茶目な探偵が一見すると迷探偵に見えますが、彼は間違いなく名探偵!!
0.5引いたのは、助手役(?)の看護師の彼女が嘘をつくと吐いてしまうという正直過ぎる体質が一番ミステリーだったので笑。
ミステリー最高!!
祟りじゃ〜
思っよりひねりが効いていて面白かった。
探偵はもっとアクティブかと思ったけど
別の映画の印象だから…まさかの安楽椅子探偵とは。そう見えただけで足繁く調査してたかも知れませんが、短時間で色々調べるには限界が。むしろ嘘を見抜く天才なのかも。
事情聴取の時に真実と嘘を連続で流す手法は斬新に感じました。つまり最初の時点から皆嘘をついておりそこから紐解くのはある意味効率的で皆信用できない人物と印象付けました。
一癖も二癖もあり財産渡したく無いっすね。
色々突っ込みたい所もあるけどね。今頃ビデオテープとかそれを消磁して消すとか前時代的。
それにスマホ持ってるんだからもっと使いようもあったろうに…事件が自殺って前提だから本気で捜査してなかったんだろうけど科学捜査すれば証拠は一杯見つかるし直ぐに証拠だけで犯人?を特定できたのでは…と言い始めるとトリックが難しくなり過ぎますね。現代科学の前では完全犯罪は難しいですね。何の関係も無い第三者が犯人の場合を除いて。
しかしボンドがコロンボに転身したような感じがとうしてもしてしまう(笑)。
それにしても横溝正史は天才かと思い知らされた。
極上のミステリー映画、というのに嘘はない
世界的ベストセラーを連発しているミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)。
高齢の彼は、85歳の誕生日の家内パーティの翌朝、豪華な自宅の屋根裏寝室で、喉元も切った状態の死体で発見された。
警察は、情況から自殺と判断したが、そこへ高名な探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が現れる。
彼は、匿名の人物から事件の調査依頼を受けていたのだった・・・
といったところからはじまる物語だが、早々にブランと捜査主任の黒人警部補とが関係者への聞き取り再調査を行う。
そこで、尋問される面々はスロンビー家の怪しい面々たち・・・
と、豪華な屋敷での殺人事件、胡散臭い登場人物、事件現場とは相いれぬ文化圏(米国南部出身、フランス語圏からの初期移民のような)の探偵・・・とアガサ・クリスティ風のお膳立てであるが、それ以上にクリスティ風味なのは序盤。
尋問で、関係者が答える画と、その裏に秘められたパーティでの怪しいやり取りの画のカットバックは、『オリエント急行殺人事件』でシドニー・ルメットが演出した手法(ルメットの映画では、前半と後半に分けられているが)に似ているし、それよりなにより、被害者の看護人マルタ(アナ・デ・アルマス)が語る内容で、事件のおおよそは描かれている。
このマルタが語る内容と、すぐさまブランが彼女を事件捜査のパートナーに指名する件は、クリスティの『アクロイド殺害事件』を彷彿とさせる。
あの有名な著作では、犯人は〇〇なので、それを隠して映像化したドラマ(ポワロ=スーシェ版など)ではその面白さが出ず、やはりここは倒叙ものとして映像化するしかないのか・・・と思った次第。
とすると、犯人は・・・となるかもしれないが、それだと映画は1時間ぐらいで終わってしまう。
この映画は、最終的にはフーダニット(犯人当て)映画。
決着点がわからず、ハラハラドキドキとして展開していくことになる。
そのような枠組みもさることながら、クリスティ・ファンにはニヤっとするシーンが多々ある。
ひとつはクリスティもので図らずも出ている階級意識。
クリスティものでは、だれも使用人の顔など憶えていない・・・というトリックが使われるが、この映画では人種差別として描かれており、マルタの出身地を、エクアドルであったり、パラグアイであったりと、関係者のだれもキチンと憶えていない。
これは探偵役にも踏襲されていて、南部なまりのブランを、関係者のだれもが「胡散臭いオヤジ」としかみていないし、ブランも時折「ヴォワラ」というようなフランス語も使ったりする。
もうひとつは、見間違い、聞き違い。
このちょっとした勘違いは、クリスティものでは多用されるが(ま、ほかのミステリでも多く使われるが)、この映画でも「出たぁ」と思うほどの上手さである。
ということで、最後の最後まで、落としどころがわからない展開、さらに、マルタが嘘をつけないという設定(これはミステリでは、かなり珍しい)が活かされて、ホント、面白かったです。
極上のミステリー映画、というのに嘘はないです。
l’ll recommend it to you
According to the film,
I saw a different image of Daniel Craig from that l’ve ever known. His this time roll is a bit comical and there is no James Bond.
It’s a fresh but l don’t think he needs to be a this roll.
In the middle of the story, a criminal person seems to be cleared, but the tale still goes on. The story changes several times. It’s really really amazing.
This isn’t a comment about film,
a person sitting behind me kicked my seat many times during movies. First few times I could stand it but at last I turned back and sent a warning look at him. Unfortunately it’s still going on. I supposed it’s not intentionally but disappointing me because here is the small theater where film lovers join.
ムードとキャストだけ
面白そうだなと思って鑑賞
キャストも豪華だし監督は…
あのライアン・ジョンソンかという感じでしたが
アナ・デ・アルマス好きだし
感想としては
やたらひねくろうとしてミステリーなのかすら
怪しくなってしまっている感じでした
有名ミステリー作家ハーランの屋敷で
当人が死んでいるのを家政婦が発見
前日にパーティーで一通りいた作家の家族親族
専属看護師まで容疑者として聞き込みから始まり
謎の人物から依頼を受けた私立探偵ブノワも一緒に聞き込みを行います
家族は金策をハーランに依存している有様で
遺産相続などにしか興味が無い雰囲気
事件の真相自体は中盤までにアッサリ出てきます
事件に関わる重要人物が早々にハッキリするため一見
コロンボや古畑のようなブノワが追い詰めていく形式
なのかと思ったらもう一つ陰謀があり
事件はそちらに向かっても進んでいきます
ただその追加された部分がちょっと無理やりでした
薬剤を注射器で中身を入れ替えたと言いますが
注射器1本で2つの薬瓶の中身を入れ替える?
類推する薬物の知識は?など粗が目立ちます
何より序盤に提供される情報では後半の展開は
全然読めませんから後付け感が余計にします
キャラごとにウソを隠せず嘔吐する、ネトウヨ(本当に字幕にこう出る)
であるなどの設定もあんまり活かされている感じはしませんでした
ミステリーと言うには偶然に依存しすぎな印象もありましたし
あまり豪華キャストを生かし切れている感じはしませんでした
ダニエル・クレイグもボンドのイメージから離れたいけど
あんまり離しすぎることも出来ないみたいな感じの
この人でなければ本当にいけないわけではない役どころ
アナ・デ・アルマスが一人で頑張ってる感じでした
ただゲ○まで見る羽目になるとは…ごほうび
あわわライアン・ジョンソンと言う人は意表を突けさえ
すれば何でも良いと思っているのかな
今思えばテレビの火曜の2時間サスペンスって
しっかりミステリーしてたんだなと思ってしまいました
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