ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密のレビュー・感想・評価
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三谷幸喜Lv.100みたいな映画! ミステリーの新たなマイルストーンがここに誕生💕
名探偵ブランが、ベストセラー作家ハーランの死の真相を解明していく正統派ミステリー。
ハーランの個人看護師マルタ・カブレラを演じるのは『ノック・ノック』『ブレードランナー 2049』のアナ・デ・アルマス。
ハーランの孫で一族の鼻つまみ者、ヒュー・ランサム・ドライズデールを演じるのは「MCU」シリーズや『gifted/ギフテッド』のクリス・エヴァンス。
名探偵ブノワ・ブランを演じるのは『007』シリーズや『ドラゴン・タトゥーの女』の、6代目ジェームズ・ボンドでお馴染みのダニエル・クレイグ。
ハーランの孫でネトウヨの青年、ジェイコブ・スロンビーを演じるのは『ヴィンセントが教えてくれたこと』『IT/イット』シリーズのジェイデン・マーテル。
また、マルタの妹が観ているドラマの登場人物、探偵ハードロック役で『(500)日のサマー』『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィットがカメオ出演している(声のみの出演)。
第91回 ナショナル・ボード・オブ・レビューにおいて、アンサンブル・キャスト賞を受賞!
いや〜!コレは面・白・いッッ!👏
正直、これまで観たどんなミステリー映画よりも面白かった!
何というか、レベル100の三谷幸喜が作った映画、って感じかな?
アガサ・クリスティを読んで育ったというライアン・ジョンソン監督。
本作はその影響を感じさせる、王道ミステリーど真ん中となっております。
しかし、だからといって古臭い映画、という訳ではない。
物語はスマートに、コメディ要素はたっぷりと、現代的な政治要素もひとつまみ。
非常に骨太だが、その一方でキュートな側面も持つ、正に娯楽100%の現代的な映画となっております😆
「嘘をつくとゲロを吐いちゃう女の子」という、あまりにもリアリティのない漫画的なキャラ付けをされた主人公マルタ。
本格派ミステリーにあるまじきキャラクターでありながら、マルタのこの特性が全く物語の邪魔になっていない。
ゲロ吐き女というとんでもない飛び道具を使うことにより、映画全体のリアリティ・ラインを下げ、「これは楽しいミステリー映画なんですよ〜。しかもリアリティ・ライン低めのミステリーなんで、難しいことは言いっこ無しですよ〜。」ということを暗に観客に伝えている。う〜ん、上手い。
ただ、この「嘘をつけない」という特性をもう少しストーリーに組み込んでも良かったかも、とは思うけど…。
ゲロを吐いちゃうというギャグ技は、使い所を間違えると凄くサムい感じになってしまう。
しかし、それを上手くコントロールしてちゃんと笑える映画に仕上げているところに、ライアン・ジョンソン監督の確かな手腕が感じられる。
これが邦画のダメなコメディ監督だったら、死ぬほどサムい映画になっていたことでしょう…🥶
豪華キャストな役者陣も最高!
主人公マルタを演じるアナ・デ・アルマス。
とにかく可愛い💕今世界で一番可愛い💕
もう1人の主人公である名探偵ブノワ・ブランを演じるダニエル・クレイグ。
渋い!そしてめっちゃ楽しそう🤣ウキウキしながら演じているのが画面のこちら側にも伝わって来た。
どら息子のランサムを演じるクリス・エヴァンス。
こちらもめっちゃ楽しそう!🤣キャップという大役を演じ切って、肩の荷が降りたのでしょう。キャップの面影を一切感じさせないゲス演技が最高ー♪
ハーラン一族を演じた役者陣も最高で、もう本当にゲスの極みな地獄絵面を完璧に表現し切っていた。
ハーラン一族はお爺ちゃんお婆ちゃんを除いては全員クソ野郎なんだけど、どこか憎めない可愛げがある。
これはやはり役者陣のスキルの高さゆえなんだろうな〜。
今日的な要素として、移民に対する差別意識や白人至上主義的な思想に対するカウンターが描かれている。
右の奴も左の奴も、移民がイニシアチブを握るのは気に食わねえ!と思っている。
こういう国民意識があるということを、決して押し付けがましくない形で、しかし強烈なインパクトを持って我々観客に突きつけてくるのがこの映画。
「先祖代々受け継がれてきたこの家を守る義務が俺たちにはある!」と言い放つランサムに爆笑するブラン。
「この家って80年代にパキスタン人の移民が作ったんですけどー🤣」というブランのセリフは、中々に印象的。
「アメリカに長い歴史なんてないし。そもそも白人だって元々は移民だし。しかもこのアメリカって白人がマイノリティを酷使して作り上げた国家じゃーん🤣」というライアン・ジョンソン監督の主張がこのセリフに全部集約されている。
政治的なメッセージは込められているのだけど、そこはあえて薄めに描いている。あくまでも本作は娯楽映画であるという姿勢は崩さない。
移民であるマルタが最終的に遺産を受け取るわけだけど、これだって結局はマルタが物凄く善人で働き者だったから。
見返りを求めない無償の愛、つまりアガペーを顕現させたものこそが最終的には恵みを得ることが出来る。
なんともキリスト教的なクライマックスは、まるで道徳の授業や童話のようなオチではあるが、物語的な落とし所としては最適解だったように思います。
中盤、少々中弛みしていると感じましたが、クライマックスに向かっての盛り上がりは素晴らしかった✨
特に、あのスローモーションからの「…shit」は、演出といい間といい最高でした👍
「あいつは本物の刃と芝居の小道具の区別がつかない」というハーランの発言が、見事な伏線として生きてきたところなんか、見事すぎて感動しちゃいましたよ〜!
久しぶりに純粋に面白い映画を観たような気がする。
このライアン・ジョンソンって、『スター・ウォーズ』ep.8の監督もしているんですよね?
『スター・ウォーズ』は観ていないけど、ライアン・ジョンソンが作ったんだからきっと凄く面白い…んだよね?…凄まじく荒れているけど…。
…まぁ何はともあれこの映画が傑作だということには異論の余地なし!おススメ!
面白かった
少し分かりづらかったとこもあったけど、展開が読めず最後まで引き込まれた。カーチェイスの場面はイマイチと思ったのも束の間、すぐに軌道修正された。
欲を言えば、探偵の発表シーンはクールな方が良かったな。古畑任三郎だった。
でも面白かった。
評価:4.0
満足度99%に偽りなし
満足度が99%と強気なCMに、そそられて視聴。
うん、看板に偽りなし👍✨
現代ミステリーというより、シャーロックやら昔の探偵ものみたい。
望まずに犯人となってしまったヒロイン。故人の望みを叶えるため、犯行を隠そうと必死に立ち回るのがユーモラスに描かれる。
遺産をめぐり争う家族の醜さを、ダニエル演じる探偵が豪快に笑い飛ばすのも小気味良い。
程よい緊張と緩和。
最後まで、結末が読めず面白い。
鑑賞後、爽やかな気持ちになった。
めちゃくちゃライトなミステリーでした。 ※ネタバレは纏めて最下部
多分、この作品に興味持つ人の多くは「アガサ・クリスティに捧げる傑作ミステリー!」的なCMを見て期待したのでは。
結論から言うと、ミステリーを期待して観ると肩透かしかなと。アメリカで絶賛されたミステリーと聞いてワクテカ過ぎて禿げ散らかってたんですが、謎解き得意ってわけでもない自分でも、個人的にはそんな大した謎解きではなかったような。
じゃ何がそんなに評価されたかというと、ひとえに「移民問題と差別」をテーマとしてブチ込んだ皮肉の効いたストーリーをコミカルに纏めたからではないでしょうか。
多分移民や差別に関心がない人でも、にこやかな会話の中に棘を感じると思います。序盤からナチュラルにその「棘」を出してくるのが本作の自己紹介のようで、とても良い。
実は重たく悲しいテーマですが、コミカルでライトな作りのため、2時間なのにサクッと観られました。見終わった時「もっと長くて良いから丁寧に人物描写してほしかったなー」と思いながら時計見たら2時間以上経ってて目が吹き飛びました。
要注意シーンは盛大にゲロが出てくるのと、蜘蛛が1匹出てくる、オ〇ニーという単語が出てくる程度。
あらすじ:
ミステリー作家ハーランの85歳の誕生日を家族で祝った翌朝、ハーランは遺体で発見され、何者かに雇われたという私立探偵のブランと警察が聴取にやってくる。ハーランの専属看護師で移民のマルタは、ハーランの家族からも真面目でよく働く家族同然の女性と言われ可愛がられていたが、家族間のいさかいや相続の話になるにつれ、家族の本性が剥き出しになっていき…
"Knives Out"は「ナイフを突き付け合った状態」のような意味で、本気で罵り合う、攻撃し合う緊迫した状態を表すようですが、まさしくこの家族を表しています。ハーランの家にはナイフが大量に刺さったオブジェが置いてあり、海外版DVDジャケ写にもなっているのですが、それがストーリーの中で一つの意味を持っていることもあり、センスの良いタイトルだなと感じました。
上に書いた通り「アガサに捧ぐ」とのことで、大元のアガサミステリーはどんなんかというと、謎解きは意外と「な~んだ」って程度だったりするそうで、とにかく人間ドラマが緻密に描かれているそう。それなら本作の「な~んだ」なアッサリ感は「アガサに捧ぐ」と言われても納得できなくもない。
でも、あくまで「アガサ・クリスティーレベルの傑作」というよりは「アガサ・クリスティーに憧れてファンが模した『っぽい』作品」という雰囲気は否めません。アガサミステリーを狙ったにしては、人間ドラマが薄っぺらい。これは監督や脚本のせいというより、元々ミステリーは登場人物が多いことが多く、小説より映画の方が薄っぺらくなりがちなのもあると思います。映画だと1人1人きちんと描いたら何時間かかるんですか?って話で。
本作も1人1人のキャラはそこまで立っていません。で、中盤までいっても埋もれてるキャラの中から急に犯人が出てくることはないだろうから、じゃあキャラ立ってる奴らの中で犯人になりそうなのは…と考えると、大体わかってしまう。
上にアガサ・クリスティの作品は、謎解き自体は大したことない(ネタばらし後「そうだったのかー!」ではなく「なーんだ」となるタイプのやつ)ものが多いらしいと書きましたが、そう考えると本作は、謎解きも大したことない、人間ドラマもちょっと薄い、だからライトな作品と感じたのかも。
とはいえ、良い感じにコメディタッチでスピード感はないなりにテンポ良く進展はあるので、飽きた、まだ終わらんのか、ということはないんですが。
自分の中では、一言で言うと出来すぎているというか、完璧に整え過ぎたのではというのが見終わってすぐの感想でした。舞台脚本っぽいというか。とにかく無駄な台詞やシーンがなさすぎて、ミステリーにしてはヒントが多すぎるんですよね。意味のある台詞は最初から意味深に言ってくれ、重要アイテムも最初から意味深に置いてあるので「あ、ハイハイ」みたいな、テスト後の自己採点の空気感。
個人的には、何気なく言ってた台詞が後になって「そんな意味だったのか(゚д゚)!!!」とか、一見別の意味で言った言葉や日常の中の何気ない一言が実は…!!とかが好きなので、ここが最も肩透かしでした。日常会話(に聞こえる自然なやり取り)がもっとあっても良かったんじゃないかなと。キャラの設定をただちょっとした演技で自己紹介されただけのような気になってしまうのは何故なのか…何気ない会話で全体の人間関係を深堀りしてほしかった。
それがないと謎の大したことなさが目立つのか、俳優が豪華じゃなかったらTVドラマくらいのライトなクオリティだな、と鑑賞後ちょっと昔の火曜サスペンスを思い出した人もいる…
……
…いないか。流石に。
火曜サスペンスも昔はなかなか良い出来だったんですよ。
キャラは、長女夫婦のリンダとリチャードが不動産業、その子供は無職で働く気もゼロで金遣いだけは荒い放蕩息子ランサム、長男(故人)の妻はインフルエンサー、娘のメグは大学生で、マルタとは歳も近く仲良し。次男のウォルターはハーランの出版社のCEO、その息子ジェイコブはネット世代の今時少年。他にハーランの母ワネッタ、家政婦フラン、ハーランの専属看護師マルタ。
マルタは移民で、看護師協会を経ずに直接ハーランに話し相手として雇われ毎晩モルヒネや鎮痛剤を注射する専属看護師。
演技は、個人的に主演のダニエル・クレイグは今回あまり良くなかった感じがしました。わざとらしく、浮いてるように感じました。コメディだから別に良いのか。ゴールデングローブ賞で主演の2人ダニエルとアナ・デ・アルマスは賞獲ってますし、こんなとこで素人がガタガタ言ったところでしゃーないんですが、ダニエルはこの演技で獲れるならもっと他の作品で獲れたんじゃないかと…(失礼な)
↓↓
以下
ゴリゴリの
ネタバレ
↓↓
全体の人間関係を深堀りしてほしいと書きましたが、主人公?のマルタと犯人の周辺だけは割と詳しめに描かれているので、余計に容疑者が際立ってしまい気になりました。
ただ、本当に移民問題・差別についてがメインテーマなのであれば、もう犯人が序盤でわかっちゃうとか何とかどうでも良かったのかなと思ったり。何で「アガサ・クリスティに捧ぐ」だったのか気になってたんですが、監督はミステリーそのものも勿論好きなんでしょうが、恐らくアガサの、社会の底の方に横たわっている根深い問題とそれに翻弄される人間の心情をつぶさに描く手腕に惚れていたのかなぁと(アガサ詳しくないので頓珍漢だったら申し訳ないんですが)。そういう作品にしたかったのであれば、良かった…のか…?
上にも少し書きましたが、マルタの紹介をする時ほぼ必ず「移民」「〇〇から来た」「〇〇人」みたいな言葉が入る、しかもそれが人によって違っている。要するに「余所者であること」は強調するのに、その人のアイデンティティである「どこの国か」を覚える気はサラサラない。
作中でマルタはハーランの家族に「家族のように思っている」と何度も言われますが、特に仲の良かったメグは、相続の話の後にマルタに「うちの金だから返すべき」と電話してきます。視聴者には、実は家族に圧力を掛けられているメグの姿が映り、ここで一見「仕方なかった」ように見せています。メグも板挟みだったのだろう…と。
しかし、自分が前にマルタに言ったのと同じ台詞「心配しなくていい、私を頼って」をマルタから言われた途端電話を切ったことからも、「自分達から『奪った』金を手にした途端『上から目線で』『施しを与える』と言われた」ように感じ、不快に思ったんじゃないかと思います。
これが「要望が通らないとわかったから途中で切っただけ」としても、その後、マルタの家族は不法移民だと家族に話してしまう。マルタが信用したハーランとメグだけに話した情報なのに、わざわざマルタが追い詰められている状況で、自分が黙っていれば知られなかったはずの友人の秘密を、友人を脅かす相手に話したわけです。
メグは終始マルタに対し友人として親切に振舞っているように見えますが、実際には他の家族と変わらないということがわかります。
また、中盤に移民のことで長女の夫と次男が言い争いになりますが、ここで「アメリカはアメリカ人のための国だー!」と主張。
そして終盤、めちゃくちゃブラックジョークですが、ランサムの「代々続く由緒正しきこの豪邸をお前みたいな移民に誰が渡すか!」という台詞に対し、ブランが「ブワハハハwww お前のじいさんがパキスタン人から買った家だぞwww」と超ド級の煽りを入れてくる。
作中通して言われているのは、移民に対して、あるいは黒人に対して(ランサムが南部南部言ってる刑事)、表向き「差別反対!」「自分と違う人種の人にも理解あります」「移民とも平等にオトモダチやってます」風を装ってる人達も、一皮剥けばこうだろ、という嫌味なんではないかなと思います。
「移民に親切にしてあげる自分」「移民とオトモダチになってあげてる自分」に酔ってるだけで、本当に理解しようとも受け入れようともしていない、実際お前ら当然のように世話になった他人を押しのけて生きてる自覚すらねーだろ、とこのライトな空気感の中で叩きつけてくるわけです。この尖がった作風がアメリカでウケたんじゃないかなと。
メグが「『奪った』金を手にした途端『上から目線で』『施しを与える』と言われた」ように感じたのではと書きましたが、これと「アメリカはアメリカ人の国」、「代々続く家」に対し「少し前に買っただけ」という台詞を合わせると、「結局デカい面して自分達が住んでるこの国は他人(ネイティブアメリカン)から奪った土地だろ」という嫌味と共に、奪った相手(ネイティブアメリカン)に対し上から目線で「施しを与えた」気になって自己陶酔している成功者(主に白人)への痛烈な批判であり、更に「自分が奪った物は平然と『自分の物』と言い張るくせに、自分が奪われた物を『他人の物になった』とは絶対に認めない」人々の矛盾を遺産相続のシーンで表しているのでは。
「遺産相続でモメる」はミステリーでありふれた展開ですが、よくよく考えると「ああ、よくあるアレ」では済まないのが面白い。
ラストにマルタが豪邸の2階から家族全員を見下ろしているのも、結局所有者なんてものは時と共に変わるもので、マルタを見上げる家族の中に友人であったはずのメグが含まれているのも、本物の友人ではなかったことの象徴なんでしょう。
また、気になったのがランサムの「碁で勝てるのは俺だけだと思ってた」「特別な絆がなくなった」という台詞。この言葉が本気なら、(勿論金も欲しいんだろうけど)ハーランがマルタを可愛がってることを知り自分を見捨てたと思ったのかなーとも考えられて、ちょっと悲しい。自分だけが対等に話せ、遊びの相手も自分だけが対等にできたのに、と。
もし本気で特別な絆があったと思っていたなら、ハーランが支援を打ち切るのは愛故なのに、自分にくれていた支援をマルタに変えた=特別な絆(愛情)をマルタに奪われたと勘違いしたことによって、ランサムは唯一の理解者を失ったことになる。
ギャグシーンも結構あり、マルタから事実を聞いた後のランサムの沈黙、実は薬瓶を入れ替えといたのに逆に打ったと暴露されて「…えっ…?」ってなってた間なんですよね、あれ。「え?俺が逆にしといたのに更に逆に打ったの???」という困惑を想像すると何かジワジワ笑える。
マルタを刺すシーンも、視聴者はハーランの言葉から、ランサムが取ったナイフは偽物と予想がつくし、面白い感じにしないとと思ったのか、緊迫した空気だけ残してカッシャカッシャ刺し直す仕草が…笑
ランサムが、解説ではゴミクズなんだけど、ちょいアホで愛嬌がありすぎるんだよな…クリス・エヴァンス、悪役向いてなくないか?いや、下手とかじゃなくて。
『コラテラル』の時も書いたけど、やっぱ演技上手くても元の自分と余りにもかけ離れた役はできないと思う。持ってない物は出せないよな。
シンプルな推理映画 〜名優と重厚感を添えて〜
これまた劇場公開を見逃してしまった作品。
Netflixで配信されてからしばらく時間が経ったが、ようやく鑑賞。すごく面白かった!こりゃアカデミー賞候補にもなる訳だし、高く評価されるわけだ。1作品目にして安定感がすごい。これ、ダニエル・クレイグの007に次ぐ代表シリーズ作になるんじゃない?
どこかしらで見たことがある名優がたくさん。
それも適当に配役しておらず、一人一人のキャラが立っていて全員いい味を出している。冒頭シーンはキャラクター紹介を兼ねていて、ミステリーも洋画もあまり見ない人でも楽しめる。こいつ誰だっけ?現象がここまで登場人物が多いのに起こらないのはスゴい。
ストーリー自体はすごくシンプル。
それが故にもっとひねりが欲しかったなと思ったりもするが、セットの華やかさ、ミステリアスな音楽の美しさ、重厚感のある雰囲気に圧倒されるため、あまり気にならない。ミステリー、いや、エンターテインメントとしてあるべき姿。制作陣のこだわりをひしひしと感じられる映画でした。
特にすごいなと思うのが「見せ方」。
単調にこの話を描くとなれば平凡な映画になってしまうと思う。ストーリーはシンプル、過激なシーンもない。それを見せる順番をグチャグチャにしたり、カメラワークを上手く使ったり、自分が家族の一員となって事件を追っている気分になったり、よく出来ている映画とはこのような映画のことを言うんだろうなと。最初から最後までずっと面白かったし、こりゃ映画館で見たら★4.5だったな〜と思いました笑
人にオススメしやすい質の高い良作。
続編も決定しているようなので、ダニエル・クレイグの探偵シリーズとしてこれからも目が離せませんね〜
古畑任三郎を思い浮かべ…
007でダニエル・クレイグファンになって、他の演技も見てみたいと思いとっておいた1作。
1番の目当てはキャプテン・アメリカのクリスエヴァンスだったけれど、どちらの演技も良かった!
かなり前半である人の犯行がわかるけれど、それを隠すのか隠し通せるのか。バタバタしているうちにダニエル・クレイグは暢気にMP3聴きながら歌ってるし、かなりコミカルなサスペンスでした。
最後はしっかりと名推理で犯人を追い詰めるところ、古畑任三郎が浮かびました。
ダニエル・クレイグはジェームズボンドとはまったくの別人でした。当たり前だけど。
おじいさんが見たことあるなあと思ったら、サウンドオブミュージックのトラップ大佐だったのもうれしい発見でした。
ダニエル・クレイグのボンド最終作でマルタ役の女優さんがボンドウーマンなのも、これからの楽しみになりました。
ちゃんと王道ミステリー
謎解きミステリーの展開って
あらゆる手法で作られていて、
もう残ってるアイデア無いんでは?
ということで、はい。
謎解きミステリーをちゃんと
作ってみました。
という良い映画ですね。
序盤で探偵ブランが
「ベタなミステリーが始まるよ」
と言わせるメタギャグのとおり。
「謎」自体はどうでもよくて、
「解き」の部分をいかに
面白く見せるかという点が
とても良いです。
ちょうどいいテンポ。
ちょうどいいサスペンス。
ちょうどいいコメディ。
それを生み出しているのは、
展開ごとに、観客の目線を
移動させているところ。
序盤は探偵目線。
回想は被害者目線。
容疑者目線。
犯人目線ときて、
最後、主人公目線。
うん。
面白かった。
ダニエル・クレイグ。
どこに焦点が合っているか分からない
目線の演技が今回は特に良かった。
推理物って「難解さ」と「ちょっとした無茶」のバランスが難しいと思う。
難解にするには無茶な要素を入れなければならないけど、無茶し過ぎると「何でもありじゃん」ってなる。この作品は、「難解さ」と「ちょっとした無茶」のバランスが程よいと思う。
秀逸な設定と脚本が、推理+コメディーを見事に成立させている。
名優達の豪華な共演。コメディーのつもりは無いのかもしれないが、クスっと笑えるやりとりも多く楽しい。
推理サスペンスのガチ勢には物足りなく感じるかもだが、個人的には推理も謎解きも心地良く、起承転結が明確で演出も素晴らしかった。
懐かしの【刑事コロンボ】の様な"ユルッ"とした雰囲気と、"ヌルッ"とした推理。それぞれクセのある容疑者達に独自の視点で、細心の注意を払った問い掛け。名探偵ブノワ・ブラン役をダニエル・クレイグが好演。ブランの語り口についつい引き込まれてしまう。
鍵となるマルタ役をアナ・デ・アルマスが熱演。容疑者の1人なのに、''嘘を吐くと嘔吐してしまう''という設定が素晴らしい。吐き慣れているので吐いた後の振る舞いも格好良い?結構な勢いもあるので、色んな意味で注意!(笑)
そして何よりランサム役クリス・エバンスが、違和感満載。"キャプテン・アメリカ"の印象がどうにも拭えないまま、悪態の吐き方が(良い意味で)堪らない。怪しいのか、素なのか、絶妙な演技で煙に巻く演技はさすが。
軽く"過程"を見せながら、じわじわと"解答"に近付けていく演出。その"過程"を容疑者達はブランに正確には伝えない。この"嘘"を鑑賞者は客観的に観て、裏を読みながら推理するのが楽しい。
差別や貧富の差など隠れたテーマも多く、観返してみると細かな描写も多々あって、とても丁寧に作られた脚本なのが分かる。決して重くないミステリー、万人に観てもらいたい良作。人間の裏を観せられたせいか、スッとする気持ち良いラストも必見。
いやぁ〜まんまとやられました
謎解きのわりに、最初からいろいろわかりすぎてて、おやぁ?ってなってからの、最後のどんでん返しきたーってなりました。正直に優しさを持って生きていたいね。
お洒落な映画
お洒落な洋館、小物も服装も凝ってる〜
それから探偵さんの上流階級イギリス英語が
めちゃくちゃ良い!!!
まどろっこしい、相手を小馬鹿?にしてる風の
話し方がTHE探偵っぽくて素敵〜!
出てくるキャラクターが全員濃いし、
些細な伏線回収(ストーリーには関係しない)
ちょっとあったりして、気楽にみれる、イイ映画♪
田舎なまりのクソおやじめ!
完全無欠の、古式ゆかしい推理サスペンス。
連想したのは刑事コロンボであり、モデルに作られた古畑任三郎か。
ダニエル・クレイグ演じる探偵が、死の真相を暴いてゆく。
字幕で鑑賞したのだが、吹き替え、もしくは英語で理解出来たら
なおさら臨場感たっぷりに楽しめたのでは、と思う。
それほど緻密に脚本は練られていた。
おかげで鑑賞中、予想していた犯人を何度も裏切られ、どうなる、が止まらず。
全編通じてコミカルな所も多く、凄惨、深刻で煽らないところも良い。
2019年作品ということで、ダニエル・クレイグにとっては、
「スペクター」と「No Time to Die」の間に撮ったものなのだろうか。
そう思って見ると、
演じる、絶対に人など殴りそうにない、もっさりした探偵役と某国のスパイとのギャップが楽しい。
(アクションなし、弾の一発も撃たず、色気もゼロ。挙句の果てには「田舎なまりのクソおやじめ」と言われてしまうのだから、吹き出した。まあ、それだけスパイの時は気合を入れてやっているんだろうな、とも思う)
真の主役かもしれないアナ・デ・アルマスの可愛くて、頭がキレて、勇気ある看護師も応援したくなるキャラクターで、こちらも見逃がせない。
のみならず終わってみれば本作には、人種差別や移民問題が芯にあると気づかされる。
悪人を捕まえて「はい、オワリ」にしないところも、
一見、軽妙なノリで油断させつつグサリと刺してくるようで、作り込みのうまさを感じた。
※シリーズ化しそう、と思ったら続編撮影中とありましたね
どこまでいってもコメディ
序盤から古典的?な推理サスペンスのシーン作りで展開していくので楽しみ方が分かりやすい映画ではある。
でもあんまりこっちに考えさせるシナリオにしてない。そこは拍子抜ける部分でもある。
あとどこまでいってもコメディ。これを好意的に観れるかどうかで評価は割れると思われる。個人的には最初それがよかったが段々話しの軽さに気が抜けてきて、オチが見え出す頃には半分白けてる感じだった。
しかしそれは勝手にこっちが期待した方向と違っただけでもあるので駄作とかではないと思う。。
「芝居の道具と本物のナイフ」
なんといってもラストがスッキリしてよかった
犯人の目星はだいたいつくけどトリックは最後まで分からなかった
ネトウヨとかナチとかググるとか最近の映画だなぁって思った
移民の扱いに対しての社会批判もあってよかった
キャップが汚い言葉使ってる!!
監督がアガサ・クリスティに捧げるなどファンの方に怒られそうなレベルに豪語している作品。アガサクリスティの作品は「そして誰もいなくなった」ぐらいしか読んでいないにわかですが(それにそこまでハマらなかった)彼女に捧げても文句のない作品だったと思います。
まず色んな方がこの作品を軽いミステリーと言われていますが見る前は正直疑っていました。ですが見てみると本当に軽いミステリーでしたね。笑いどころが多かったです。特に家族の手のひら替えしっぷりには最高に笑いました。
トリックは思い返せば簡単ながらも見ている最中はミスリードに誘導されまくりで全く気付かずとても面白かったです。ミステリー物の一番の肝である探偵の謎解きシーンもダニエル・クレイグのかっこよさも相まってとても爽快で魅力的なシーンになっています。
ただ登場人物がかなり多いので名前と顔と関係を覚えることが難しかったのが難点ですね。ただ単に私の頭がよろしくないだけかもしれませんが。
面白い映画です。是非ご覧ください。
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