劇場公開日 2020年1月31日

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「推理ものとは趣の違う、軽いミステリーの魅力」ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0推理ものとは趣の違う、軽いミステリーの魅力

2020年2月29日
PCから投稿

ライアン・ジョンソンは、ハードボイルドミステリーを学園ものに持ち込んだ『ブリック』という名作を撮った人なので、どんなジョンソンの近作よりも楽しみにしていたが、いい意味で想像を裏切る内容だった。監督本人も公言しているが、あからさまにアガサ・クリスティーのミステリーを、もっと言うならアガサ・クリスティー映画へのリスペクトが前面に押し出されている。平たく言うなら、豪華キャストで、人は死ぬけれど悲壮感はあまりなく、推理で難事件を解決するというより、ドタバタ芝居のアンサンブルを楽しむ、ライトなエンターテインメントである。「ジャンル映画」というものは時代とともに変化変貌していくものだが、あまり遠くに行ってしまうと、原点回帰的な揺り戻しが起きる。久しくこういうタッチのミステリーを観ていなかった(ケネス・ブラナーの『オリエント急行殺人事件』はあったが)気がするので、懐かしさと新鮮さが入り混じった楽しさがあった。これくらいのシリアス加減の映画はたまに観たい。いや、ちょくちょく観たい。

村山章