劇場公開日 2020年7月31日

  • 予告編を見る

「映画で歴史は変えられないけど、歴史の続きは変えられる。」海辺の映画館 キネマの玉手箱 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画で歴史は変えられないけど、歴史の続きは変えられる。

2021年5月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

閉館記念に戦争映画をオールナイト上映する海辺の映画館で映画の世界に入り込んでしまう3人の男たちの話。
.
現実も時間軸もバラバラで、話という話もない。大林監督の頭の戦争や映画に一緒に入り込んでいくような感覚。まさに戦争映画の玉手箱だった。
.
基本的にはずっと意味わからないけど、大林監督の映画愛、戦争に対する思いはこの映画から滲み出てくる。映画を心の底から好きな人が作るものってやっぱり全然違う。
.
戦争映画オールナイトと聞くと何となく第二次世界大戦のだけと思ってたけど幕末から明治にかけての戊辰戦争やら白虎隊やらの話も出てきて、今の日本の性質は第二次世界大戦後からじゃなくて 明治からずっと地続きなんだと思いました。(書いてるうちに小学校の感想文みたいになった笑).
.
あとは戦争の裏では、密かに芸術や文化も潰されていたことも示唆されてて、あぁこれは今のコロナと同じだと。いつの時代も誰にも注目されずに死んでいくのがこの分野なんだな。
.
国が文化を軽く見ているからなのか、文化が国を滅ぼすことが分かっているからなのか、とにかく今の政治家は皆映画を倍速で見るような人種なんだろうな。とりあえず政治とか関係なくても2時間も集中できない人は私は信用できない。
.

せつこん