劇場公開日 2019年11月1日

「動機が不純」ブラック校則 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0動機が不純

2020年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 最近話題となっているツーブロックもちょっとだけ取り上げられていたけど、昔から目立とうとするならば校則の範囲内で何とかなったものだ。天然の茶髪は確かに昔でも問題視されていたけど、周りの生徒が「昔からそうだよ」などと助け船を出してくれたものだった。まぁ、この作品でのモトーラ世理奈は転校が多かったという設定だから難しいけど・・・それでも全校生徒の中で一人だけなんてことはないだろうに。

 演技の面ではジャニーズの2人も頑張っていたし、むしろ校長のでんでんの迫力が足りないことの方が引っかかった。そんな中で、薬師丸ひろ子と成海璃子の無駄遣いも感じてしまいました。

 問題なのは脚本の薄さだろうか。校則を変えようとする問題提起も、結局はモトーラ1人だけの髪の毛の件と彼女の出席日数不足だったし、生徒全体の意識改革にはほど遠い。みんなが熱くなるのは「好きだ」とか「告る」といった個人的問題だけなのが寂しい。それにミチロウが手代木先生の暴力動画を持っていることで、いわば脅迫のような必殺手段が鍵となり、それが解決への糸口になるなんてのもいただけない。

 外国人労働者や放火魔の問題、色んな要素が上手くかみ合ってなくて、東の自作ラップだけが盛り上がる。担任も良かったし、スリーポイントシュートにこだわるバスケ部の生徒も思いがけない活躍で良かった。壁の落書きにしたって面白いんだけど、脚立やペンキを片付けることなく放置してるのもいかがなものか。普通なら真っ先に消すけどな・・・

kossy